1/14~1/30 現地トレーニング & Arctic Lapland Rally参戦!
今回の課題
初めての冬の走行トレーニングで、夏の環境とは異なる雪上・氷上でのライン取りやブレーキポイントを理解し、4駆のハンドリング技術を向上させる。長距離ラリーの参戦で競技の経験を積む。
今回のスケジュール
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- Day1-2
- ペースノートトレーニング
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- Day3-4
- フリートレーニング
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- Day5
- 車両勉強日
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- Day6
- Rovaniemiへの移動
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- Day7-9
- 運転トレーニング@Vanttauskoski
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- Day10
- 休息日
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- Day11-17
- Arctic Lapland Rally参戦
1/14 Thr - 22 Fri 現地トレーニング
冬の環境での初めてのトレーニングであったため、雪の環境で考慮すべきことに集中した。ペースノートトレーニングでは、夏とは異なるライン取りやブレーキポイントを理解し、より速く、安全なペースノートの作成を目指した。
運転トレーニングでは、最初は氷上のハンドリングトラックで行い、アクセルとブレーキの使い方を掴むことでグリップレベルのフィーリングを得ることを重点に置いた。フォレストステージでは道のコンディションの理解と、補助灯を装着しての走行も行った。
1/24 Sun - 30 Sat Arctic Lapland Rally
アークティックラップランドラリーは、1月28-30日に行われた、2016年シーズン最初のラリーだ。2日間の総走行距離は829km、全行程が雪路のラリーである。参戦車両は総距離233kmのSSを最高速度で駆け抜ける。
勝田・新井にとっては初めてのスノーラリーであったが、二人は新しい要素をうまく吸収し、熱い戦いの中、新井はグループN車両で総合3位を達成した。この結果は講師の期待をも超えていたが、まったくの驚きというわけではなかった。 新井は、講師と共に立てた、「事前トレーニング時とほぼ変わらないスピードで行けば十分である」というプランを厳密に実行した。 最初のうちは一定のペースで走行し、ステージが進むごとにリスクを負うことなくペースを上げていき、結果的にトップタイムに繋がったと講師のヨウニアンプヤは言う。勝田もまた同様のプランのもとラリーを開始したが、SS3でコースオフしリタイアとなった。講師は、彼は十分速いドライバーだが、長距離のラリーを完走するためには、冷静を保てるようになることが彼の課題だと分析する。
今年のアークティックラップランドラリーを制したのは、プジョー208 T16 R5を駆るフィンランド人ドライバー、ユハ・サロ。過去に何度もフィンランド選手権タイトルを獲得しているベテランドライバーである。総合2位、グループN車両クラスの1位に輝いたのは、スバル・インプレッサWRX Sti R4のテーム・アスンマー。スバル・インプレッサWRX Stiの新井はその二人に続き、総合3位、クラス2位、同クラスのアスンマーとの差は1分37秒2(0.417秒/km)であった。
フィンランド国内選手権の冬のラリーはあと2戦、2月末のSM Vaakuna Ralliと3月上旬のTahko SM-ralliというが残る。そして6月以降は、大きく環境が変わる3つのグラベルラリーが二人の挑戦を待っている。
トレーニング日記
- 成長できたと思う部分、学んだこと
- 今回のラリーは自分が人生で一度は出てみたい夢のラリーでした。世界で最も寒く、美しいラリーと言われ多くのヨーロッパドライバーを魅了しているイベントだからです。
今まで参戦してきたラリーで一番タフで難しいラリーでした。特にジャンプをレッキで判断することが難しく、とてもチャレンジングなステージの印象でした。
今回の目標であるペースノート精度を今まで以上に丁寧に作ったことで最後まで安定したペースで走り切ることが出来ました。総合3番手という結果でフィニッシュ出来たことを誇りに思います。
- 講師コメント
- ラリードライバーとしてはまだ経験不足だと自分で認識した上で、限界を超えることなく、徐々にペースを上げていき、素晴らしいパフォーマンスを見せた。トレーニングと参戦に合わせて練ったプランにきちんと従い、うまくドライビングをコントロールしたことで多くの経験を得た。リザルトは重視していなかったが、結果的に非常によい結果につながったことをうれしく思っている。
- 成長できたと思う部分、学んだこと
- 今回のラリーは初めてのスノーラリー、そして初めてのコドライバー、ダニエルとのラリーでした。ダニエルのペースノートのリーディングは完璧で、タイミングよく聞き取る事が出来ていたので、良い感触と手応えを感じていました。ダニエルとは打ち解けていろいろな話をする事ができ、また色々なことを教えていただきました。マイナス35度の世界も初めて体感することができました。
今回SS3でリタイヤとなってしまいましたが、原因は僕自身の精神力にあったと思っています。10年間レースをやっていて、アクセルを踏み込んでいく勇気だけは自信がありますが、ラリーにはアクセルを抜いて状況判断する勇気と強い精神力が必要でした。今自分に必要なことは何かをよく考え、次のラリーで僕がそのことをしっかり理解したことを証明したいと思います。
- 講師コメント
- トレーニングでは非常によい走りをしていただけに、今回のラリーの結果は残念だった。スピードを恐れないことは彼の強みであるが、今は自分の走行ペースを保ち、辛抱強く時間をかけて経験を積むことを考えてほしい。今後ダニエルが彼の成長にとって大きな助けになってくれるだろう。
今回のまとめ
冬のコンディションは安全にトレーニングができる最適な環境で、我々講師が待ち望んでいたシーズンである。初めての雪上・氷上トレーニングということもあ り、2人とも熱心に学ぶ姿勢を見せてくれた。両ドライバー共にコドライバーとのコンビネーションもうまくいき、9日間のトレーニングと3日間のレッキを通 して、また一段と成長した。万全の準備で臨んだ開幕戦だったが、チームとしては最高に喜ばしい気持ちと残念な気持ちを同時に味わうことになった。 二人とも、まだ発展途上にある今、経験を積むことを第一に考え、今後のさらなる成長を期待したい。
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