- 特別戦
- 2016 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Round TGRF 富士スピードウェイ特別戦レポート
プロフェッショナル/クラブマン混走の特別戦Round TGRFで
近藤翼選手が勝ちシーズンを締める
4年目のシーズンとなった2016年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZレース。年間8戦のシリーズは、すでに10月29日〜30日に鈴鹿サーキットで行なわれた最終戦で終了している。
シリーズは終了し2クラスともにチャンピオンは決定しているが、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2016(TGRF 2016)にてプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの上位を招いて特別戦「2016 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Round TGRF」が開催された。
エントリーしたのは、プロフェッショナルが17台で、クラブマンが20台の計37台。通常は2クラスに分かれている37台が、1クラスで競われるためにどのような展開になるか予選から注目のレースとなった。
11月26日(土)に行なわれた予選は、24日に降った雪解け水がコースに残る状況でスタート。第6戦から最終戦まで3戦連続でポールポジションを獲得している♯88井口卓人選手が好調を維持するのか、それとも他のドライバーが一矢報いるのかが見所となった。まずは、計測1周目で♯770山田英二選手2分5秒243をマークしてタイミングモニターのトップに躍り出た。井口選手の計測1周目は2分6秒台のラップだったが、2周目に2分4秒932を記録し山田選手のタイムを上回る。20分の予選は後半になるほど路面状況が改善していったようで、最後のアタックでタイムを更新するドライバーが続出。♯80吉田広樹選手が2分5秒038、♯31青木孝行選手が2分5秒078で井口選手と山田選手の間に入り込む。そして、予選も終了しようとしていた最後の最後で圧巻のアタックを見せたのが♯97近藤翼選手。レコードタイムを更新する2分4秒481をマークし見事にポールポジションを獲得した。
一方のクラブマンでは、♯75手塚祐弥選手が2分7秒005をマークして総合17位を獲得。この予選タイムは、これまでのクラブマンのレコードタイムを上回る結果だった。手塚選手に続いたのは、♯600小野田貴俊選手で2分7秒131、3番手は2分7秒437で♯3花里祐弥選手となった。
一夜明けてTGRF 2016の当日となった11月27日(日)の12時40分から10周の決勝が実施された。
ポールポジションスタートの近藤選手は、無難なスタートを決めて1コーナーをトップで通過。3番手スタートの吉田選手はやや遅れ、近藤選手、井口選手、青木選手、7番手スタートの♯1谷口信輝選手、山田選手というトップ5で1周目を終えた。近藤選手は序盤から2分6秒台前半のラップタイムを重ねて井口選手との差を4周目で2.1秒へ拡げた。2番手の井口選手は中盤からペースが鈍り、5周目には山田選手、6周目には青木選手に抜かれて順位を落としてしまう。2番手に上がった山田選手はファステストラップを記録して近藤選手を追ったが前半のリードが効き、近藤選手が1.6秒差で逃げ切り見事にポールトゥウィンを飾った。2位には山田選手、3位には青木選手、4位には井口選手、5位には9番手から順位を上げた市森トモアキ選手が入った。
クラブマンでは、クラストップの17番手スタートとなった手塚選手が好スタートを切ったがプロフェッショナルの集団に前をふさがれている間に小野田選手が追いつき、1周目のダンロップコーナーでパス。その後は、プロフェッショナルのマシンも交えたバトルを行ない、小野田選手が総合12位、手塚選手が総合15位を獲得。両選手に続いたのは、26位スタートから順位を上げた♯520平沼貴之選手で総合16位となった。
今シーズンの86/BRZ Raceは、この特別戦ですべてのプログラムが終了。来シーズンからは、8月に発売が始まった後期モデルがエントリーできるようになり、前期モデルのみのレースは今シーズンで見納めとなった。
リザルト
Rank | Driver | Car name | Total time | Gap |
---|---|---|---|---|
1位 | 近藤翼 | 神奈川トヨタ☆DTEC86R | 21'08.493 | - |
2位 | 山田英二 | CUSCO BS 86 | 21'10.186 | 1.693 |
3位 | 青木孝行 | ケーエムエスADVAN86R | 21'10.417 | 1.924 |
4位 | 井口卓人 | CG ROBOT BRZ BS | 21'13.470 | 4.977 |
5位 | 市森トモアキ | 大阪トヨタ86レーシング | 21'17.208 | 8.715 |
ピックアップドライバー
特別戦Round TGRF
プロフェッショナルシリーズ1位
♯97 近藤翼選手
「予選はコース上に濡れたところもあったので、レコードタイムだったことは驚きでした。どちらにしてもレコードでポールポジションが取れたことは非常に嬉しかったです。決勝レースはまずまずのスタートで、コースは乾いたラインが一本だったからパッシングは難しいと考えていました。すると井口選手とのギャップが作れ、展開的には楽になりました。後半は山田選手が迫ってきましたが、タイヤをいたわりながら走っていたのでテールトゥノーズになっても押さえられる状況だったと思います」と、圧巻なポールトゥウィンで年間最後のレースを締められたことを嬉しそうに語ってくれた。
プロフェッショナルシリーズ2位
♯770 山田英二選手
「決勝は、タイヤがマッチしていたことやレース展開に恵まれたこともあって2位を獲得できました。5番手だった予選は最初に1周だけアタックして終了しました。もう一回アタックしたかったけど、決勝が雨予報となっていたので温存の意味も含めてワンアタックで抑えたのです。その結果が、レース後半の粘りにつながったのかもしれません。しかも、ファステストラップを記録できたことは嬉しいです。今年はS耐に参戦させてもらって、そこでの経験がワンメイクにも活かされていると思います」と、タイヤの性能を温存するために予選をワンアタックにするなど戦略が上手くはまったとのことだった。
クラブマンシリーズ1位
♯600 小野田貴俊選手
「決勝レースは、想像した通りの展開になりました。手塚選手の前にはプロフェッショナルのマシンがいて逃げることはないと思っていたので、後ろをくっついていきチャンスがあれば抜こうというプランでした。1周目のダンロップコーナーで手塚選手が前のクルマに詰まっていたので、そこでパスしました。その後はプロフェッショナルのマシンとバトルになりましたが、速いところが違うので怖かったですね。今シーズンは勝利がなかったので、最後にチームにプレゼントできて良かったです」と特別戦での勝利に喜びをみせていた。
クラブマンシリーズ2位
♯75 手塚祐弥選手
「決勝のスタートは今シーズン一番の出来でしたね。1コーナーまでにプロフェッショナルの3台くらいパスできたのですが、その後で前をふさがれてしまい小野田選手にパスされてしまいました。その後は、小野田選手のペースが速くて追いつけなかったです。プロフェッショナルやクラブマンの何台かとバトルしているうちにチェッカーを受けたという印象です。今回は混走のイレギュラーレースだったので、悔しいというよりも慣れないまま終わってしまいました」と混走レースとなった特別戦を振り返ってくれた。
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