TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム 勝田貴元、モンテカルロで過去最高の戦いにより総合6位を獲得

2023.01.23(月)- 18:00配信

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、1月19日(木)から22日(日)にかけて、モナコとフランスで開催された2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦「ラリー・モンテカルロ」に、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンと共にGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場。初日から最終日まで一貫して競争力のある走りを続け、総合6位を獲得しました。

勝田・ジョンストン組
勝田・ジョンストン組

モナコを起点に厳寒期の南フランス山岳地帯で戦われるラリー・モンテカルロは、基本的にはターマック(舗装路)ラリーですが、雪道や凍結区間を走ることも多く、非常に難易度の高いラリーとして知られています。今年は路面にほとんど雪がなく、天気にも恵まれたため大部分がドライコンディションでしたが、それでも一部の路面は凍結しており、コーナーのインカットによりグラベルが舗装路面に掻き出され非常に滑りやすくなっているセクションもありました。

最高峰ラリーカーでのモンテカルロ出場は今回で4回目となる勝田は、日没後に行なわれた競技初日木曜日の最初のステージで、いきなり4番手タイムを記録し、良いスタートを切りました。しかし、続くSS2ではタイトコーナーで急旋回するために必要なハンドブレーキにトラブルが発生。連続するヘアピンコーナーをその状態で走ったため、40秒以上のタイムを失い総合9位に順位を下げました。

それでもクルマに自信を持つ勝田は、翌日金曜日のデイ2でも競争力を発揮。6本のステージのうち4本で4番手タイムを刻むなど好調な走りで、総合7位まで順位を挽回しました。土曜日のデイ3ではペースがやや落ちましたが、それでも総合6位にポジションアップ。最終日となる日曜日のデイ4は、3本目のSS17で今大会最高位となる2番手タイムを記録。1番手タイムを刻み、ラリーの勝者となったチームメイトのセバスチャン・オジエとは3.1秒差でした。その時点で、総合5位につけるオィット・タナックとの差は0.1秒に。勝田は逆転を期し集中力を高めて最終ステージに臨みましたが、クルマのコントロールを失い岩壁に接触。大幅にタイムを失ってしまいました。幸いにしてクルマのダメージはそれほど大きくなく、また総合7位につけるダニ・ソルドに対しそれまでに十分なリードを築いていたため、何とか総合6位をキープ。昨年大会の総合8位よりもふたつ順位を上げて、2023年の開幕戦を走りきりました。

勝田貴元:このラリーを走りきり、シーズンの初戦でポイントを獲得することができて嬉しいです。例年と比べると今年のラリー・モンテカルロは路面のコンディションが安定していましたし、金曜日のステージのようにグリップレベルが高いステージではクルマに自信を持ち、リラックスして走れるようになったと感じました。土曜日はコーナーのインカットが多く、路面に多くのダートが出ていたので、僕にとってはかなりトリッキーに感じました。リスクを冒さなければならないところで、少し安全方向に振った走りをしていたかもしれません。そこはまだ改善しなければならない部分ですが、多くを学ぶことができました。日曜日は最後のステージでプッシュしたかったのですが、何かが起きて岩壁に当たってしまいました。幸いにも完走することはできたので、もし次回同じような状況になったら、最後まで攻め続けたいと思います。

ユホ・ハンニネン(インストラクター):貴元にとって過去最高のラリー・モンテカルロになったことは間違いありません。コンディションは今までのモンテカルロほどは難しくありませんでしたが、ターマックラリーで過去一番の走りを、このクルマでできたのは良かったです。彼はクルマの挙動にも満足しているようなので、それは今後のラリーに向けていい兆候です。次のターマックラリーであるクロアチアもコーナーのインカットが多く、ダートが路面に出やすいなど今回と同じようなコンディションになる可能性が高いので、セットアップやペースノート、私が彼のグラベルクルーとして作成したマーキングなど、今週末に収集した全ての情報をクロアチア前に分析することが、より良い戦いをするために役立つと思います。

ラリー・モンテカルロの結果

  1. 1 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

    3h12m02.0s

  2. 2 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

    +18.8s

  3. 3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID)

    +44.6s

  4. 4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

    +1m12.4s

  5. 5 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (フォードPuma Rally1 HYBRID)

    +2m34.9s

  6. 6 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID)

    +3m32.6s

次回のイベント情報

勝田の次戦は、2月19日から22日にかけてスウェーデンで開催される、今シーズン唯一のフルスノーイベント、「ラリー・スウェーデン」です。レギュラーチームであるTGR-WRTの3台目のドライバーとしてエントリーしており、勝田にとって初めての、マニュファクチャラーポイント加算対象となるイベントとなります。