伝統あるアメリカのスポーツカー耐久シリーズとして世界からも注目されているのが、WTSC(WeatherTech SportsCar Championship)シリーズだ。今季は、そのGTD(GTデイトナ)クラスに2台の新型RC F GT3が参戦。世界3大耐久レースとしても名高い「デイトナ24時間」から始まり、アメリカとカナダでの全12戦を転戦した。RC F GT3は3度のファステストラップ、コースレコードでのポールポジションも記録して、その速さを証明した。
デビュー戦の
デイトナ24時間で14位
北米の伝説的なドライバー、ポール・ジェンティロッティ率いる3GT Racingは、2017年のIMSAのWeatherTech SportsCar ChampionshipのGTDクラスに、2台のLEXUS RC F GT3を投入した。このシリーズは長距離、短距離、そして常設サーキットに市街地の特設コース、デイトナのようなバンクをもつコースと、広いアメリカが舞台ゆえのさまざまなコースバリエーションがある。
2月に開催された開幕戦・デイトナ24時間では、14号車はレギュラードライバーとなるセージ・カラム/スコット・プルーエットと、イアン・ジェームス/グスタポ・メネゼスの4名。15号車はジャック・ホークスワース/ロバート・アーロン、オースティン・シンドリック、そしてヨーロッパでRC F GT3を駆るドミニク・ファーンバッハーという4名で参戦した。14号車は52周でストップを喫したものの、15号車は見事完走。クラス14位(総合36位)となった。
続く第2戦は伝統のセブリング12時間。14号車はジェームス、15号車はシンドリックを加え参戦。かつて滑走路だった過酷な路面でのレースをきっちり走り抜き、15号車がクラス13位ながらファステストラップを記録、14号車も完走を果たした。
表彰台まであと少しの
シーズン後半戦
第3戦の舞台であるロングビーチ・スポーツカーグランプリでは、14号車が初のスプリントレースで上位へ浮上し6位に。さらにオースティンでの第4戦ではセミ耐久で9位と、RC F GT3は中盤戦へ向け調子を上げていく。さらに、デトロイトの市街地で行われた第5戦では、14号車、15号車がそろって6位、7位でフィニッシュ。2台揃ってのトップ10フィニッシュを飾った。
第6戦となるワトキンスグレンでの6時間レース、そして第7戦モスポートと、異なるレース距離のなかでも2台のRC F GT3の勢いは続く。第6戦は5位、6位でフィニッシュし、ファステストラップも記録。そして第7戦で14号車がこれまでのGTDクラスコースレコードを2秒近くも上回る好タイムを叩き出しポールポジションを獲得。決勝では不運なトラブルに見舞われながらも5位に。第8戦ライムロックでも首位走行するなど、勝利への手ごたえを得ていった。
第10戦ヴァージニアでは表彰台圏内を見据えるも14号車が7位。伝統のラグナセカでは苦戦するも、最終戦ロードアトランタではふたたび15号車が8位と、終盤もトップ10フィニッシュを繰り返した。デビュー年ながらRC F GT3はハイレベルな戦いが展開されるこのシリーズで、着実に上位で戦うことができた。さまざまなコースへのデータを蓄積して迎える2018年は、さらなる飛躍が狙えるはずだ。
優れた空力で
高速コーナーに強みがある
今年の成果を活かして、
来季はチャンピオンになりたい
−− レクサスRC F GT3をドライブした際の初めての印象は?
RC F GT3のファーストインプレッションは、見た目が美しくて、象徴的なグリルがクールという印象でした。すごく攻撃的で空力を意識した外観ですよね。運転してみたら、そのレスポンスの良さがさらに衝撃的でした。GTカーというよりはプロトタイプカーのようでしたね。反応が早くてわかりやすい。エンジンも素晴らしくて豊富なトルクがありましたね。
−− レクサスRC F GT3の長所はどこですか?
一番のストロングポイントは強力なダウンフォースで、ハイスピードコーナーでは大量の砂を巻き上げるほどです。大きなV8エンジンから繰り出すトルクも豊富ですね。ハイスピードコーナーでの強力なダウンフォースと、あらゆる回転域でしっかりパワーがでるエンジン。これが2大長所だと思います。
−− 今シーズン3GT Racingの戦いはいかがでしたか?
スピードの点から言えば、今年はとても良かったと思います。何度もファステストラップを出しましたし、一貫して前の方のグリッドを得られたので、いいパフォーマンスを見せられたと思っています。2018年ももっと経験を積めることを楽しみにしています。この1年の経験をこのクルマのスピードとパフォーマンスの向上につぎ込む予定ですし、2018年にはもっと堅実な結果を出すつもりです。
−− 2018年に向けた目標は?
圧倒的に勝ってチャンピオンになること。それが私たちのゴールです。
No.14 3GT Racing
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | Rd.8 | Rd.9 | Rd.10 | Rd.11 | Rd.12 | 総合順位 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
13 | 27 | 5 | 18 | - | 6 | 6 | 9 | 5 | 6 | 9 | 6 | 1 | 5 | 10 | 12 | 10 | 8 | 6 | 7 | 5 | 14 | 9 | 10 | 15 |
※総合順位はドライバーズランキング
No.15 3GT Racing
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | Rd.8 | Rd.9 | Rd.10 | Rd.11 | Rd.12 | 総合順位 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
20 | 14 | 4 | 13 | 2 | 11 | 17 | 13 | 9 | 7 | 3 | 5 | - | 12 | 3 | 7 | 4 | 10 | 5 | 13 | 8 | 13 | 3 | 8 | 12(14)※1 |
※総合順位はドライバーズランキング
※1・・・ロバート・アーロンが252ポイントで12位、ジャック・ホークスワースは248ポイントで14位