ラルフにとっては今回がハンガリーGPに続いてシーズン2度目の表彰台となる。これで表彰台獲得はヤルノ・トゥルーリによるマレーシアGP、バーレーンGP、スペインGPと併せて5回目となった。なお、今回のヤルノはさまざまなトラブルに見舞われ15位でフィニッシュとなった。
9番グリッドからスタートしたラルフは2度のセーフティーカー・ピリオドの間に順位を上げた。セーフティーカーが入った理由は、1回目が排水設備のカバーが剥がれたため、そして2回目はナレイン・カーティケヤンの激しいクラッシュが原因だった。幸いにもカーティケヤンに大きな怪我はなかった。
「最初からタフな週末だった」と話すラルフ。「クルマのバランスをうまく取るのに苦労したが、レースではすべてがうまくいった。セーフティーカーが入ったのはわれわれにとって幸運だったし、2回目のセーフティーカー・ピリオドでピットに入らなかったのは戦略的にいい決断だった。2回のピットストップは、どちらもチームがうまくこなしてくれた。シーズンを表彰台の上で終えられるのはいい気分だね」
ラルフのほうは1回目のセーフティーカーで助けられた形になったが、ヤルノにとってはそれが完全に逆になってしまった。17周目にピットストップを終えたばかりのヤルノは、他車がセーフティーカー・ピリオドの間にピットインしてしまったため、結果的に大きく順位を落とすことになった。
「今日の私は運が尽きていたと言えるんじゃないかな」と話すヤルノ。「セーフティーカーの恩恵は受けられなかったし、クルマのほうも最初はバランスが悪くなかったものの、その後、左フロントタイヤにバイブレーションが生じてしまった。順位がかなり後方に落ちてしまったが、2回目にセーフティーカーが入ったときは最後まで走りきるための燃料を入れて挽回しようとした。でも結局は左フロントタイヤを交換するためにピットインしなければならなかった。今日はノーポイントに終わってしまったが、最高のチームとともに素晴らしいシーズンを送ることができた。シーズン前の予想を大きく上回る1年だったよ」
レースのほうは新チャンピオンのフェルナンド・アロンソが今季7勝目を達成し、この結果マイルド・セヴン・ルノーF1チームのコンストラクターズタイトルが決まった。2位はチーム・マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン。3位のラルフの後ろにはレース後半にドライブスルー・ペナルティを受けたジャンカルロ・フィジケラが続いた。以下、5位がレッドブル・レーシングのクリスチャン・クリエン、6位がザウバーの最後のレースで3ポイント獲得したフェリペ・マッサ、7位がBMWウィリアムズのマーク・ウェバー、8位がBARホンダのジェンソン・バトンとなった。
シャシー部門テクニカルディレクターのマイク・ガスコインは次のように述べている。「最後の2レースにわれわれはTF105Bを投入したわけだが、その結果、ポールポジションと表彰台を獲得することができた。これはケルンと日本にいるチーム全員の素晴らしい努力が形になった結果といえる。素晴らしいシーズンを送れたことに対し2人のドライバーにはお礼を言いたいし、今日表彰台を獲得したラルフにはおめでとうと言いたい。今日のヤルノはあまり運がなかったが、今シーズンの彼はいい走りをしてくれた。来年さらに進化するために全力を傾けていくつもりだが、その前にすこしだけわれわれも休暇を取るつもりだ」
ドライバーズ選手権では、ラルフ・シューマッハーが45ポイントで6位、ヤルノ・トゥルーリが43ポイントで7位となり、また、コンストラクターズ選手権ではパナソニック・トヨタ・レーシングが88ポイントで4位となった。前年のチャンピオンであるスクーデリア・フェラーリ・マールボロとの差はわずか12ポイント、また、5位のBMWウィリアムズF1チームには22ポイントの差をつけての4位だった。
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