2025 Rd.1FUJI
KYOJO CUP 2025年 第1戦 富士

予選/KYOJO Sprint
2025年のKYOJO CUP第1戦のスプリントレースが5月10日(土)に富士スピードウェイで開催され、#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が今季優勝を飾った。
2017年に誕生したKYOJO CUPは今年で9年目を迎え、合計3回のプレシーズンテストを経て、いよいよ女性ドライバー限定の本格的なフォーミュラレースの開幕戦を迎えることもあり、各所から注目が集まるなか、第1戦のレースウィークがスタートした。
9時55分から行われた公式予選は、昨夜から降り続く雨の影響でウェットコンディションとなり、全車レインタイヤを装着して走行を開始する。前半のトップは下野の1分55秒185となり、2番手に#38 佐藤こころ(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)、3番手に#7 翁長 実希(Kids com KDDP KC-MG01)が続くなか、予選は折り返しを迎えた。
後半で好走を見せたのは#37 バートンハナ(BigBoss W TOM'S KYOJO KC-MG01)。残り10分に3番手に浮上すると、翌周の計測でベストタイムを約0.7秒削った1分54秒791を記録して下野からトップを奪取する。
バートンはその後もトップタイムを更新する好走を見せるが、最終アタックで1分54秒270を記録した下野がバートンに0.02秒差をつけて再びトップに返り咲き、今季初のポールポジションを獲得した。
ポールポジション:#86 下野 璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「ギリギリでした。2番手タイムを聞いて少し焦りましたが、一度クールダウンして最後の一周をアタックしました。完璧なラップではなかったのですが、タイムを上げることができて良かったです。スプリントレースはポールスタートなので安心している気持ちもありますが、午後は雨で後ろとのタイム差はないと思うので自分の走りに集中して頑張ります」
14時30分から10周で争われたスプリントレースは、午後から気温がやや上昇し、曇り空が広がるなか幕を開けた。ドライとウェットが混在する路面状況となったことから、セーフティーカー先導でのスタートとなり、3周目の13コーナーを過ぎたタイミングで隊列先頭の下野が加速を開始する。好スタートを決めて2番手のバートンとのギャップを築いた状態で4周目に突入し、ここからKYOJOたちのガチンコバトルがスタートした。
下野に引き離されたバートンの背後には翁長が迫り、TGRコーナーのアウト側からブレーキ勝負を仕掛け2番手に浮上する。3番手となったバートンは続けて#4 平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)、佐藤にも先行を許し、5番手に後退してしまう。
さらに5周目を迎えると6番手の#32 金本きれい(ミハラ自動車エムクラフトRT KC-MG01)がバートンの背後から積極的に仕掛けていくが、金本の猛攻を抑えたバートンが5番手を死守。その後方では、#1 斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)と#8 佐々木 藍咲(LHG KDDP KC-MG01)が9番手の座をかけてサイド・バイ・サイドを繰り広げ、斎藤が9番手に浮上するなど、各所でバトルが展開されるなかレースは終盤戦に突入した。
残り周回数は4周となり、多くのドライバーが1分47秒台から46秒台でレースを繰り広げる一方、トップの下野は唯一1分45秒台で周回を重ね、2番翁長に対するギャップを着々と築いていく。その後方ではポジションアップを狙う斎藤が混戦状態となった前方集団の回避を試みてスピンを喫し、19番手までポジションを落とすことに。
その翌周にはタイヤをロックさせて水の多い路面に乗った織戸が曲がり切れず、TGRコーナーで細川と接触。隊列の後方では#17 白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)が13コーナーでスピンを喫するなど、終盤戦はアクシデントが多発する。
独走状態となった下野のペースは衰えることなく、トップチェッカーを受け、2番手に9.6秒もの大差をつけて今季初優勝を飾った。2位に翁長、3位に平川が続き、序盤から上位ポジションをキープし続けた3名がそのまま表彰台に並ぶかたちとなった。
優勝:#86 下野 璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
「グリッドでは緊張していましたが、スタートが上手くいって序盤から後方を離せたので、心に余裕を持って走ることができました。本番は明日なので優勝という感覚はないですが、明日もトップからのスタートなので安心感はあります。スタート方式がどうなるかわかりませんが、スタンディングスタートだとしたらスタートに集中して、明日も引き離せるように頑張ります。 」
「まずは表彰台立てて非常に嬉しいです。フォーミュラカーになってスリップの使い方などが多少違ってくるぶん、スタートやその後の1周目がポジション取りとしては重要だと思っていたので、狙ったところで前に行くことが出来て良かったです。
明日はフロントロウからスタートなので、下野選手を逃がさないようにしっかり走りたいです」
「早くに前の車両をパスできましたが、後ろの車両のペースが微妙に速かったのでミラーを見つつ、自分の走りに集中しました。今回は混戦にならず、ダウンフォースのかかり方などがまだわからないので、明日が初めてのレースのような気持ちです。課題となる部分はたくさんあるので、今日学んだことをしっかり出せるようにしたいです」