フランスGPを振り返る ヤルノ・トゥルーリ Q+A
●3位入賞おめでとう! また表彰台に戻れたわけですが、どんな気持ちでしたか?
「とにかく素晴らしい気持ちだったし、我々は完璧と言っていい週末を送っていただけに、この結果はチームの全員にとって最高のご褒美となった。ケルンのファクトリーでも全員がクルマを改善するために懸命に仕事をしていることは私も知っているし、マニクールでは私を担当するエンジニアたち、メカニックたち、そして全員が最大限のパフォーマンスを発揮してくれた。だからこそ、あの瞬間を彼らと表彰台の上で共有できたのは最高だったし、その後にピットガレージでみんなが満足した様子を目にできたのも嬉しかった。この結果はシーズン後半に向けて大きな励みになる」
●表彰台争いができるとレース前に考えていましたか?
「レースの週末の最初の段階では、確かに3位を狙えるとは予想していなかった。ただし新しい空力パーツがいくつかクルマに投入されていたので、パフォーマンスの向上は予想していた。そしてセッションが進むにつれ、自分たちがかなり上位にいるようだと感じ始めていたんだ。予選4番手というのは素晴らしい結果だったし、その後、トップ6でゴールできる可能性がかなり高いとも思った。もし全てが上手く進めば、あるいは表彰台を目指せるかもしれない、とね。素晴らしい結果を掴める可能性があると思っていたから、レースに向けてかなり燃えていたんだ。実際に全てが上手くいってとてもハッピーだよ」
●あなたにとってはタフなレースだったのでは?
「いつも通り、レースの最初から最後まで限界までプッシュして走ったし、とにかくがんばって戦ったよ。簡単なレースではなかったけれど、でもスタート直後にフェルナンド・アロンソをかわした後は、自分たちにチャンスが巡ってきたと分かっていたから、絶対に諦めず、全ラップで懸命にプッシュしたんだ。自分たちより幾分速いクルマを相手に戦っていたから、順位を守るには相当にがんばらなければならなかった。キツかったけど、でも絶対に素晴らしい結果を手にするんだと心に決めていた。特に今回はオベ・アンダーソンに不幸が起こった直後のレースだったからね。彼はチームのためにとても多くのことを成し遂げてくれたし、我々は(いいレースをして)彼に敬意を表したいと思っていた。今回の素晴らしい結果を彼自身が目にできなかったのは残念だったが、でも彼に私の3位を捧げることができたのは素晴らしかった」
●最後の数周はいかがでしたか?
「レースの最後のヘイッキ・コバライネンとのバトルはとてもエキサイティングだった。すこし雨が降っていたが、前を走っている時は、各コーナーがどういう状況になっているのかが分からないため、一層ドライビングが難しくなる。誰かの後ろについて走る方が簡単なんだ。そのためヘイッキが私にかなり接近し、大きなプレッシャーをかけてきた。でも絶対に順位を譲るつもりはなかった。残り2周で彼が私の横に並んだが、でもそこで私は踏ん張り、絶対に諦めたりもしなかった。ギリギリのバトルだったが、懸命に戦い、そして順位を守り抜いたんだ」
●その時の様子を説明してもらえますか?
「彼が私の横に並び、私は内側のラインを走っていた。それでホイールとホイールが触れ合いそうになる程の接近したバトルになった。表彰台が近づいているのが分かっていたので、自分の順位を失いたくはなかった。私は彼に過不足ないスペースを与えていたので、接触はしなかった。あれはまるでゴーカートのレースみたいだったよ。F1であんな風にまたレースができる機会が巡ってくるなんて、予想もしていなかったけどね! 楽しい戦いだったし、それに私は順位を守れたわけだから尚更良かった。全レースで表彰台を目指しながらあんな風なレースをしたいくらいだよ!」
●昨年からどのくらい状況が変わったのでしょう?
「今年の我々は昨年より遥かに競争力が高い。クルマのバランスがもっと良くなっているし、とてもドライブしやすいので私は昨年よりもっとプッシュできる。単純に言って、昨年よりクルマが速いし、従って我々の競争力も高くなった。既に2007年に稼いだよりも多くのポイントを手にしているが、このことにも我々の進歩が表れている。これはチームの全員が懸命に仕事をしているお陰だ。一番速いクルマに対しまだ幾分遅れをとっているのは我々も分かっているが、幾つかのレースではマクラーレンとBMW相手に戦えることを実証できている。そういったレースをもっと数多くしていきたいし、そうするためには更にクルマを改善していかなければならない。だが我々は間違いなく正しい方向へ進んでいると思う」
●最後に、今年の自分のドライビングをどう思いますか?
「以前にも増していいドライビングをしていると思う。私には経験があるし、それに人は常にミスや経験から学ぶものだと思うから、自分自身も毎年良くなっていると信じている。戦闘力のあるクルマがあれば私は上位で戦える。これは間違いない。フランスでは私がどれほど決意が固く、レースに打ち込んでいるかを示すことができた。私はレースの最後まで戦い抜き、あのバトルを存分に楽しんだんだ」