シルバーストーンの予選でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたトゥルーリだったが、決勝レースでは序盤のペースについていくことができず期待はずれの結果となった。
「シルバーストーンでタイヤの性能を最大限に発揮するためには、最高のセットアップ・バランスを見つけなければならない」と話すトゥルーリ。「レース序盤は十分なペースがなかった。終盤になるにつれて速さを取り戻していったんだけどね。また、フェルナンド・アロンソを先に行かせるよう青旗を振られたときに少々タイムをロスしてしまったし、渋滞につかまったときも遅れてしまった。とにかくこの結果は過去のものにして、次のホッケンハイムを目指さなければならない」
いっぽう予選9番手だったラルフ・シューマッハーは、1周目にフェラーリのミハエル・シューマッハーとマクラーレンのキミ・ライコネンに先行を許し、いくつかポジションを落としてしまった。ライコネンは10グリッド降格のペナルティから猛追を見せていた。
「ヤルノと同じように、レース序盤はグリップの問題を抱えていた」と話すラルフ。「できることはすべてトライした結果、レース終盤のほうになると調子がよくなっていった。レース前は今回選択したタイヤがアドバンテージになればと思っていたが、実際には逆の結果となってしまった。クルマをコースにとどめておくことが難しく、安定したラップタイムを刻むこともできなかった」
今回は2人とも2回ストップ作戦を選択。60周のレースだったが、ヤルノは20周目と42周目に、またラルフは21周目と47周目に給油している。ラルフは第2スティントが長かったお陰でヤルノをかわして1ポイントを手にすることができた。「今日は戦略面でミスがあった」と認めるヤルノ。
レースではウェスト・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤが今季初優勝を飾った。タイトル争いでトップに立つマイルド・セブン・ルノーF1のフェルナンド・アロンソは2位、もう1台のマクラーレンに乗るキミ・ライコネンが3位、ルノーのジャンカルロ・フィジケラが4位、地元の人気者、ラッキーストライクBARホンダのジェンソン・バトンは5位、スクーデリア・フェラーリ・マルボロのミハエル・シューマッハーが6位、同じくフェラーリのルーベンス・バリチェロが7位となっている。
「1ポイントを手にするにしてはかなりタフなレースだった」と話すチームプリンシパルの冨田務。「2台そろってわれわれの素晴らしい信頼性を維持できたことには満足しているが、レースの第1スティントではペースについていけず苦しんでしまった。後半はかなり競争力が戻っていたが、全体像をしっかり把握するためにこれから詳細にデータを分析しなければならない」
パナソニック・トヨタ・レーシングは“ホームレース”となる7月24日決勝のドイツGPを前に、コンストラクターズ選手権では54ポイントで4位を堅守している。ドライバーズ選手権ではヤルノが31ポイントで4位タイ、ラルフが23ポイントで9位となっている。
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