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Rd.9 Grand Prix of USA report
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アクシデントに見舞われるもラルフは無事。チームは原因究明を開始
F1世界選手権第9戦アメリカGPの初日、パナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーは昨年と似たような形のアクシデントに見舞われた。幸いにも大きな怪我はなかったものの、リカルド・ゾンタも同様のトラブルでコースアウトするなどしているため、チームは徹底的な原因究明を進めている。
2005年6月17日(金)

インディアナポリスで始まったF1世界選手権第9戦アメリカGPの初日はパナソニック・トヨタ・レーシングにとって波乱の展開となった――ラルフ・シューマッハーが高速コーナーのターン13で2年連続でクラッシュを喫したのだ。

このアクシデントが発生したのはフリー走行2回目の序盤のこと。ラルフがドライブするTF105が突然コントロール不能となりコンクリート・ウォールに激突してしまった。原因はタイヤ関連のトラブルではないかと疑われている。昨年もレース中に似たようなアクシデントに見舞われ、その後脊椎の負傷などのため数戦を欠場したラルフだったが、今回は無傷でクルマから自力で脱出している。

「ターン13で何の前触れもなくクルマが制御不能になった。クルマの左側の何かがおかしくなったように感じたが、正確な原因を突き止めるにはこれから分析作業が必要だ」と話すラルフ。「ありがたいことに私は無事だったが、データを詳細に確認して原因が何だったのかを見てみないとね」

このアクシデントのため、ラルフのタイムは午前中のセッションで記録した1分13秒461のみとなってしまった。いっぽうでサードドライバーのリカルド・ゾンタも、ラルフのアクシデントの直前に、こちらもタイヤ関連のトラブルのためグラベルに飛び出してしまっている。このためゾンタはフリー走行2回目の大半を棒に振ってしまった。なおセッションは赤旗で中断され、この間、ラルフのクルマはピットへと回収された。なおゾンタはセッションの最後には再びコースに復帰している。

午前中のセッションでゾンタは1分12秒085を記録。トップタイムを叩きだしたウェスト・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤまでわずか0.058秒という僅差だった。だが2回目のセッションでモントーヤはさらにタイムを1分11秒118まで伸ばす。キミ・ライコネン(1分11秒228)とともにマクラーレン勢の1-2体制となった。

3番手タイムを出したのはスクーデリア・フェラーリ・マルボロのルーベンス・バリチェロ(1分11秒476)、続いてチームメートのミハエル・シューマッハー(1分11秒758)、5位はBMWウィリアムズF1チームのニック・ハイドフェルド(1分11秒825)、6位はレッドブル・レーシングのデヴィッド・クルサード(1分12秒027)となった。ゾンタの午前中のタイムは全体の7番手、また、ヤルノの1分12秒344は10番手のタイムだった。

「チーム全体にとって厳しい一日だった」と話すトゥルーリ。「2つのアクシデントのせいでわずかしか走行できなかった。クルマの感触はそれほど悪くはないが、それより重要なのはあれほど激しい衝撃を受けたアクシデントにも関わらずラルフが大丈夫だったことだ」

チーフレースエンジニアのディーター・ガスは続けた。「ラルフとリカルドのアクシデントの原因は両方とも左リアタイヤのトラブルが疑われている。何が起こったのかを正確に把握するために、今晩はデータを分析する予定だ。ただし最も重要なことはふたりとも怪我がなかったことだ」