F1世界選手権第19戦中国GPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。昨日の雲は去り、やや涼しいものの好天の下、気温20度、路面温度22度、湿度56%のコンディションで午前9時から公式練習3回目が開始された。来シーズンも見据え、改良型“TF105B”で参戦するパナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、セッション中盤からコースイン。セットアップを継続し、ヤルノ・トゥルーリが14番手、ラルフ・シューマッハーが15番手タイムとなった。30分のインターバルの後、午前10時15分から行われた公式練習4回目では、両車共に着実にタイムを更新。ヤルノ・トゥルーリが11番手、ラルフ・シューマッハーが15番手で午後の予選へと臨むことになった。午後1時から行われた予選では、路面温度、気温共に23度、湿度は33%と快晴の中で、前戦日本GP決勝結果の逆順でタイムアタックが行われた。日本GPは接触からリタイアという結果に終わったヤルノ・トゥルーリは、3番目という不利な出走順ながら12番手。13番目に出走のラルフ・シューマッハーは9番手となり、決勝レースでポイント獲得を目指すこととなった。明日の決勝レースは、午後2時(日本時間午後3時)に56周のスタートが切られる。
ラルフ・シューマッハー : カーナンバー17
シャシー:TF105/09B
公式練習3回目 : 15番手 1分36秒251(トップと1.998秒差) 10周公式練習4回目 : 15番手 1分35秒371(トップと2.159秒差)
15周公式予選 : 9番手 1分35秒723(トップと1.643秒差) 3周
グリッド : 9番手
「アンダーステアとグリップ不足に苦しみ、我々にとっては、かなり厳しい週末となっている。ずっとハードワークを続けているが、状況は予選でも変わらなかった。路面は汚れており、滑りやすく、アンターステアが強く、時にはオーバーステアに変わるなど、予選アタックは非常に難しかった。ラップタイムには納得出来るが、あと0.1秒は縮めることが出来たはずだ。決勝レースも厳しい戦いになると思うが、いつも同様に攻め続け、ポイント獲得を果たし、良いシーズンの締めくくりにしたい」
ヤルノ・トゥルーリ : カーナンバー16
シャシー:TF105/10B
公式練習3回目 : 14番手 1分36秒100(トップと1.847秒差) 13周公式練習4回目 : 11番手 1分35秒107(トップと1.895秒差)
13周 公式予選 : 12番手 1分36秒044(トップと1.964秒差) 3周
グリッド : 12番手
「今日はこれが精一杯だった。残念ながら、この週末、“TF105B”のドライブにはずっと苦しんでおり、昨日の公式練習での、アンダーステア症状とグリップ不足などの問題は、今日の午前中の公式練習でも改善されなかった。予選では、路面のコンディションが午前中とは大きく変わっており、私が走った予選序盤は、非常に埃っぽく、滑りやすくなっていた。そのような状況の中で、最大限の努力をしてきた。明日は、決勝でポジションアップするべくベストを尽くす。ポイント獲得という好結果でシーズンを終えられることを望んでいる」
マイク・ガスコイン : シャシー部門テクニカルディレクター
「両ドライバーの努力により、チームにとって納得行く予選結果といえる。グリップが不足し、ドライバーはバランスを見出すために努力を重ねてくれた。ヤルノ・トゥルーリの早い予選出走順による不利な条件を考慮すれば、予選12番手というグリッドにも満足せねばならない。我々は、この週末のタイヤ選択が難しいことが分かっており、明日、どのように路面コンディションが変わるかを検討せねばならない。この予選結果を、ポイント圏内での2台完走へと繋げたい」
高橋敬三 : 技術コーディネーション担当ディレクター
「両ドライバー共に最大限のアタックをしてくれたが、まだバランスが完全でなく、残念な予選結果となってしまった。しかし、これも来年に向けての貴重なデータであり、明日のレースも最後まで全力で戦い、何としてもポイントを獲得する」
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