ミシュランが供給するタイヤに発生した問題のため、パナソニック・トヨタ・レーシングはF1世界選手権第9戦アメリカGPへの出走を取りやめることとなった。
昨日の予選ではヤルノ・トゥルーリがパナソニック・トヨタ・レーシングにとって初のポールポジションを獲得していただけに、この決定は非常に難しいものだった。だが、責任と安全の両方を考えると、これ以外に取るべき選択肢はなかったのである。
このため今回の決勝レースはブリジストンタイヤを使用する6台のみによる争いとなり、スクーデリア・フェラーリ・マルボロのミハエル・シューマッハーが今シーズン初優勝、チームメートのルーベンス・バリチェロが2位、ジョーダン・グランプリのティアゴ・モンテイロが3位という結果となった。続く4位は同じくジョーダンのナレイン・カーティケヤン、5位と6位はミナルディのクリスチャン・アルバースとパトリック・フリーザッハーだった。
ことの発端はパナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーとリカルド・ゾンタが金曜日のフリー走行でタイヤのトラブルに直面したことだ。激しくクラッシュしたラルフ・シューマッハーは土曜日朝のメディカル・チェックを経て、それ以降のセッションへの出走を取りやめている。ただし7月3日にマニクールで開催される次戦フランスGPには再び出走できるようになるはず、と本人も自信を見せている。
このためレースではラルフの代わりにゾンタが走ることになっていたが、実際にはフォーメーション・ラップを終えた後にピットに戻ることとなった。
この決定は、現在のコースコンディションにおいて、金曜日に発生したアクシデントがレースで再発しないということが保証できない、というミシュランからのアドバイスに従ったものだ。ミシュランタイヤを使用する各チームは、問題の一因となっているインディアナポリス・モータースポーツウェイのバンク角がついたターン13にシケインを設置することを提案したが、これはFIAによって否決されている。
チーム代表の冨田務は次のように述べている。「はじめに、サーキットと世界中にいるファンの皆様とパートナーの皆様にお詫び申し上げたいと思います。特にヤルノ・トゥルーリがポールポジションを獲得していただけに、こうした決定を下さなければならなくなったことを残念に思います。しかし、ドライバーの安全は何よりも優先されなければならないことです。この週末に発生したタイヤの問題に関する詳しい分析結果を踏まえると、われわれはドライバーたちにレース距離を問題なく走りきってもらうことができなかったのです」
今回のレース結果を受け、コンストラクターズ選手権のタイトル争いでは、1-2フィニッシュを果たしたフェラーリが18ポイントを積み重ねてウェスト・マクラーレン・メルセデスと並んで2位となる63ポイントに躍進。パナソニック・トヨタ・レーシングはBMWウィリアムズF1チームとともに47ポイントのまま。ドライバーズ選手権のほうでは、ディフェンディング・チャンピオンのミハエル・シューマッハーが34ポイントとなり3位に浮上。また、29ポイントのバリチェロが4位となり、27ポイントのヤルノ・トゥルーリは5位に順位を下げている。 |