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Rd.17 Grand Prix of Brazil report
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ラルフが1ポイント獲得もコンストラクターズ選手権で3位浮上は苦しい状況に
インテルラゴスで開催されたブラジルGPではラルフ・シューマッハーがねばり強い走りを見せ8位入賞を果たし、パナソニック・トヨタ・レーシングに1ポイントをもたらした。
2005年9月25日(日)

この日10番グリッドからスタートしたラルフは71周で行われたレース全般を通して懸命のバトルを展開。スタートで9位に浮上すると、2回目のピットストップを行った57周目にレッドブルのクリスチャン・クリエンを追い抜いてポイント圏内の8位を確保した。

ラルフは予選でアンダーステアに苦しみ、予想よりも低い順位からのスタートとなったが、そのせいでレースのほうも苦しい展開を強いられた。

「序盤の数周では相変わらずドライビングが難しかった」と説明するラルフ。「アンダーステアは相変わらずだったので、最初のピットストップの際にフロントウィングをすこし立て気味にして修正を試みた。また、インテルラゴスでは追い越しがとても難しいんだ。1周がこんなに短いうえに、インフィールド・セクションはタイトなコーナーが多いからね。また上位陣が脱落する率もかなり低い。自分の2回目のピットストップがクリエンよりも後になることがわかっていたから、そのアドバンテージを最大限に生かすためにできる限り彼に近づいておくことに集中した。ライコネンを先に行かせる際にすこしタイムをロスしたが、それでもなんとかポイント圏内に入ることができた」

チームメートのヤルノの任務は土曜日にエンジン交換をしたためにほぼ実現不可能なものになってしまった。このエンジン交換により今回のレースは17番グリッドからのスタートとなった。また、スタート直後の1コーナーではBMWウィリアムズの2台とレッドブルのデヴィッド・クルサードの接触を避けるために大きくタイムをロスしてしまった。

「グリッド降格のペナルティを踏まえた上で一番効率のいい戦略を選択したため、燃料が非常に重い状態になっていた」と説明するヤルノ。「この場合の問題は、今回のような状況になった場合、ますます追い越しが難しくなることだ。それに渋滞にもつかまってしまった。前が開けているときには速いタイムで走ることができたが、レース全般を通してそういったラップは数えるほどしかなかった。おまけに最終周にはニューマチック系の問題が起こってしまい、リタイヤせざるを得なかった。今はただトヨタの母国グランプリとなる2週間後の鈴鹿でもっと幸運が巡ってくることを願うだけだよ。それから、ドライバーズ選手権を勝ち取ったかつての私のチームメート、フェルナンド・アロンソには祝福の気持ちを送りたいと思う」

チーフ・レースエンジニアのディーター・ガスは次のように述べている。「チーム全体にとって今回は試練の週末になってしまった。運営面での問題も浮上したしね。だが、こういった問題はモータースポーツにはつきものだ。われわれは1ポイントを獲得できたが、残念ながらフェラーリは2台ともポイント圏内でフィニッシュしている。このため、シーズンを締めくくる極東の2レースで、コンストラクターズ選手権の3位をわれわれが奪回するのは非常に難しい状況になってしまった」

コンストラクターズ選手権ではマクラーレン・メルセデスがマイルド・セヴン・ルノーを2ポイント逆転しトップに浮上している。3位には98ポイントでスクーデリア・フェラーリが続き、パナソニック・トヨタ・レーシングは81ポイントで4位となっている。