Round2
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.2 オートポリス
クラブマンシリーズ レポート

4番手から見事なパッシングで接戦を制し
#771菱井將文選手がシリーズ2勝目を飾る

 4月の第一週にツインリンクもてぎにて開催された開幕ラウンドで、2017年シーズンが始まった「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」。約1ヶ月のインターバルを経て、第2戦が大分県のオートポリスで開催された。
 すでにプレビューでも触れているが、オートポリスは昨年4月の熊本地震により被災し、2016年シーズンはレースがキャンセルとなったため2年ぶりの開催となる。多くのエントラントが本州から参戦するため、遠征となるオートポリスだがクラブマンシリーズ、プロフェッショナルシリーズ合わせて61台が出走。その中でクラブマンシリーズは35台によって競われることになった。

18位までがコースレコードを記録するなか
#500小野田貴俊選手がポールポジションを獲得

 今回のオートポリスラウンドは、予選と決勝を1日で実施するワンデー開催。クラブマンの予選は9時5分から20分間で実施された。6日(土)に行われた特別枠のスポーツ走行はコースコンディションがハーフウエットだったが、7日(日)は雨も止みコースコンディションはドライへ回復した。予選でまずトップタイムをマークしたのは、ツインリンクもてぎラウンドで2位に入った#38神谷裕幸選手。計測1周目にこれまでのコースレコードを2秒以上更新する2分13秒924をマークした。開幕ラウンドを制し、今レースから後期モデルに乗り換えてエントリーしている#500小野田貴俊選手は、計測1周目が2分14秒315と精彩を欠いたが、そのまま2周目の計測に入り2分13秒643までタイムを伸ばしポールポジションを獲得。2位には神谷選手が、3位にはオートポリスがホームコースとなる#42田中雅裕選手が入っている。各車が2年前に樹立したコースレコードを更新する激戦となった予選は、結果として上位18台が従来のコースレコード2分16秒376を上回ることになった。

上位陣を終盤に攻略した
菱井選手がトップチェッカー

 予選終了からわずか3時間の間隔を空けて行われた決勝レース。午前中の予選では曇り空となっていたが、正午から陽が差し込むようになり気温と路面温度ともに上昇し、気温は20度を越え、路面温度も30度オーバーの状態となった。
 10周の決勝レースは、フロントローの2台が好スタート。一方で3番手スタートの田中選手は出遅れ、予選4番手の#771菱井選手が順位を上げた。トップを走行する小野田選手は、1周目を終えた時点で後続に0.6秒の差を付けて戻ってくるが、その後は、2番手を走る神谷選手のプレッシャーを受けることになる。4周目には6番手スタートだった#84橋本洋平選手が4番手まで順位を上げて、上位4台はテールトゥノーズの戦いとなった。
 4台の膠着状態に変化が起きたのは6周目で3番手を走る菱井選手が第2ヘアピンで神谷選手のインを差す。だが、続くジェットコースターストレート後の右コーナーでは神谷選手が意地を見せてポジションをキープするが、翌周の最終コーナー手前で菱井選手は神谷選手を攻略。トップの小野田選手を追うことになった。2番手争いの間に小野田選手は、1.2秒のリードを築いたが、菱井選手はすぐにギャップを詰め8周目のジェットコースターストレートで小野田選手のアウト側から並びかけ、続く右コーナーで見事にパッシングを決めた。菱井選手はそのままトップでチェッカーを受け、シリーズ2勝目を飾った。
 2位には小野田選手、3位には神谷選手と接戦を繰り広げた3名のドライバーがポディウムを獲得している。

リザルト

Rank Driver Car name Total time Gap
1位 菱井將文 CUSCO BS 86 22'45.462 -
2位 小野田貴俊 ネッツ東埼玉ワコーズED86 22'46.615 1.153
3位 神谷裕幸 N中部ミッドレススノコ86 22'47.073 1.611
4位 橋本洋平 カーウォッチBS86REVO 22'47.677 2.215
5位 長島大輝 埼玉自動車大学校ED生駒86 22'50.601 5.139

優勝者コメント
「決勝でのマシンバランスが良かったため
タイヤの消耗を後半までセーブできたのが勝因です」

#771 菱井將文選手

「オートポリスは、遠征ラウンドのため他のサーキットに比べてドライバーが走り込んでいないサーキットなので、実は優勝を狙っていたのです。決勝レースは4番手からのスタートだったのですが、マシンのバランスが良くタイヤのタレもそれほどなかったので、上位陣をテールトゥノーズで追うことができました。序盤は、神谷選手の後ろで耐えながらトップ2を追い、後半に勝負を掛けようと思っていました。特に、ジェットコースターから後半セクションはアドバンテージがあるように感じていたので、そこで勝負を仕掛けて2台ともパスできました。昨シーズンは十勝で勝って、今シーズンはオートポリスなので、次は本州のサーキットで勝ちたいですね」

次戦予告

2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第3大会 第3戦
開催予定:2017.6.3~4
場所:富士スピードウェイ