Round2
全日本ラリー選手権 第2戦 久万高原ラリー
レポート
全日本ラリー選手権 第2戦 久万高原ラリー レポート

TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turbo
(大倉聡/豊田耕司組)がJN5クラス優勝!

厳しいコンディションとなった久万高原で、TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboが最後まで走りきり、初優勝を達成。
厳しいコンディションとなった久万高原で、TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboが最後まで走りきり、初優勝を達成。
トラブル発生にも冷静に対応したチームの冷静な対応力が、今回の勝利を呼び込んだと言えそうだ。
トラブル発生にも冷静に対応したチームの冷静な対応力が、今回の勝利を呼び込んだと言えそうだ。

 2016年シーズンの全日本ラリー選手権第2戦「久万高原ラリーsupported by Sammy」が、4月30~5月1日に開催され、Team TOYOTA GAZOO RacingのTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turbo(大倉聡/豊田耕司組)が、JN5クラス優勝を飾った。
 全日本ラリー選手権中、最も標高の高い開催地のひとつである久万高原を舞台とするラリーは、晴天となり気温も上昇し、マシンやタイヤだけでなくクルーにとっても厳しいコンディションとなった。初日に排気系トラブルが発生したTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboであったが、大倉選手の確実なドライビングで3位につける。
 最終日、上位を走行していたライバルが相次いで戦列を去るなか、最終ステージで大倉選手がトップに立ち、そのままフィニッシュ。大倉選手と豊田選手にとっては、全日本選手権初優勝達成となった。「本当に厳しいラリーでした。チームが支えてくれたからこそ、最後まで走り切ることができたと思います。このチームで勝てたことが本当に嬉しいです」と、フィニッシュ後に大倉選手は笑顔を弾けさせた。また、チーフメカニックを務める豊岡悟志は、「改めて完走することが大切だと実感しました。クルマの信頼性、そしてドライバーの精神力が重なっての勝利ですね。本当に嬉しいです。」と、喜びを語りながら、次戦に向けて気を引き締めていた。

厳しいコンディションとなった久万高原で、TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboが最後まで走りきり、初優勝を達成。
厳しいコンディションとなった久万高原で、TOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboが最後まで走りきり、初優勝を達成。
トラブル発生にも冷静に対応したチームの冷静な対応力が、今回の勝利を呼び込んだと言えそうだ。
トラブル発生にも冷静に対応したチームの冷静な対応力が、今回の勝利を呼び込んだと言えそうだ。

めざせ凄腕メカニック~「いいクルマづくり」への道~Vol.02

「ラリー中は他のチームのサービス風景なども目で追ってしまう」と、語る宮本。
「ラリー中は他のチームのサービス風景なども目で追ってしまう」と、語る宮本。
サービスへと帰ってきたTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboに対して、迅速な対応を行うメカニック
サービスへと帰ってきたTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboに対して、迅速な対応を行うメカニック

 Team TOYOTA GAZOO Racingにおいて、マシンの製作・整備を担当するのは、凄腕技能養成部の社員メカニックたち。厳しいラリー環境で技能を磨く彼らから、毎回1名のスタッフを紹介する。第2回目に登場するのはチームメカニックのサブリーダー、マシン製作において陣頭指揮をとった宮本昌司だ。
「入社以来、車両評価を行う部署で働いてきたこともあり、これまではモータースポーツに携わることがまったくありませんでした。正直、凄腕技能養成部のメンバーに選ばれた時は『自分でいいのかな?』と思ったほどです。最初の現場は昨年の全日本ラリー選手権開幕戦唐津でしたが、土砂降りの上に風が吹き荒れるという厳しいコンディションでした。これだけ厳しい環境のなかでラリーは戦わなければならないのかと、衝撃を受けました」と、宮本は懐かしそうに振り返った。シーズン2戦目となった久万高原では、サバイバル戦となった厳しいラリーをTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboは走り抜き、全日本ラリー選手権初優勝を達成した。しかし、宮本は今回の勝利を手放しでは喜んでいない。
「勝てたことは嬉しかったんですが、改めて課題がたくさん見つかりました。確かに昨年までの我々では、上がリタイアした場合でも勝てる位置にはいなかったでしょう。チームやマシンの成長を実感しつつも、『これがゴールではない』と、さらに次にむけてやる気がみなぎってきました」。

「ラリー中は他のチームのサービス風景なども目で追ってしまう」と、語る宮本。
「ラリー中は他のチームのサービス風景なども目で追ってしまう」と、語る宮本。
サービスへと帰ってきたTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboに対して、迅速な対応を行うメカニック
サービスへと帰ってきたTOYOTA GAZOO Racing Vitz GRMN Turboに対して、迅速な対応を行うメカニック

勝田範彦選手、消耗戦の久万高原で勝利!(JN6クラス)

勝田範彦/石田裕一組(スバルWRX STI)が、開幕戦に続き今シーズン2勝目。
勝田範彦/石田裕一組(スバルWRX STI)が、開幕戦に続き今シーズン2勝目。

 全日本ラリー選手権のトップカテゴリー、JN6クラスは、スバルWRX STIをドライブする勝田範彦/石田裕一組が優勝。開幕戦に続き、シーズン2連勝を飾っている。
 ラリー初日、スタートからリードしたのは、奴田原文雄/佐藤忠宜組(三菱ランサーエボリューションX)。しかし、今回最長の23.39kmを走るSS3で、圧倒的なベストタイムを叩き出した勝田選手が首位に浮上する。
 初日のS5Sから2日目のSS8まで、4連続ベストを刻んだ新井敏弘/田中直哉組(スバルWRX STI)が、1.0秒差まで迫るが、対する勝田選手もSS9からSS11まで3連続ベストで応酬。さらに、SS12では2位の新井選手が駆動系トラブルでリタイアを余儀なくされてしまう
安全圏のリードを手にした勝田選手は残されたステージも安定したペースで走りきり、トップでフィニッシュ。「新井選手とは本当に激しいバトルでした。この勝利は僕たちを支えてくれたチームのおかげです」と、安堵の表情を見せた。2位は奴田原選手、3位は初日にタイヤをパンクさせてしまいながらもら表彰台まで挽回した福永修/竹原静香組(三菱ランサーエボリューションX)が入っている。

勝田範彦/石田裕一組(スバルWRX STI)が、開幕戦に続き今シーズン2勝目。
勝田範彦/石田裕一組(スバルWRX STI)が、開幕戦に続き今シーズン2勝目。

見応えのあったクラス
山椒は小粒でもピリリと辛い(JN1クラス)

 2016年シーズンの全日本ラリー選手権で一番下のクラスとなるのが「JN1」。軽自動車からBセグメントのコンパクトカーまで、普段の生活でお馴染みの車種が数多く参戦中だ。下位クラスだからといって侮るなかれ、ステージによっては、上のクラスを凌ぐタイムを叩き出すことも珍しくないのだ。
 今回の久万高原を制したのは、スズキ・スイフトスポーツをドライブする鈴木尚選手。今シーズン初参戦にも関わらず、上位クラスに割って入る総合12位でラリーを終えた。また、今年から初参戦となった日産マーチNISMO Sとスズキ・アルトワークスも、キュートなルックスからは想像できない迫力の走行を見せている。唯一の軽自動車、アルトワークスをドライブする番場彬選手は「エンジンパワーを考えると厳しいのですが、それでも軽さで勝負できるのがこのクラスの面白さです」と、JN1の魅力を語ってくれた。

  • JN1クラスを制したのは、「コ・ドライバーとのコンビが勝利の鍵」と語った鈴木選手。
    JN1クラスを制したのは、「コ・ドライバーとのコンビが勝利の鍵」と語った鈴木選手。
  • 今シーズンから全日本選手権に登場したスズキ・アルトワークス。ファニーなルックスがひと際映える。
    今シーズンから全日本選手権に登場したスズキ・アルトワークス。ファニーなルックスがひと際映える。

もっとラリーを楽しもう

 久万高原の美川スキー場跡地に設けられたTOYOTA GAZOO Racingブースには、2017年のWRC参戦を盛り上げるべく、WRCをイメージしたゲートとともにヤリスWRCテストカーが四国初上陸。このクールなゲートを紹介してくれたのは、GAZOO Ladyの高家望愛(こうけ・のあ)さん。今回はステージも観戦したそうで、「大自然の中を走るラリーカーの迫力に圧倒されました! こんなに近くで見られるとは思っていませんでしたし、コーナーでタイヤを滑らせながら走る様子にも驚きましたね」と、ラリーを満喫したそうです。

  • GAZOO Ladyの高家さんが手にしているのはラリー会場のみで配布しているオリジナルステッカー。
    GAZOO Ladyの高家さんが手にしているのはラリー会場のみで配布しているオリジナルステッカー。
  • 美川スキー場跡地に隣接するギャラリーステージでは、大勢の観客がラリー観戦を楽しんだ。
    美川スキー場跡地に隣接するギャラリーステージでは、大勢の観客がラリー観戦を楽しんだ。

次戦予告

5月20~5月22日 全日本ラリー選手権 第3戦
「若狭ラリー2016 supported by Sammy」

5月20日~22日に開催される第3戦「若狭ラリー2016 supported by Sammy」は、風光明媚な景色の中を走るターマックイベント。サービスパークとギャラリーステージは、道の駅「うみんぴあ大飯」に置かれ、ラリーだけでなく様々なイベントも楽しめます。TOYOTA GAZOO RacingブースにはヤリスWRCを展示し、GAZOO Lady2名も「顔ハメパネル」と一緒に登場します。