シンガポールGPを振り返る ティモ・グロック Q&A
●ナイトレースで4位でしたね! 満足していますか?
「自分がやった仕事と今回のレースについては嬉しく思う。コースはとてもバンプが多く、レースはほぼ制限時間一杯の2時間に及んだから、キツい仕事だったけどね。このレースが厳しいものになることや集中力が鍵になることは事前に分かっていたから、自分がミスなく61周を走り切れたことは嬉しいね。バンプがあったから、このコースのためにクルマをセットアップするのはかなりの挑戦になったけど、でもチームはそのために懸命に仕事をし、そのお陰でクルマから最大限のものを得ることができたんだ」
●ルーキーシーズンにして3回目のトップ4入りです。こうした状況については満足していますか?
「シーズン当初の目標は20ポイント獲得することだったけど、残り3戦となった今、既にこれを達成できたのは良かった。シーズン当初、新車やチームとの仕事に対応するため、自分がたくさんのことを学ばなければならないことは分かっていた。でも全体的にとても上手く進んでいるし、ここまでの自分の進捗についてはとても嬉しく思っている。シーズン当初の時点でヤルノに肩を並べるのは難しいと分かっていたけど、でも私のゴールはシーズン後半に彼のペースと同等になることだった。そして実際にそうなっているからね」
●技術的な面から見て、今回の週末はあなたにとってどんな風に進んだのでしょう?
「予選はかなりトリッキーだったが、これについては当初から予想していた。金曜日の2回目のフリー走行後の時点で、バンプの影響のため今回のレースがキツくなるのは明らかだった。だが土曜日のフリー走行ではとにかくクルマのセットアップをそのままにして、自分のドライビングスタイルをクルマやコース状況に合わせるようにした。クルマと一緒にリズムに乗れるよう集中したんだ。それが予選では功を奏した。予選第1セッションでは渋滞が問題だったが、第2セッションでは最後にややプレッシャーを感じつつもしっかりした走りができた。お陰で第3セッションに進むことができたし、最後のラップタイムにも満足がいくものになった。もしかしたら6~7位まで行けたかもしれないが、重い燃料で走るのは本当にキツかったから自分のラップには納得しているし、8番手というのは良かったと思う。レースでは全てが上手く進んだ。2台そろって今回も良いスタートが切れたし、私自身は最初からトップ6争いができた。あれだけの暑さと湿度の中でレースするのは大変だったけどね。特にバンプは厄介だったけど、でも私は何もミスせず、全てが上手く行った」
●照明の下でのレースは如何でしたか?
「最終コーナーなど、やや暗い部分が幾つかあった。でも1回目のフリー走行でそれには慣れていた。チャンプカー時代に夜のレースの経験があったから、コース全体が昼間のようになるわけではないことは分かっていたし、実際もその通りだった。その点は別に大きな問題ではないものの、ただし幾分慣れるのに時間はかかる。高速でドライビングしている時に光量が変わると、それに対し目が素早く適応していかないといけないからね」
●ヘルメットのバイザーですが、何か特別な色を使ったのですか?
「金曜日は薄い色のバイザーを使ったけど、その後にオレンジ色のものに変えた。これは照明によって生じる陰影のコントラストをやや穏やかにしてくれるんだ」
●バンプはどうでしたか?
「バレンシアの新コースは本当にスムーズでバンプと言えるようなものは皆無だったから、ほぼ全員が今回も同じ状況を想像していたと思う。もしかしたらコースの全てが実際の道路だということをみんな忘れていたのかもしれないね。それだからこそ今回はバンプが多かったわけだし。私はチャンプカーでこういったストリートコースを数多く経験しているが、そういう場所では路面のバンプが多いのは普通のことなんだ。今まで走った中で一番バンプが多かったのはサンホセだと思う。でもシンガポールはそれにかなり近かったね」
●夜用に組まれたスケジュールは如何でしたか?
「私にとっては何も問題なかった。水曜日にシンガポールに到着してからずっとヨーロッパの時間帯のまま過ごしていたんだ。午前4時まで起きて昼間に寝るのも別に問題じゃなかったよ。ちょっと変な感じはしたけどね。それよりも問題なのは、レースの後、金曜日までシンガポールに滞在するため、日本へ向かうまでシンガポールの時間帯に合わせなければならないことだ。今度の週末は東京でチームのイベントが幾つかあるから、ヨーロッパに戻る意味がないんだよ」
●シンガポールでのイベント全体とその雰囲気は如何でしたか?
「シンガポールは素晴らしい仕事をしたと思う。照明の下でのF1は見栄えが最高だったし、街並も見事だった。大勢の観客が集まり、雰囲気も特別だった。ある意味、夜のサッカーの試合で感じるようないつもとは違う感覚だったね」