GR FACTORYで製造されるクルマは、レーシングカー並みの剛性を備えている。一般的なクルマよりも多数の溶接と、多量の構造用接着剤が塗布されて作られるからだ。これらはWRC (FIA世界ラリー選手権) などのモータースポーツからのフィードバックに基づいている。
高剛性ボディが完成した後にエンジンフードと左右ドアなどを取り付け、軽量かつ堅牢なボディに仕上がる。

車両は複数のセル間を無人搬送機 (AGV) でつなぐ方式を採用することで、工場内のレイアウトをはじめ、生産台数や生産車種の変更にも柔軟な対応を実現した。
さらに足回り部品とボディの製造公差を補完し合うように部品を計測のうえ、最適な組み合わせをコンピュータで計算し、抽出することで中央値に限りなく近づける工夫を行っている。
その後の取り付けは、内外装部品を装着したボディを、上から足回りに降ろして搭載する方法を採用した。適切な荷重がかかった状態で足回りの組付けを実施する。モータースポーツの現場で1台のレーシングカーを丁寧に製作する際に使われている手法を、GR FACTORYで量産車の生産においても実現した。

組み立てを終えた車両は最終検査へ。アライメント測定のランナウトは、多くの自動車工場で通常1回しか行われないところGR FACTORYでは3回実施し、厳密に調整する。その後の走行テストも通常の抜き取り式ではなく、すべての車両が対象となり、テストコースを走って厳しいチェックを受けたうえでお客様の元へ出荷される。
クルマだけでなく、テストを担当する検査員にも毎月試験が行われており、揺るぎのない検査としている。
GRのスポーツカーにふさわしい品質か、最後は職人の手で確かめるのだ。