Round9
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.9 富士スピードウェイ
プロフェッショナルシリーズ レポート

♯97近藤翼選手が2位でチェッカーを受け
念願のシリーズチャンピオンを奪取!!

 年間9大会10戦で競われてきた2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race。4月にツインリンクもてぎで開幕したシーズンは、9ヶ月に渡って全国のサーキットでレースが実施され、最終戦の富士スピードウェイラウンドを迎えることとなった。
 前戦の鈴鹿サーキットラウンドは、台風の影響で決勝レースが中止となり、チャンピオンシップ争いは最終戦までもつれ込んだ。第9戦を終えた時点で、シリーズランキングのトップに立っていたのは♯97近藤翼選手で、2位の♯1佐々木雅弘選手に3ポイントの差を付けている。だが、プロフェッショナルシリーズは10戦中7戦の有効ポイント制で競われるため、実質的には佐々木選手がチャンピオンシップをリードする形で迎えた。
 第9大会第10戦の富士スピードウェイラウンドは、TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL(TGRF)のプログラムとして組み込まれていて、プロフェッショナルシリーズは12月9日(土)に予選、10日(日)に決勝レースが実施された。

23台がコースレコードを更新し
♯97近藤翼選手がポールポジションを獲得

 予選のみ実施された前戦の鈴鹿サーキットラウンドは、ニューモデルの「POTENZA RE-07D」を投入したブリヂストンユーザーが予選で上位を締めたが、今戦は練習走行からヨコハマ勢の好調さが垣間見られた。
 9日に実施された予選は通常よりも短い10分間で競われた。開始早々にタイム計時でトップに立ったのは、前回の富士スピードウェイラウンドで優勝している♯60服部尚貴選手で、タイムは2分3秒533。このタイムを上回ったのが、ポイントランニングトップの♯97近藤翼選手。タイムは2分3秒263で、これまでのコースレコードを約1.5秒も更新する驚異的なアタックを見せる。10分の予選も終了を迎えるタイミングで、♯82谷口信輝選手が2分3秒616をマークするが、近藤選手と服部選手を抜くことができない。この結果により、ポールポジションは近藤選手が獲得。2位に服部選手、3位に谷口選手、4位に♯31青木孝行選手、5位に♯88井口卓人選手が入った。一方で、シリーズチャンピオン争いを行なっている佐々木選手は、16位と出遅れることになった。
 今シ-ズン終盤になりヨコハマとブリヂストン、ダンロップ、グッドイヤーがニュースペックや仕様変更を加えてモデルを投入した結果、混戦に拍車をかける事となった。とくに今回の予選は、上位23名が従来のコースレコードを更新するほどのハイレベルな争いとなった。

4番手スタートの♯31青木孝行選手が
3台をパスしてシーズン2勝目を飾る

プロフェッショナルシリーズ表彰式
右から服部 尚貴、青木 孝行、近藤 翼、佐々木 雅弘、平中 克幸(敬称略)

 予選から一夜明けて迎えた決勝レースは、TGRFに訪れた大勢の観客の前で実施。
 ポールポジションスタートの近藤選手は、やや加速が鈍ったために1コーナーで服部選手にかわされてしまう。上位2台に続いたのは4番手スタートの青木選手で、1周目のコントロールラインをトップ3がコンマ2秒差で通過する。4番手には井口選手、5番手には3ポジションをアップした♯287山下健太選手が続いた。
 2周目には青木選手がコカコーラコーナーで服部選手をパスして2番手に浮上。トップを走る近藤選手を追うことになる。2周目に近藤選手はファステストラップとなる2分4秒746をマークしてギャップを築こうとするが、青木選手も同様のペースで追走。3周目には両者がテールトゥノーズとなり、4周目のメインストレートで並び掛けた青木選手は続く1コーナーで近藤選手をパスして首位に立つ。トップを走行する青木選手は、コンスタントに2分5秒台のラップタイムで周回し、後続を引き離しに掛かる。
 2番手となった近藤選手は、青木選手から離されるとともに、序盤ポジションを落としていた谷口選手にプレッシャーを掛けられる。近藤選手と谷口選手のギャップは6周目に1.5秒あったが、翌周には0.1秒まで詰められる。2台のバトルは終盤のハイライトで、谷口選手は虎視眈々と隙を狙う。防戦で苦しい展開の近藤選手だったが、要所を押さえて谷口選手を先行させない。ファイナルラップまで続いた両者の攻防だったが、近藤選手が逃げ切ることに成功して10周目にチェッカーを受ける。
 トップチェッカーを受けて優勝したのは青木選手で、結果的には2位の近藤選手に2.2秒の差を付けての完勝だった。2位は近藤選手で、3位は谷口選手、4位は井口選手、5位は終盤にポジションを上げた♯17織戸学選手が入った。
 この結果を受けてシリーズチャンピオン争いは2位に入った近藤選手が制し、プロフェッショナルシリーズの栄冠を手にした。

プロフェッショナルシリーズ表彰式
右から服部 尚貴、青木 孝行、近藤 翼、佐々木 雅弘、平中 克幸(敬称略)

リザルト

Rank Driver Car name Total time Gap
1位 青木孝行 ケーエムエスフェニックス86 20'57.236 -
2位 近藤翼 神奈川トヨタ☆DTEC86R 20'59.535 2.299
3位 谷口信輝 KTMS 86 20'59.834 2.598
4位 井口卓人 CG ROBOT BRZ BS 21'04.897 7.661
5位 織戸学 サミー☆K-one☆MAX86 21'06.190 8.954

優勝者コメント
狙い通りのレースが出来て勝てたので
嬉しい週末となりました

♯31青木孝行選手

「決勝レースのスタートはそれほど良くなかったのですが、1コーナーの混戦でインが空いたので入ることができ、3番手に浮上しました。1周目と2周目は近藤選手のペースが良かったので、服部選手を攻略して追わないと逃げられると思い、プッシュして服部選手を抜きました。4周目まで近藤選手の後ろで走ったのですが、タイヤが苦しそうだったので、どこかで抜けると感じてました。すると5周目の1コーナーでチャンスが訪れてトップに立ちました。トップに立ってからはペースが上がらなかったのですが、それでも後続が離れていたので、タイヤマネージメントをしながら走りました。最後まで一定のギャップを築きながら走れたので、理想的な展開での勝利でした。もちろんシリーズチャンピオンを取りたかったのでシリーズ2位は残念ですが、それでも最終戦で優勝できたので良かったです」

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TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.9 富士スピードウェイ

[インカームービー]
Rd.9 富士スピードウェイ プロフェッショナルシリーズ

  • 【決勝】 オーバーテイク
  • 【予選】近藤 翼選手ポールポジションラップ