F1第16戦ベルギーGPの公式練習1回目と2回目が、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われた。前戦イタリアGPでダブル入賞を果たし、波に乗るパナソニック・トヨタ・レーシングは、昨年のベルギーGPポールシッターであるヤルノ・トゥルーリと、“スパ”での表彰台経験を持つR.シューマッハーに加え、サードドライバーのR.ゾンタの3人が金曜日の公式練習に参加した。公式練習1回目が始まる午前11時には、空には晴れ間が見えていたものの、朝方の雨の影響で路面はウェット。気温22度、路面温度25度、湿度73%というコンディションで、各車インターミディエイトタイヤで走行を開始した。その難しいコンディションの中で、開始早々からリカルド・ゾンタが精力的に周回。出走車中最多となる22周を走破し4番手のタイムとなった。レースドライバーの2人は、どちらも10周に満たない周回数ながら、ヤルノ・トゥルーリが7番手、ラルフ・シューマッハーが9番手と、3台共にトップ10のタイムを刻んだ。公式練習2回目は、2時間のインターバルを挟み、午後2時に開始されたが、強い雨に見舞われ、各チーム安全のためにコースインを見合わせ、全車タイム計測無しという結果に終わった。明日3日(土)は午前9時からの公式練習の3回目と4回目に続き、午後1時から予選が行われる。
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
公式練習1回目: 7番手 1分50秒542(トップと2.336秒差) 9周 公式練習2回目: 17番手 走行せず 0周
「我々は、この週末、このように雨に見舞われることは予想しており、今後も悪天候が予想されている。今年はあまりウェットコンディションでのテストを行っていないので、厳しい週末になりそうだ。スパ・フランコルシャンは運転することが楽しい、世界でも最高のサーキットだが、天候の変化が非常に激しく、それはサーキットのコンディションに大きな影響を及ぼす。しかし、それは誰にとっても同じことだ。昨年、私はウェットコンディションのスパ・フランコルシャンでポールポジションを獲得しており、今年も良い結果が得られることを期待している」
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
公式練習1回目: 9番手 1分50秒820(トップと2.614秒差) 8周 公式練習2回目: 18番手 走行せず 0周
「この不運な天候は、全てのチームにとって厳しい週末になることを意味している。もしこの週末、ドライコンディションで走ることになった時、適切なドライタイヤを選択することは非常に難しい。また、この天候が、明日をとても忙しい1日にするだろう。そして、結局は、ウェットコンディションで走ることになるはずだが、今年はまだウェットコンディションでのレースが行われておらず、我々のチームも、ウェットコンディションでのテストを十分にしてきたとは言い難い。どうなるかは見守るしかないということだ」
リカルド・ゾンタ : カーナンバー38
シャシー:TF105/02
公式練習1回目: 4番手 1分49秒445(トップと1.239秒差) 22周 公式練習2回目: 23番手 走行せず 0周
「スパでの走行は、いつも楽しみにしているだけに、今日午後のセッションで走れなかったのは残念だ。しかし、午前中、走行開始の時点では、路面はまだ濡れており、ややウェットな路面での走行をテストする良い機会を得られた。ドライタイヤに変更した際のバランス修正など、レースで必要となった時に備えて、セッティングについて学ぶことは出来た。スパは、いつでも、どのようなコンディションでもドライブするのが楽しいサーキットであり、今日は、典型的な“スパ”の天候だったと言える」
マイク・ガスコイン : シャシー部門テクニカルディレクター
「今日は典型的なスパの雨に見舞われ、難しいコンディションとなり、走行するのも危険な状態となった。我々は午後降雨に見舞われると予測していたため、午前中のセッションで、いつも以上に多くの周回数を重ねた。リカルド・ゾンタは、ややウェットな状態と、ドライコンディションでの両方で走り込み、評価を行うことが出来、両レースドライバーもドライコンディションで周回を重ねられたことで、今夜、タイヤ選択を行うためのある程度の情報は得られた」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「今日のようなコンディションでは、2種類のドライ用タイヤを十分に評価するのは不可能だった。特に午後は雨が激しく、全く走行することが出来なかった。ただし、これは全チームが同じ条件なので、明日もこれまで通りベストを尽くして、予選と決勝に備えたい」
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