この日のモンツァにおけるゾンタの最速タイムは1分20秒531で、これは午前中のフリー走行でマクラーレンのテストドライバー、ペドロ・デ・ラ・ロサが出したトップタイムからわずか0.33秒遅れの好タイムだった。
「先週、ここモンツァで実施した3日間のテストを終え、われわれは週末のレースに準備万態の体制だ」と話すゾンタ。「それでも私にとっては有益な一日だったし、今日だけでほぼ1レース分の走行距離を走ることができた。1回目のフリー走行ではクルマがかなり滑りやすかったが、2回目のセッションではもっとグリップがよくなり、かなり進歩できたね」
モンツァは全19戦の中で最もエンジンに負荷のかかるサーキットだ。全長5.793キロのコースでエンジンの全開率は70パーセントを超える。しかもイタリアGPの後には同じく高速コースのスパ・フランコルシャンが控えているのだ。もちろん今シーズンのレギュレーションでは2レースを1エンジンで走りきらなければならない。つまり、ケルンに本拠地を置くパナソニック・トヨタ・レーシングのエンジン部門にとって、この2レースは今シーズン最大のハードルとなるわけだ。ただし先週のテストの際に、たとえばギア比の選択作業など、通常は金曜日に行わなければならない作業はすでに完了している。
この日の3位と4位はチーム・マクラーレン・メルセデスのファン・パブロ・モントーヤ(1分21秒583)とキミ・ライコネン(1分21秒735)だった。また、BMWウィリアムズF1チームのマーク・ウェバー(1分21秒816)とニック・ハイドフェルド(1分22秒278)が5位と6位に続いた。パナソニック・トヨタ・レーシングのレースドライバー、ヤルノ・トゥルーリは1分22秒278で8位、ラルフ・シューマッハーは1分23秒126で15位となっている。
「モンツァは超高速コースで、かなり小さいウィングを使うことになる」と説明するヤルノ。「空力効率がよくないといけないし、またブレーキング時の挙動もよくなければダメだ。それにシケインから立ち上がるときのトラクションも必要だ。先週のテストでは、ほかのどのチームもかなり速そうだったが、われわれもそれなりに調子がいいし、ポイントを取れるだけの速さはあると思う」
ラルフが続ける。「先週のテストで事前にデータを収集できていたことを除けば、今日はいつもの金曜日だった。お陰でレースで使用する予定のタイヤの選定もできた。どちらを選ぶかはかなり明白だったと思うし、特に問題も抱えていない」
チーフ・レースエンジニアのディーター・ガスは次のように述べている。「予想外のことは何もない一日だった。先週ここでテストをしているだけに、トップチームのいくつかはあえて今日は長い距離を走らなかったようだね。今日はタイヤ選択のために、かなりいい走りができたと自信を持っている。また、われわれは、モンツァの特徴でもある高速カーブやシケインでのパフォーマンス、それにエンジンとブレーキへの負荷の問題に集中することができた」
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