GAZOO Racing、ダカールラリーでFCEV*開発をさらに推進

2026.07.09(木)- 16:00配信

  • GAZOO Racingが2027年のダカールラリーに燃料電池自動車(FCEV)をエントリー
  • DKR GR Hiluxをベースにした試作車「DKR GR FC Hilux」で、新技術の実験車両を対象とした「Dakar Future Mission 1000」カテゴリーに参戦
  • 「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の一環として、GAZOO RacingはFCEV技術のさらなる進化を支援することを目指し、燃料電池の小型化、冷却の改善/耐久性向上に注力

GAZOO Racingは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の一環として、2027年のダカールラリーに、FCEVの「DKR GR FC Hilux」をエントリーします。水素を使用した燃料電池技術の実証に向けて、過酷な地形、気温、日程への対応が必要とされるダカールラリーにおいて新たな挑戦に取り組みます。本車両は、ダカールラリーのトップカテゴリーで既に実績を残している「DKR GR Hilux」をベースに、ガソリンエンジンをトヨタの燃料電池システムに置き換えたもので、走行時にCO₂を排出せず、排出物は水のみです。

高温、荒れた路面、長距離ステージが続くダカールラリーの過酷な環境は、燃料電池技術を試す絶好の実証フィールドであり、パフォーマンスを安全かつ確実に発揮するためには、燃料電池の小型化、最適な冷却、耐久性に加え、エネルギーマネジメントに注力することが必要です。

世界で最も過酷なモータースポーツと言われている環境で「DKR GR FC Hilux」を開発・運用して得られる知見は、乗用車、トラック、バス、列車、船舶、レース車両、定置用発電機など、幅広く燃料電池技術の応用に役立ちます。また、このプロジェクトに関わる技術者はプレッシャーのかかる現場において問題解決を現地現物で学ぶことにより、今後さらなる車両開発への貢献が期待できます。

FCEVのパワートレインおよびソフトウェアのテストとチューニング、車両組み立てはベルギーを拠点に開始しており、今後順次テストプログラムを実施する予定です。

ダカールラリーは2027年1月1日から1月15日までサウジアラビアで開催され、キング・アブドラ・エコノミック・シティがスタートおよびゴール地点となります。砂丘、岩の多い未舗装路、乾いた川床などを高速で走破する過酷なコースで、車両とドライバーが限界まで試されます。

参戦カテゴリーは、技術実証を目的とした実験車両向けの「Dakar Future Mission 1000」です。このカテゴリーは独自の競技形式を採用しており、クルー(ドライバーとナビゲーター)は10ステージ、合計1,000kmの競技区間でタイムを競います。「DKR GR FC Hilux」はこの競技区間で燃料電池技術の性能、安全性、信頼性を実証することを目指します。

「Dakar Future Mission 1000」への参戦は、トヨタ自動車(以下、トヨタ)が取り組んでいるモータースポーツにおけるカーボンニュートラル実現と水素関連技術の可能性拡大に向けた取り組みの一歩です。

トヨタのモータースポーツにおける水素関連技術活用の取り組みは、2021年にRookie Racingが水素エンジン搭載車「ORC ROOKIE Corolla H2 Concept」でスーパー耐久シリーズに参戦したことから始まりました。

ラリー分野では、2022年に「GR YARIS H2」がFIA世界ラリー選手権(WRC)の一戦であるイープル・ラリー・ベルギーでデモ走行を行い、水素エンジンの可能性を示しました。さらに、「GR Yaris Rally2 H2 Concept」は2025年のラリー・フィンランドや2026年のラリー・モンテカルロでのデモ走行を通じて、さらなる開発成果を示しています。ダカールラリーでは、トヨタも参加する水素小型モビリティ・エンジン研究組合(Hydrogen Small mobility & Engine technology Association、略称HySE)によるエントリーで、2024年には水素エンジンを搭載したバギー「HySE-X1」がDakar Future Mission 1000を完走し、2025年にはその進化型「HySE-X2」も完走しました。

レース分野では、2026年のFIA世界耐久選手権(WEC)ル・マン24時間レースにて、実戦車両である「TR010 HYBRID」をベースに液体水素エンジンを搭載した「TR LH2 Racing Prototype」がデモ走行を披露しました。また、2026年のスーパー耐久シリーズにおいて、世界で初めて超電導技術を搭載した水素エンジンGRカローラで完走を果たしています。

今回参戦する2027年の「Dakar Future Mission 1000」は、トヨタのモータースポーツ活動で水素と燃料電池を組み合わせて使用する初めての競技となります。

モータースポーツにおけるカーボンニュートラルおよび水素関連技術の可能性を引き出すというトヨタの挑戦を、ダカールラリーを通じて推進してまいります。

* 燃料電池自動車(Fuel Cell Electric Vehicle)