鈴鹿サーキットはF1カレンダーの中でも最も難度の高いサーキットのひとつだが、ゾンタがこのコースを走ったのは2000年が最後のこと。それでも今日の彼のラップタイムは1分30秒682で、チーム・マクラーレン・メルセデスのペドロ・デ・ラ・ロサが記録したトップタイム、1分30秒532との差はわずか0.15秒だった。
「午前中は路面がまだかなり汚れていて、オーバーステアがきつかった」と説明するゾンタ。「その後、電気系のトラブルですこし時間を失ってしまったが、それでも全体的に見ればわれわれの調子はかなり良好だと思う。私がドライブしたのはスタンダードのTF105のほうで、レースドライバーの2人がドライブしたのはTF105Bのほうだったが、タイヤの比較という意味では(クルマが違っても)共通している。雨が降り始める前になんとか今日のプログラムを終えられたしね」
ラルフ・シューマッハーは1分32秒917で12番手、ヤルノ・トゥルーリのほうは1分33秒122の14番手という順位でこの日のセッションを終えている。
「鈴鹿をドライブするのはいつも楽しいし、それが日本のチームのためとなればなおさらだ」と話すラルフ。「それに日曜日に向けていいスタートが切れたと思う。レース全体で見れば新車のほうが今までのクルマよりも安定しているし、きっといいパフォーマンスを発揮できるはずだとポジティブに考えている」
いっぽうでヤルノがこう付け加えた。「TF105Bでレースに臨むことに決めたのは、このクルマが冬のテストと来年用のクルマの基礎になるからだ」
この日先頭グループとなったデ・ラ・ロサとゾンタに続いたのは、3位がスクーデリア・フェラーリ・マールボロのミハエル・シューマッハー(1分31秒716)、4位がラッキーストライクBARホンダのジェンソン・バトン(1分32秒043)、5位がレッドブル・レーシングのデヴィッド・クルサード(1分32秒229)、そしてトップ6の最後がフェラーリのルーベンス・バリチェロ(1分32秒267)となった。
シャシー部門テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは次のように話している。「TF105Bのフロントサスペンションにはいくつか改良を施している。このお陰でドライバーはメカニカル・グリップをもっと感じられるようになったはずだし、またダウンフォースも増えているはずだ。ラルフは今日のクルマのバランスに満足していたようだが、ヤルノのほうはそれほどでもなかった。日本のファンの前で力強い走りを披露できればと願っているが、ただしわれわれの予測では、週末のレース展開は天候に左右されそうな気配だ。今年は去年のような台風が来るわけではないが、明日の予選では雨になる確率がかなり高い。とはいえ、レースではドライになる可能性のほうが高いといえる」
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