TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀が、11月6日(木)から9日(日)にかけて愛知県と岐阜県で開催された、FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦「ラリージャパン」に出場。WRC2クラス4位につけるなど力強くラリーを戦いましたが、残念ながら最終ステージでクラッシュを喫し、完走を逃しました。
ラリージャパンは、2022年に愛知県と岐阜県を舞台とするターマック(舗装路)ラリーとしてWRCに復帰。4年目となる今年は新しいステージが追加されるなど、前年とはやや異なるコースが設定されました。昨年、このラリーに初めてGR Yaris Rally2で出場した山本とコ・ドライバーのジェームズ・フルトンは、1年間かけて積み上げてきた経験を活かすべくホームイベントに挑みました。
山本はフルデイ初日となった金曜日の午前中からペースを上げ、SS3で3番手タイムを記録しWRC2クラス4位に。続くSS4「イセガミズ・トンネル」では、有名な伊勢神トンネル内の壁に接触してクルマにダメージを負い、タイムを失いました。しかし、一日の最後のSS7「シンシロ2」ではクラス2番手タイムを記録。良い流れを掴んで一日を終えました。
山本は土曜日も好調を維持し、SS9「エナ1」では再び2番手タイムを記録。クラス4位に順位を上げました。その後、SS12ではステージ中にタイヤ交換を余儀なくされたため、約2分を失い7位に後退しましたが、4番手タイムを4回記録するなど一日を通して良いペースを発揮しました。
最終日の日曜日は、前日までと打って変わり降雨の一日に。非常に滑りやすく難易度の高いフルウェット路面となりましたが、山本はオープニングのSS15「ヌカタ1」で3番手タイムを、SS17「オカザキSSS1」とSS19「ヌカタ2」では4番手タイムを記録するなど難しい路面でも速さを示しました。ところが、最終のパワーステージ、SS20「レイク・ミカワコ2」で、山本は水たまりのブレーキングでアクアプレーニングに見舞われ、コントロールを失いクルマを壁にヒット。サスペンションにダメージを負い、残念ながらリタイアとなりました。
ユホ・ハンニネン(インストラクター)
今年のラリージャパンでの山本は、ポジティブな瞬間もネガティブな瞬間もありました。金曜日は順調なスタートを切り好位置につけていましたが、トンネル内で壁に当たりクルマにダメージを負ってしまいました。最終日のコンディションは非常に厳しく、特にパワーステージは難しかったと思います。残念ながら山本はアクアプレーニングでクルマのコントロールを失い、彼のラリーはそこで終わってしまいましたが、あのような状況では起こり得るアクシデントです。全体的に見て山本のペースは昨年より向上しており、今シーズンの成長を示すものでした。しかし、ラリー全体を通して安定して3日間を走り切るには、まだいくつか課題が残されています。
山本雄紀
今年、ラリージャパンに戻ることができて本当に嬉しかったです。ラリーのスタートは順調で、SS3では既に良いタイムを記録していました。その後イセガミズ・トンネルのステージでトンネル内の壁に接触してタイムを失いましたが、その後も良いペースを維持することができていました。日曜日にウェットタイヤを履き、初めてフルウェットコンディションの道を走ることができたのは良かったです。ステージごとに学びながら順調にステップを踏み、パワーステージを迎えたのですが、水たまりでのブレーキング時にクルマのリヤが突然グリップを失い、どうにもなりませんでした。完走できなかったのは残念ですし、チームとファンの皆さんに申し訳なく思います。それでも、ホームイベントで大きな応援を感じることができたので、より強くなって戻ってきます。
ラリージャパンの結果(WRC2クラス)
1 Alejandro Cachón/Borja Rozada (Toyota GR Yaris Rally2)
3h31m50.5s
2 Nikolay Gryazin/Konstantin Aleksandrov (Škoda Fabia RS Rally2)
+54.6s
3 Jan Solans/Rodrigo Sanjuan (Toyota GR Yaris Rally2)
+1m44.4s
4 Heikki Kovalainen/Sae Kitagawa (Toyota GR Yaris Rally2)
+4m09.4s
5 Hiroki Arai/Hiroki Tachikui (Škoda Fabia R5)
+4m26.6s
6 Diego Domínguez/Rogelio Peñate (Toyota GR Yaris Rally2)
+4m40.1s
R 山本 雄紀/ジェームズ・フルトン (Toyota GR Yaris Rally2)
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