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Rd.8 Grand Prix of Canada report
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5列目から2台揃ってのポイント獲得を狙う
予選を前にした午前中のセッションではヤルノのクルマにトラブルが発生、また、ラルフは3番手スタートという不利な状況だったが、それでもふたりは見事に予選トップ10入りを果たしてくれた。レースではお互いに5列目から上位を狙うことになる。
2005年6月11日(土)

FIA F1世界選手権第8戦カナダGPの決勝で、パナソニック・トヨタ・レーシングのヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハーはそれぞれ9位と10位からスタートすることになった。

トゥルーリの予選タイムは1分16秒201、またチームメートのラルフのほうは1分16秒362だった。ラルフは前戦のヨーロッパGPでリタイヤしていたため、今日の予選では最初のグループの1台として走らなければならなかった。

ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは全開で走るストレートといくつかのシケイン、それにヘアピンを組み合わせたコースだ。つまり、いいタイムを出すためには安定したブレーキングと低速コーナーを抜けてからの加速が重要になる。予選セッションの最初の段階ではタイヤのゴムがまだ十分に路面に付着していないためグリップが低下する傾向にあるが、そんな状況にもかかわらずラルフは3番手出走という不利な条件をひるがえす素晴らしい仕事をしてくれた。

「リタイヤしたり悪い順位でレースを終えたりしてしまうと、次のレースでその代償を払うことになるからね」と話すラルフ。「でもこの条件は全員にとって同じことだし、いずれにせよ自分にできる限りの最高の仕事をしなければならない。今回の場合、私はまさにそれができたと思う。レースではさらにポイントを稼げるよう、上位のポジションを走れればいいと思っている」

いっぽうのトゥルーリは、午前中のフリー走行で電子機器のトラブルのため十分に走ることができず、その結果、予定していたセットアップを進めることができなかった。

「予選のウォームアップ・ラップでは、必要としていたレベルの熱をタイヤに入れることができなかった。そのためフライング・ラップの最初の方では、すこし注意深くドライブしなければならなかったんだ」と話すトゥルーリ。「ここではレース戦略が非常に重要になる。また、レース中はブレーキとタイヤもいたわらなければならない。でも、今回も間違いなくさらにポイントを積み重ねていけるはずだと思っているよ」

ポールポジションはBARホンダのジェンソン・バトン、2位はスクーデリア・フェラーリ・マルボロのミハエル・シューマッハー、3位はマイルド・セヴン・ルノーF1のフェルナンド・アロンソだった。シューマッハーは今年のベスト・グリッド(2回目の2位)から上位を狙うことになる。アロンソのチームメート、ジャンカルロ・フィジケラが4位、5位はマクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ、6位はBARホンダの佐藤琢磨、7位は2台目のマクラーレン、キミ・ライコネンとなった。なお地元のヒーロー、ジャック・ヴィルヌーヴ(ザウバー・ペトロナス)は、父の名前を冠したサーキットで8位となり、大いに観客を喜ばせている。

最後にパナソニック・トヨタ・レーシングのチーフレースエンジニアのディーター・ガスがこう説明してくれた。「今回もタイムが接近したかなり面白い予選になった。2位から10位までの差は0.9秒しかない。ふたりのドライバーは幾分妥協せざるを得ない状況の中でよく走ってくれた――ラルフは最初の方で走らなければならず路面はグリップが不足していた。ヤルノは午前中のトラブルでセットアップの時間が十分には取れていなかった。ブレーキングの際に大きな負荷がかかるこのサーキットではしっかりした自信を持って走らなければならないが、ヤルノにはクルマを仕上げる時間すらなかったのだ。ただしわれわれもレース戦略については自信を持っている。明日はまた2台ともポイント圏内でフィニッシュできればと思っている」