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Rd.9 Grand Prix of USA press release
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第9戦アメリカGP公式練習 新規則下での“ブリックヤード”攻略に苦戦
タイヤトラブルでR.シューマッハーがクラッシュ。R.ゾンタもスピンを喫し距離を稼げず
2005年6月17日(金)(アメリカ・インディアナポリス発)

F1世界選手権第9戦アメリカGPの公式練習1回目と2回目が、アメリカ・インディアナポリスのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで行われた。公式練習1回目は、好天の下、午前11時から1時間にわたって、気温24度、路面温度43度、湿度38%と過ごしやすいコンディションで開始された。テスト・ドライバーのリカルド・ゾンタは18周を走り込み、トップと僅差の2番手タイムを刻んだ。初期チェックの後、終盤走行を開始したラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリは、共に7周を走行するにとどめ、それぞれ12番手、13番手につけた。その後、2時間のインターバルを挟んで午後2時から公式練習2回目が1時間にわたって行われた。スタートと同時にコースインしたリカルド・ゾンタは、3周目に左リアタイヤのパンクに見舞われスピン。コースアウトを喫してしまった。開始12分過ぎには、今度はラルフ・シューマッハーの左リアタイヤにトラブルが生じ、オーバルの側壁へクラッシュ。幸いラルフ・シューマッハーは無事だったが、セッションは赤旗中断となった。20分ほど中断の後セッションは再開。ヤルノ・トゥルーリは、計10周と限られた周回ながら10番手につけた。終盤、リカルド・ゾンタもコースへ復帰を果たすが、6周のみの走行で公式練習2回目を終えた。

ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16 
シャシー:TF105/02  



公式練習1回目: 13番手 1分13秒683(トップと1.656秒差)    7周公式練習2回目: 10番手 1分12秒344(トップと1.226秒差)   10周

「まず始めに、ラルフ・シューマッハーがあのような激しいクラッシュにも関わらず、無事だったことを喜びたい。コースで最も危険なポイントで、2年連続でクラッシュしたことは本当に不運だ。今日はチームにとって、非常に難しい一日となってしまった。2つのアクシデントによって、我々は非常に少ない周回数しか走れず、午後のセッション後半に再びコースインするのは難しい決断だった。しかし、幸運にも私の“TF105”には何も起こらなかった。不思議なのは、ここまで“TF105”の感触は悪くなく、我々にはかなりの競争力があるということだ。しかし、タイヤに起こった問題については、まだ明確な原因が特定されておらず、このままでは、十分な自信の下に“TF105”を走らせることはできない。今夜、全てを分析しなければならないだろう」

ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17 
シャシー:TF105/03  



公式練習1回目: 12番手 1分13秒461(トップと1.434秒差)    7周公式練習2回目: 24番手 タイム無し                     2周

「幸運にも私の体には問題なかったが、本当に大きなアクシデントだった。雷は二度同じ所には落ちないというが、今回の私には当てはまらなかったようだ。“TF105”の左側でなにか異常を感じたが、そのときには既に最終コーナーへアプローチしている途中だった。何が起こったか、そしてその原因を正確に検証しなくてはならない。午前中の公式練習1回目は、路面は滑りやすかったものの、好調だった。私はドライバーとして、ここインディアナポリスで一度も幸運に恵まれたことがないが、今年こそ、この流れを断ち切れるのを期待している」

リカルド・ゾンタ : カーナンバー38 
シャシー:TF105/05  



公式練習1回目:  2番手 1分12秒085(トップと0.058秒差)   18周公式練習2回目: 19番手 1分13秒567(トップと2.449秒差)    6周

「ちょうど"TF105"の後方に問題を感じたとき、第5コーナーに差し掛かっており、スピンしてしまった。タイヤのトラブルが、路面のなにかを拾ったことによるものかどうか、原因を調査しなくてはならない。“TF105”はひどいダメージを負うこともなく、セッション終盤に再び走行することが出来たが、すぐにタイヤに異常を感じ走行を終了せざるを得なかった。午前中の公式練習1回目は全てが順調にいっていただけに、残念だ。インディアナポリスはいつも、最初のセッションでは、路面にラバーが付くまで非常に滑りやすいのだが、私がセッション終盤にコースに戻った頃には改善されていた」

ディーター・ガス : チーフ・レース・エンジニア

「これまでのところ、リカルド・ゾンタとラルフ・シューマッハーの2人のアクシデントは、どちらもタイヤに起因するものだと考えられる。どちらも、タイヤ空気圧センサーからの前兆は見られなかったため、一気に空気が抜けたようだ。現時点では原因は特定されておらず、何が起こったかを正確に調べるために、これからデータの分析を行うことになる。タイヤの外側に問題が起きたように見えるので、恐らく、通過したコース上にタイヤを切るようなポイントがあるのだろう。我々は、車体とサスペンションには何も問題がないことを確認した。その上で、パートナーであるミシュランと相談し、再びコースインするにあたって十分に安全だという点で意見が一致した。しかし、その後リカルド・ゾンタのタイヤに、3つ目の傷を発見したため、すぐに走行を取りやめた。これらのことで、週末へ向けて多くのデータは得られなかったが、そのデータの中から、何が起こったのか、原因究明のための分析を行わなければならない。ラルフ・シューマッハーの“TF105”は、我々が恐れていたほどダメージは受けていないようで、エンジンは明日再び使えるように見える。とはいえ、最も重要なことは、ドライバー全員が無事だったことだ」

高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
 
「ラルフ・シューマッハーはクラッシュを喫したが、身体に異常もなく、元気だったことにほっとしている。ラルフ・シューマッハーとリカルド・ゾンタの2台に発生したのは、いずれも左リアのタイヤトラブルで、そのためにタイヤデータを十分収集することができず、残念だ。明日までにミシュランと共に原因を究明し、挽回を図りたい」