RALLY HOKKAIDO
全日本ラリー選手権 第9戦 RALLY HOKKAIDO
今季最後のグラベル(未舗装路)ラリーに挑む
GR YARIS GR4 Rally
2021年の全日本ラリー選手権第9戦「RALLY HOKKAIDO」が、9月10日(金)〜12日(日)に北海道帯広市で開催される。8月20日(金)〜22日(日)に第8戦として予定されていた「横手ラリー2021」が中止を決定したため、全日本ラリー選手権としては7月2日(金)〜4日(日)に行われた第7戦「2021 ARKラリー・カムイ」以来,約2カ月ぶりの開催となる。
2001年9月に開催されたインターナショナルラリーイン北海道を経て、2002年に国内初のFIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)として開催されたラリー北海道は、今年で同大会の20周年記念にあたり、主催者は帯広駅前でのラリーショーやセレモニアルスタートなど、観客がラリーを応援することができるイベントを企画していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大が収まらない昨今の状況を考慮して、今年も昨年と同様に無観客での開催を発表し、記念イベントは来年に持ち越しとなった。
今大会のSS走行距離は86.04kmとされており、得点に係数1.2がかかる。優勝すれば24点を獲得することができるため、シーズンの残りラウンド数を考えれば上位での確実なフィニッシュが命題と言えるだろう。ラリーは初日に6SS、2日目に3SSの計9SSで争われる。大会最長のSSである初日のSS1/4 YAM WAKKA SHORT(14.54km)を含め、5SSが10kmを越える設定。例年と比べてSSの距離が短く設定されているが、その難易度は従来と変わらない。曲がりくねった道が続く深い森のなかを走るコースや、道幅が狭く速度域の高いコース、陸別オフロードサーキットなど、バラエティに富んだ構成は選手たちにとって挑戦しがいのあるステージが揃っている。
チームは今回のラリーに2台の「GR YARIS GR4 Rally」を送り込む。クルーは勝田範彦選手/木村裕介選手、眞貝知志選手/安藤裕一選手。前戦のラリー・カムイで勝利を挙げた勢いそのままに、最高峰JN1クラスでの連勝を目指す。
Rd.9 RALLY HOKKAIDO 無観客開催について >>
ラリー主催者は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各種の対策を講じて競技を行うことを明らかにしている。関係者や選手に対しては会場内でのマスク着用のほか、サービスパーク入口での検温等の体調確認が実施される。また、毎日サービスへの最初の入場時には会場入口にて、北海道が運営する「北海道コロナ通知システム」への登録が義務づけられる。昨年の大会と同様、JAFの指針に基づき、主催側(運営およびオフィシャル)も最小人数での大会開催、選手の受付などはクルマから降りないドライブスルー方式で行うなどの対策も講じられる。また、ラリーショーやセレモニアルスタートが予定されていた10日(金)には、参加全選手を対象にラリーの安全性向上を目的としたラリー安全講習が開催される。
GR YARIS GR4 Rallyとしては、このRALLY HOKKAIDOが2度目のグラベル実戦となる。第8戦の横手が中止されたことで、約2カ月という大きな猶予が生まれた反面、1戦分グラベルラリーの経験を蓄積する機会を失ったことは、今シーズンから走り始めたGR YARIS GR4 Rallyにとっては痛手と言える。しかしチームはこのインターバルを利用し、ラリー・カムイを走り切ったクルマのダメージを精査、チェックし、グラベルコースでの走行テストを行い、RALLY HOKKAIDOに挑む。
チームを率いる豊岡悟志監督は、「ラリー・カムイではいくつか細かい課題が見つかりました。テストでは出ることのなかった、極限のアタックだからこそ出てきた課題もありました。いったんそれを整理して、しっかり次につなげたいですね。特にRALLY HOKKAIDOは他のラリーと比べてもスピード領域の高い部分があります。ライバルのアドバンテージに対して自分たちがどこまで戦えるか、挑んでいきたいですね」と、決意を新たに語っている。また、メカニックを取りまとめる宮本昌司チーフメカニックは「前戦は、ターマックラリーとの違いやグラベルラリーの難しさを肌で感じることができ、良い経験になりました。RALLY HOKKAIDOはリモートサービスがあるなど、整備時間以外のスケジュールもタイトになりますので、カムイで学んだ仕事のやり方や、時間配分の仕方を活かせればと思います」と、メカニックチームのさらなる成長を見守る。
大会基本情報
- 開催地:
- 北海道帯広市及び周辺
- 日程:
- 9月10日(金) ~ 12日(日)
- サービスパーク:
- 北愛国交流広場(北海道帯広市愛国町10-1)
- 路面:
- 未舗装路(グラベル)
- SS:
- 9(SSトータル距離:86.04km)
- 総走行距離:
- 669.66km
※最新情報は 大会公式サイト をご覧ください。
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※2021年9月3日時点の情報です。最新情報は当日HQでご覧ください。
第7戦ラリー・カムイで初のグラベルラリーを迎えたGR YARIS GR4 Rallyは、12SSのうち半数の6SSでベストタイムを獲得した。勝田選手/木村選手、眞貝選手/安藤選手とも、実戦での距離をこなすごとにクルマとの親和性を高めていき、ポジションをアップ。最終的に勝田選手/木村選手はGR YARIS GR4 Rallyで初の勝利を獲得し、眞貝選手/安藤選手は4位でフィニッシュを果たしている。
勝田選手はラリー後、「クルマのハンドリングはいいですね。最初はコーナーへの進入など模索しながらの走りでしたが、徐々に動きが分かってきて、細かい調整などを経てフィーリングが良くなりました。今後に向けた収穫になったと思います」とコメント。眞貝選手も「ひとつのコーナーごとに気づきがあり、走れば走るほど、分かることが増えていきます。セットアップなどを色々と変更したことで、すべてが発見につながりました」と手応えを語っている。それだけに、今シーズン最後のグラベルラリーとなったRALLY HOKKAIDOには連勝とさらなるデータの蓄積に期待もかかるところだ。
また、RALLY HOKKAIDOと同じ週末には、WRC第10戦アクロポリス・ラリー・ギリシャが開催される。国内・海外ともに過酷なグラベルラリーに挑むTOYOTA GAZOO RacingとヤリスWRC/GRヤリスにぜひとも注目していただきたい。
北愛国交流広場
(北海道帯広市愛国町10-1)
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