2019 Blancpain GTシリーズ第7戦 スパ24時間レース
ENTRANT
No. 23 Tech 1 Racing
伝統の耐久レースは
GT3が最も輝く戦いの場
ヨーロッパ各地で開催される耐久レースシリーズ「ブランパンGTシリーズ」のなかで、最も重要なレースと位置づけられるのが、格段に長い距離で競うスパ24時間レースだ。ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで開催されるこの24時間レースは1924年初開催という、ル・マン24時間レース(1923年初開催)に次ぐ歴史を持つことから、世界三大耐久レースの一つに数える人も多い。プロトタイプカーが戦いの主人公となっているル・マンに対して、市販車ベースのレーシングカーが総合優勝を争う場として知られるスパ24時間レースには、ヨーロッパの自動車メーカーをはじめとする世界のGT3車両が勢揃いする。GT3が特に輝かしく見える戦場といえるだろう。
フォーミュラで名を成した者たちが
選んだのはRC F GT3
長年ジュニアフォーミュラレースの世界で有望な若手ドライバーを育ててきたチーム「Tech 1 Racing」が耐久レースに挑むにあたり手を組んだのは、2016年からル・マンなどの耐久レースで活躍するレーシングチーム「パニス・バルテス・コンペティション」。1996年モナコ・グランプリ優勝者のオリビエ・パニスと、元フランスナショナルサッカーチームのゴールキーパー、ファビアン・バルデスが共同で起こしたチームだ。そして、このユニークなタッグが選択した車両が、LEXUS RC F GT3だった。AMクラスにエントリーした彼らの23号車は、クラス5番目という位置で予選を終えたが、この予選結果を眺めるとトップから25位までのタイムが1秒以内に収まる驚異の接戦であることがわかる。レースはそれ以上の接戦が期待された。しかし・・・。
フラストレーションの溜まる雨のレースで
24時間を完走
40℃近い酷暑だった予選とうってかわり、レースは荒天に見舞われ、ヘビーウェットのなかでセーフティカースタート。2時間が過ぎたところで大きなクラッシュが発生し、フルコースイエロー導入。一度は雨が止んだものの夜半には再び豪雨が襲い、クラッシュがきっかけとなってまたもフルコースイエロー導入、そしてそれは赤旗に変わる。それから6時間近くもレースは中断されることになった。終盤もしばしば雨に見舞われ折々アクシデントが発生、その都度セーフティーカーが入る荒れた展開が続き、競うにも観戦するにもフラストレーションの溜まる一戦となってしまった。そのなかでも23号車のLEXUS RC F GT3は、終盤に長めのピットストップを強いられるも、大きなアクシデントに見舞われることなく24時間、345周(2,416.38km)を走りきった。