9月25日(日)、F1第17戦ブラジルGPの決勝レースがブラジル・サンパウロ近郊のインテルラゴスで行われた。夜半から朝まで降り続いた雨はやんだものの、コース上にはウェット部分が所々残る状態で、気温22度、路面温度24度、湿度64%というコンディションの下、午後2時に決勝レースがスタート。10番手グリッドから好スタートを切ったラルフ・シューマッハーは、ポジションを上げ、9位で序盤戦へ。その後も着実な走りを見せ、終盤には前を行くJ.バトン(BARホンダ)を追い上げたが、惜しくも逆転はならず8位でフィニッシュ。ポイント獲得を果たした。一方、予選前のエンジン交換により16番手と後方からのスタートを余儀なくされたヤルノ・トゥルーリは、スタート直後に目前で発生したクラッシュによる混乱を上手くかわし、15位から追い上げを開始。ペースの上がらない先行車に阻まれるなど苦戦を強いられ、最終周にはエンジンの不調に見舞われストップ。13位でレースを終えた。
優勝は、ファン・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)であった。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/05
決勝順位 : 8位 70周/71周
グリッド : 10番手
「かなり厳しいレースであった。昨日からタイヤの問題を抱え、レースへ向けて、その問題を補うために、ウィングに頼らざるを得なかった。しかし、レース中も、非常に運転は困難で、特にレース序盤は顕著であった。レース中盤からは少し良くなり、ややハードに攻めることが出来た。C.クリエン(レッドブル)が私よりも先にピットインすることは分かっていたので、彼のすぐ後のポジションをキープした。幸運にも、K.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)にコースを譲った時にも、それほどタイムをロスせずに済んだ。最終的に、1ポイントではあるが獲得出来たことで良しとしなくてはならない」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/07
決勝順位 : 13位 69周/71周
グリッド : 17番手
「全てが上手く行かない週末となってしまった。まず、昨日エンジン交換を余儀なくされ、10グリッド降格となったのが始まりだ。そしてスタートでは、直前で接触し、スピンした前走車を避けなくてはならなかった。私にとってのレースは、最後の数ラップだけであった。その数ラップだけ、渋滞に阻まれることもなく、納得行くラップタイムで走ることが出来た。それ以外の周回でも我々は速かったが、唯一の追い越しポイントであるストレートでは、前走車をパスするに十分な速さはなかった。忘れてしまいたい週末となってしまったが、2週間後の鈴鹿ではもっと活躍出来ることを望んでいる」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「予想通り厳しいレースとなったが、何とかラルフ・シューマッハーが8位に入賞し、ポイントを獲得してくれた。ヤルノ・トゥルーリはスタート後の1コーナーでのアクシデントを避けるために、順位を落としてしまった。その後はずっと遅い車に阻まれてしまい、ポテンシャルを十分発揮出来なかった。次戦鈴鹿では、さらに性能を向上させるべく、これからも全力で改良を進める」
冨田 務 : TMG会長 兼 チーム代表
「ラルフ・シューマッハーがポイントを獲得してくれたことは良かったが、本来は、さらに上位を目指せたはずだった。予選で彼はタイヤに恵まれず、アンダーステアに苦しんでいた。今回のようなことが起こったのは非常に残念だが、ミシュランとトヨタの、長年に渡るレースでの強力且つ密接な関係によって、このような事態は二度と繰り返されないと信じている。ラルフ・シューマッハーはレースでのバランスに苦しみながらも、追い上げを見せ、本当によく戦ってくれた。ヤルノ・トゥルーリにとっては、フラストレーションの溜まるレースとなってしまった。最初のコーナーでA.ピッツォニア(ウィリアムズBMW)を上手く避けたが、追い越しの難しいサーキットで、そのチャンスに恵まれないまま、レースのほとんどを先行車に阻まれて費やすことになってしまった。コンストラクターズ選手権で3位を争うのは非常に難しくなったが、我々は諦めずに挑戦を続ける。そして、2週間後に迫ったホームGPの日本GPで、最高のパフォーマンスを披露出来ることを熱望している」
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