TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge Program
Training Report Vol. 4 - WRC Rally Finland
昨年のWRCラリー・フィンランドでWRC初参戦した勝田貴元と新井大輝。2015年からフィンランド・ユバスキュラを拠点にトレーニングをしてきた二人にとってはホームラリーと言えるラリー・フィンランドへ、2度目の挑戦となった。
Autoglym Rally (2017年7月14-15日)
2週間後に控えるWRCラリー・フィンランド参戦に備え、フィンランド特有の高速グラベルステージの感覚を取り戻すことを目的に参戦。8つのステージからなる総SS距離110.07kmのラリーの中、いくつかの車両セットアップを試しながらWRCイベントに向けて調整を行った。
新井は午前中はミスもあったが、午後には少しずつリズムを取り戻し、クラス2位でラリーを終えた。勝田は午前中、スピン等がありながらも良いペースで走り自信をつけた。午後はリズムに乗りきれない場面もあったが、最後のステージでは再び良いリズムを掴み、クラス3位で完走した。
勝田(4号車):「約1年ぶりにフィンランドのグラベルを走り、昨年最後に走った時とは比べ物にならない程、ペースノートの精度や具体度がアップし、リスニングやドライビングも大幅に向上していると感じました。午前中スピンしてしまったので、午後はミスしないようにと考え過ぎてナーバスになってしまったところがありました。自分の精神面を理解して行く上で、良い勉強材料となりました。」
新井(7号車):「今回のラリーからペースノートを更にシンプルに且つ理解しやすいように作り変えて臨みました。今までは少し情報量が多すぎて自分自身拾い切れていない部分もあったので、大事な情報を取捨選択できるようにトレーニングを受けました。実際に本番で実践したら思いのほか道のイメージがし易くなり、リズムに乗れるようなペースノートに改善できたのは大きな収穫でした。」
RALLY REPORT
- Rally Finland (FIA世界ラリー選手権第9戦) - WRC2クラス
- 2017年7月27-30日(SS数25本、総SS距離314.20km)
- 総合結果
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#35 勝田貴元/マルコ・サルミネン リタイア (Ford Fiesta R5)
#37 新井大輝/グレン・マクニール リタイア (Ford Fiesta R5)
勝田、新井にとって昨年に続き2度目の参戦となったラリー・フィンランドは多くのジャンプとクレストを含む超高速グラベル(未舗装路)ラリーである。フィンランドを拠点とし、この地で多くのトレーニングを重ねてきた両選手にとって、今回のホームラリーは二人の成長度合いが試される場となった。
新井はデイ2、マシントラブルに悩ませられながらも堅実にラリーを運び、競争の激しいWRC2クラスにおいてクラス3位でデイ2を終えた。デイ3、今度は過給圧のトラブルによりスピードを制限され、クラス5位に順位を落としたが、一日を通し忍耐強い走りを見せた。最終日のデイ4、気持ちを新たに臨んだが、その日2つ目のSS23でコースオフし、車を立ち木にヒット。走行継続困難となり2つのSSを残してリタイアとなった。
勝田はデイ2、エンジンルームに入り込んだ石によりオルタネータベルトが切れ、ロードセクションで交換を試みたがTCに間に合わず、SS2走行後に早くもデイリタイアとなった。デイ3、ラリー2ルールにより再出走可能となった勝田は、SS16、伝説の「オウニンポウヤ」ステージでクラス2位、2ループ目のSS19「オウニンポウヤ2」でもクラス3位のタイムを記録し大きな成長を証明したが、デイ4最初のSS22でハーフスピンしラジエータにダメージを受けた結果、リタイアとなった。
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今回も学びが多いラリーでした。準備段階からの時間の使い方を変え、ステージの特徴や、危ない箇所などはレッキのビデオから記憶し、ステージ中にもっとリラックスしてドライビングできるように心がけました。実際に走行してみると今までよりも路面のイメージが掴みやすくなり、リラックスしたフィーリングで乗れたので次回以降も継続して取り組んでいきたいと思います。
デイ3の午後のステージでは急にパワーステアリングを無くし、同時にスローパンクに見舞われたステージがありました。焦っていて冷静な判断が出来なかったので、次はもっと冷静に、何が壊れて何が壊れていないのか判断できる力を養いたいです。
最終日は自分の些細なミスからリタイヤになってしまいました。安全にコーナーを旋回することを意識しすぎたせいでコーナーに対してスピードは遅かったものの、旋回させるタイミングが普段走っているときと同じだったので、コーナー途中でグリップが回復し、カウンターステアの状態で路面のバンプに弾かれてしまいました。ペースを落とした状態でも安全に走行出来るように旋回タイミングの位置を改善していきます。
- チーフインストラクター
ヨウニ・アンプヤ -
2台ともリタイアとなり、順位としては求めていた結果が得られませんでしたが、両ドライバーが見せてくれた成長にはとても満足しています。昨年と比べ、他のWRC2ドライバーと比べて、二人ともタイム差が大きく縮まり、とても競争力をつけました。最終日、リタイアの原因となったのは両ドライバーのミスでしたが、それほど気にするようなミスではなく、二人ともすでに原因を分析し、理解をしています。
今回、技術的なトラブルが多く、何も問題がなければWRC2クラスのポディウムを狙える可能性もあったと思っています。今回よかった部分を次のラリーに活かし、ミスなく今回と同じような走りをすることができれば、次の国内選手権ではいい結果を出すことができると思います。
次戦は9月8-9日にフィンランドで開催されるフィンランドラリー選手権第6戦 Uusikaupunki Ralli
に参戦予定。応援よろしくお願いいたします!
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今回はラリーが始まって早々に戦線離脱、とても悔しい思いをしました。ですが、午前のステージはそのまま走らせてもらえたので、焦らず落ち着いて走行を続けました。悔しさもありましたが、気持ちを切り替えて今自分ができる事をやりきり、多くを学ぼうと思って走りました。
デイ3、難しく超高速のオウニンポウヤのステージで、1回目は2番手タイム、2回目はトップと1.9秒差の3番手。速さをアピールする事ができてうれしかったです。個人的にはまだ詰められる部分がたくさんあるとオンボードを見て感じたので、さらに改善していきます。
最終日の4ステージは、距離はそれ程長くありませんでしたが、トリッキーなステージだったので、しっかり集中して挑みました。ですが、SS22の2キロ地点のところで、普通の左コーナーでリアが急に抜けてハーフスピンしてしまいました。車を確認したらラジエターを破損していたため、走行継続不可と判断しました。週末を通して常にリズムよく走れていた上に、大きなミスもなく上手くラリーを運べていたと思うので、あの小さなミスでリタイアとなってしまい非常に悔しい結果でした。今週末はトラブルもありましたが、終始落ち着いてラリーを運ぶ事ができ、最後のミスも含め、多くを学び、とても良い経験になりました。