2018年プレスリリース
TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム
フィンランドラリー選手権第1戦 勝田貴元が3位入賞
足立さやか、新井大輝も7位、12位で完走を果たす
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの2018年シーズンが始動。欧州でトレーニング中の勝田貴元、新井大輝およびコ・ドライバーの足立さやかが、1月25-27日に開催されたフィンランドラリー選手権の開幕戦、アークティック・ラップランドラリーに参戦し、勝田・サルミネン組が3位、足立・ニカラ組が7位、新井・マクニール組が12位で、3組揃って完走を果たしました。
-
勝田・サルミネン組
これまで数多くのトップドライバーを輩出してきた伝統あるアークティック・ラップランドラリーは、気温が氷点下30度近くまで下がることもあるスノーラリーで、世界で最も寒いラリーとも言われています。競技車両は、滑りやすい路面でグリップを掴むためスタッドタイヤを使用し、非常に高速なコースのためペースノートの正確性が重要な鍵となります。今大会は11のスペシャルステージ(SS)、総SS距離254.65kmで競われ、今年は一番上のクラスのR5車両が18台参戦し、これまでにないハイレベルな熱戦が繰り広げられました。
勝田と新井にとっては今回が3度目の挑戦となり、昨年に引き続きフォード・フィエスタR5で参戦。勝田、マルコ・サルミネン組はSS1で2番手タイムをマークすると、その後も終始安定したペースでクリーンな走りをキープ。デイ2、5番手で迎えた48.69kmの今大会最長の最終ステージでは3番手のタイムをマークする走りを見せ、最終的に3位入賞を果たしました。
一方、R4車両をベースとするスバル・インプレッサWRX STIで昨年に続き本大会2度目の挑戦となったニカラ、足立組は、格上のR5車両に交じりSS1を5番手で終え順調なスタートを切るも、SS2のフィニッシュ手前で立ち木にヒットしタイムロス。また42.69kmと距離の長いSS4ではパワーステアリングを失い、約30キロの区間をパワーステアリングなしで走ることを余儀なくされるなどトラブルが続きましたが、セッティングを変えて臨んだデイ2では徐々に調子を取り戻し、7位でラリーを終えました。
新井、グレン・マクニール組はSS2でスノーバンク(雪壁)にスタックし、約2分のタイムロス。その後は、セッティングを変えながら挽回を試み、デイ2のSS7では2番手タイムをマークしました。しかし、最終ステージでメカニカルトラブルによって再びタイムを失い、最終的に12位でラリーを終えました。
-
-
新井・マクニール組
-
-
足立・ニカラ組
■選手コメント
勝田貴元:今回は今までで一番のパフォーマンスができたと感じており、とてもうれしいです。昨年からの最大の変更は、ペースノートの角度のスケールを変えたことです。それによって指示がよりシンプルで明確になり、レッキもし易くなりました。今回の目標は、まずは完走。そして、常に10-20パーセントのマージンを持って走り、安定したペースを保ちながら本当に自信のあるところだけプッシュするということでした。その目標は達成できたと思います。学ぶこと、改善すべきことはまだたくさんありますが、正しい方向に進んでいると思います。
新井大輝:昨シーズンからしばらく間があったので、またR5車両で走れるのはとてもワクワクしました。今回は、ペースノートを簡素化したことで、走行中に余裕が生まれ、重要な情報に集中でき、とてもうまく作用しました。残念ながら初日にコースオフしてしまい、最終ステージでもメカニカルトラブルによりタイムを失ってしまいましたが、自分が最も重視したのはよいペースの走りをすることでした。結果的には、ネガティブなことよりポジティブな内容を多く得ることができ、次のラリースウェーデンのよい準備ができたと思います。
足立さやか:このラリーではたくさんレッキができたので、ペースノートの良い練習になりました。今回からノートに小さな変更を加え、ヤルッコがより理解しやすいようフィンランド語を増やしました。今年のSSの多くは、昨年のステージに対してスタートからゴールへの方向が反対に設定されており、一つは完全に新しいステージでした。それでも昨年の経験はとても役立ち、余裕を持ってノートを作ることができました。まだ学び中ですが、今回のリーディングには自分自身満足しています。今回の経験をまた次戦に活かしたいと思います。
ヤルッコ・ニカラ:周りのR5車両に対して、自分たちのR4ベースの車両で勝てるチャンスはほとんどないとは思っていましたが、想像以上に大変なラリーでした。ですが、サヤカとの共同作業はうまくいっています。SS7の1か所だけ少しリーディングが早すぎ、お互いが少し混乱する場面がしばらくありましたが、それ以外は特に問題なく、非常によい進歩を遂げています。経験を重ねることが大切だということを改めて感じました。
■講師コメント
ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター):アークティック・ラップランドラリーはレッキの回数に制限がないので、今回ペースノートの表現に変更を加えた我々のクルーにとっては有益でした。勝田と新井はプログラム4年目となり経験も増えてきたので、今年は結果・パフォーマンスにおいても成長が見られることを期待しているのですが、今回早くもそれが実現しました。この高速ラリーで勝田が見せた安定性レベルを保つことは容易なことではありません。足立も着実な成長を見せてくれました。学べば学ぶほど、新しい発見が増えます。次のラリースウェーデンでは、ここで学んだことを皆が実践してくれると期待しています。
■総合結果(h:時間、m:分、s:秒)
1 Eerik Pietarinen/Juhana Raitanen (Skoda Fabia R5)
2h08m49.3s
2 Emil Lindholm/Mikael Korhonen (Skoda Fabia R5)
+2m25.4s
3 Takamoto Katsuta/Marko Salminen (Ford Fiesta R5)
+2m36.2s
4 Jukka Ketomaki/Jarkko Alanen (Skoda Fabia R5)
+2m41.9s
5 Marko Mänty/Joni Mäkelä (Skoda Fabia R5)
+3m09.3s
- - - - - - - - - -
7 Jarkko Nikara/Sayaka Adachi (Subaru Impreza WRX STI R4)
+4m07.5s
12 Hiroki Arai/Glenn Macneall (Ford Fiesta R5)
+8m54.7s
■次戦
次戦は勝田、新井、足立共に2月9-12日に開催されるFIA世界ラリー選手権第2戦 ラリースウェーデンに参戦します。今回のラリー同様、寒い天候の中、雪と氷の高速ステージで競うラリーです。3組共にフォード・フィエスタR5での参戦を予定しており、R5車両での参戦が初めてとなるニカラ・足立組にとっては一段階上の挑戦となります。
関連リンク
-
2018年の活動概要及び参戦スケジュールを発表
TOYOTA GAZOO Racingは、ラリーで世界に挑戦する若手ドライバーを支援するプログラム「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラム」の2018年の活動概要を決定した。 -
未来を担う5人の若手ドライバー
トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(TDP)からは、平川亮、山下健太、坪井翔の3人が。そして、今話題のラリーからもTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジプログラムで欧州ラリーに挑戦した勝田貴元、新井大輝の2人が参戦。 -
NEXT GENERATION 若手ラリードライバースペシャルインタビュー
ラリーで世界の道を切り拓け!北欧フィンランドで奮闘する若きアスリートたち