TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が、8月3日(木)~6日(日)に開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」に参戦し、Rally4車両のRC4クラスでその速さを見せました。
2期生の3選手にとってラリー・フィンランドは、2月のラリー・スウェーデンに続いて2度目のWRC参戦となりました。3人は、昨年WRCチャレンジプログラムに参加して以来、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのホームであるフィンランドを中心に、テストやラリー参戦で学びを続けてきました。地元フィンランドで、4日間の競技距離320.56kmで行われるラリー・フィンランド参戦は、これまでの学びを実践する機会となりました。
ラリー・フィンランドは、ジャンプやクレスト(丘越え)が頻繁に現れる高速グラベル・ステージで有名ですが、今年は雨に見舞われたことで、グリップレベルが変化しやすく、轍の多い路面コンディションになりました。大竹、小暮、山本にとっては、2駆の車両での参戦かつ、上位クラスの車両の後でステージを走ることなったため、非常に難しいラリーとなりました。
WRCチャレンジプログラム1期生、勝田貴元が複数のステージ優勝で3位表彰台に上ったこの週末、2期生のドライバーたちも、力強い走りを見せました。彼らは、これまでの参戦時にも使用しているルノークリオのRally4車両を駆り、走行した21ステージのうち19ステージで最速タイムを記録しました。
山本は、デイ2終了時点で小暮に19.5秒のリードを築き、デイ3のミッドデイサービスからの出発が遅れたことで40秒のタイム加算ペナルティをうける前まで、その差をわずかに広げました。2人はこの日の最後から2つ目のSS17「ラプスラ2」まで接近戦を続けましたが、不運なことに、そのSS17でトラブルに見舞われました。まず山本が岩に接触したことでパワーステアリングを失い、その数百メートル後には、泥道でスリップしてラジエターを破損しました。一方小暮も、山本がトラブルに見舞われたわずか1分以内のタイミングで、高速セクションでリアのコントロールを失い車両が横転し、リタイアとなりました。小暮とコ・ドライバーのトピ・ルフティネンは病院で検査を受けましたが、幸いにも特別な治療は必要ありませんでした。
大竹はデイ2の朝、SS5でコースをオーバーランしタイヤをパンクしたことで約2分のタイムを失いました。その後、コ・ドライバーのマルコ・サルミネンとともにSS6でトラブルを発見しデイリタイアとなりました。大竹はデイ3で再出走し、5つのステージで最速タイムを記録。最終日デイ4でも2本のSSで最速タイムを記録しました。また山本とコ・ドライバーのミイカ・テイスコネンも、最終日に再出走し、週末を通じて合計8つのステージでクラス最速タイムをマークしてラリー・フィンランドを終えました。
Quotes:
大竹直生:週末を通じて雨に見舞われたため、トリッキーな路面コンディションで、避けなければならない岩がたくさんありました。簡単なことではありませんでしたが、ラリー・フィンランドへの参戦をとても楽しみました。デイ2の朝のフィーリングはとても良かったですが、「ハルットゥラ(SS5)」のステージの1つの交差点で、ブレーキングポイントをミスしてしまい、溝に落ちてタイヤがパンクしてしまいました。再出走後の土曜と日曜のフィーリングはとても良く、考え方を変えたらすべてがうまくいきました。
小暮ひかる:レッキを終えたときからペースノートに自信が持て、ラリーが始まってからも同様でした。最初のステージから自信を持つことができ、良いスピードが出せました。路面はウェットでぬかるんでいて、とても難しいコンディションでした。とてもチャレンジングでしたが、それでも本当に楽しいラリーでした。残念だったのは、SS17の高速セクションで、ラインをミスしてリアが流れてしまったこと。必要以上に修正舵をあててしてしまい、車両が横転してしまいました。僕のミスですが、幸いにもトピも僕も無事でした。今回、スピードで山本選手に勝てたとは思っていませんが、これまでのイベントに比べれば、ペースはかなり近づいたと思いますし、進歩を感じることができました。
山本雄紀:ラリー・フィンランドに参戦できたことは、良い経験になりました。本当に難しいコンディションで、慎重になりすぎたり、ミスもありました。そんな難しい中でも、いくつかのステージでよいペースを出すことができ、いろいろなことを学ぶことができました。デイ3はとても残念でした。イン側の岩に接触してパワーステアリングを失い、ラジエターにもダメージを負ってしまいました。路面は本当に轍が多く、かなり荒れていて、フィンランドでこのような路面コンディションになるとは思っていませんでしたが、、ポーランドやラトビアでの経験が役立ったと思います。
ミッコ・ヒルボネン (チーフインストラクター):今週末、選手たちが見せたスピードに満足しています。ラリー序盤、彼らは1位、2位、3位とかなり接近して走っていましたが、残念なことに、全員が小さなミスを犯してしまいました。今年の他のラリーでもそうだったように、速く流れるような展開の中で、山本は本当に良いペースを見せました。小暮もクラッシュするまでは本当に速く、山本と接戦を繰り広げました。大竹も再出走後、良いペースで走りました。全員本当にいいスピードを見せましたが、最後的な結果として表れませんでした。私たちは彼らに、高速のステージを速く走れるようにペースノートを改善するよう指導してきましたし、彼らはそれができています。私たちは正しい方向に向かっており、今後はミスを避けるために微調整が必要なだけです。
Results (RC4 class):
1 Justus Räikkönen/Mikael Korhonen (Peugeot 208 Rally4)
3h07m29.9s
2 Matteo Fontana/Alessandro Arnaboldi (Peugeot 208 Rally4)
+9m03.0s
3 山本 雄紀/ミイカ・テイスコネン (Renault Clio Rally4)
+17m07.5s
4 大竹 直生/マルコ・サルミネン (Renault Clio Rally4)
+39m33.8s
5 Raimo Kaisanlahti/Patric Öhman (Ford Fiesta Rally4)
+1h01m57.9s
6 Peter Hiltunen/Pentti Tiainen (Renault Clio Rally4)
+1h56m57.5s
Retired 小暮 ひかる/トピ・ルフティネン (Renault Clio Rally4)
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