INTERNATIONAL GT Openは、ヨーロッパ各国を転戦するGT3のプロアマシリーズだ。欧州のGT3レースと言えば、ブランパンGTシリーズが著名だが、それに準ずるポジションと言える。とは言え戦闘力の均衡したGT3カーにより、5カ国で14レースを戦うだけにかなりハードな戦いになる。ここにテスト参戦した2台の新型RC F GT3は開幕4連勝を含む通算6勝を挙げ、Emil Frey Lexus Racingがランキング3位を獲得する活躍を見せた。
開幕戦と第2戦の
4レースを制覇する
ヨーロッパの名だたるコースを舞台に、GT3カーで争われているシリーズがINTERNATIONAL GT Openだ。2017年、このシリーズにはスイスのEmil Frey Lexus Racingと、ドイツのFarnbacher RacingがLEXUS RC F GT3を使って参戦した。2チームともドイツのニュルブルクリンクを舞台に先行開発のRC F GT3で参戦してきた実績をもつチームだ。
そんな両チームのGT Openにおけるデビューラウンドとなった4月29、30日のポルトガルのエストリルでのレースは、華々しいラウンドとなった。土曜のレース1では、アルベルト・コスタ/フィリップ・フローメンマイヤー組のEmil Frey Lexus Racingがデビューウイン。さらに、日曜のレース2ではドミニク・ファーンバッハー/マリオ・ファーンバッハーのFarnbacher Racingが優勝。開幕ラウンドでRC F GT3が連勝を飾ったのだ。その勢いはスパ・フランコルシャン戦でも続き、同じくレース1をEmil Frey Lexus Racingが、レース2をFarnbacher Racingが制した。
シーズン終盤にも2勝し、
通算6勝を数える
RC F GT3の開幕4連勝という序盤戦となった2017年のGT Openだったが、中盤戦以降はライバル勢も意地を見せる。特にFarnbacher Racingはポールリカール戦で2レースとも得点できないなど、苦戦を強いられた。しかし、第5ラウンドであるシルバーストーン戦で、Emil Frey Lexus Racingがレース1で優勝。RC F GT3にとってシーズン5勝目を挙げた。
終盤戦に至るまでコスタ/フローメンマイヤー組はチャンピオン争いを展開し、最終ラウンドであるバルセロナ戦のレース2ではチームのシーズン4勝目を記録。これでRC F GT3は通算6勝で一年を締めくくった。コスタ/フローメンマイヤー組は98ポイントを獲得したものの、惜しくもチャンピオンシップの3位に。ドミニク・ファーンバッハーが77ポイントを獲得し、6位でシーズンを終えている。
なお、Emil Frey Lexus Racingは9月に開催された、同じくヨーロッパを舞台にするGT3カーレースの最高峰、ブランパンGTシリーズのニュルブルクリンク戦にもスポット参戦。21位という結果となったが、将来の活動に向け貴重な経験とデータを得ている。
トップレベルの選手権で
予想以上の結果を残せた
来年はブランパンGT参戦を目指す
−− INTERNATIONAL GT Openはどんなレースですか
私にとってはヨーロッパでトップレベルの選手権のひとつです。多くを学ぶことができますし、1大会で予選・決勝とも完全に2戦分ある唯一のレース。つまり、アンラッキーがあってももう1回チャンスがあるってことですからね。
−− RC F GT3のファーストインプレッションと、このクルマの長所は?
素晴らしいクルマです。このクルマで走った最初の3ラップは忘れられません。走りが安定していて、スタートから限界走行まで破綻なく動きが予測できる。F1カーみたいなときもあって、強力な空力で自信を持って走ることができますよ。高速コーナーでの空力が最大のストロングポイントですね。
−− 今シーズンのEmil Frey Lexus Racingはどうでしたか?
正直、予想していたよりもずっと良かったです。チーム、クルマ、チームクルー、ドライバー、すべてゼロからスタートしたけれど、優れた人が集まって、お互い働きやすくて、それでチームとして成長したんです! 私は彼らを誇りに思うし、このファミリーのひとりになれたのが嬉しいですね。
−− 来年に向けた目標は?
まずはブランパンGTシリーズのスプリントと耐久レースに出場することが、目標になります。というのも、このレースは世界的にもよく知られたGT選手権ですから。RC F GT3の速さやEmil Frey Lexus Racingの素晴らしさを世界に見せられるチャンスだと思います。私たちには、その力が十分にあると確信しています。
No.54 Emil Frey Lexus Racing
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | 総合順位 | |||||||||||||||||||||
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Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | |||||||||||||||
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
2 | 1 | 8 | 8 | 1 | 1 | 6 | 14 | 8 | 4 | 14 | 9 | 5 | 4 | 18 | - | 1 | 1 | 12 | 3 | 14 | 10 | 8 | 5 | 1 | - | 6 | 1 | 3 |
※総合順位はドライバーズランキング
No.55 Farnbacher Racing
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | 総合順位 | |||||||||||||||||||||
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Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | Race1 | Race2 | |||||||||||||||
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
8 | 4 | 2 | 1 | 10 | - | 3 | 1 | 21 | - | 16 | - | 14 | 15 | 12 | 4 | 6 | 5 | 8 | 6 | 7 | - | - | - | 4 | 3 | 8 | 3 | 6(8)※1 |
※総合順位はドライバーズランキング
※1・・・ドミニク・ファーンバッハーが77ポイントで6位、マリオ・ファーンバッハーは69ポイントで8位