2025 Rd.3FUJI

KYOJO CUP 2025年 第3戦 富士

    雨に翻弄されたKYOJO Sprintは下野璃央が制し、今季3度目の勝利を掴む

    予選/KYOJO Sprint

    雨に翻弄されたKYOJO Sprintは下野璃央が制し、今季3度目の勝利を掴む

     2025年のKYOJO CUP Rd.3のKYOJO Sprintが8月16日(土)に開催され、#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が今季3勝目を飾った。
     天候に恵まれた前回大会とは一変、曇天の富士スピードウェイで幕を開けたRd.3では、#10 フレイム・アイリッカラ(CUBE FUNDER KDDP KC-MG01)が第3回合同テストぶりに復帰を果たした。また、今大会では車両性能をイコールコンディションに近づけることを目的として、今シーズンから導入されたフォーミュラ車両「KC-MG01」のハイブリッドシステムを使用せず、レースが行われた。

    予選

     9時25分に公式予選が開始されると、マシントラブルに見舞われた#7 翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)が300Rのアウト側で停止。一度は動き出したものの、再びマシンを止めた翁長はリタイアを選択し、満足な走行が出来ないまま予選を終えた。
     翁長を除いた19台はセッション開始5分後にタイム計測をスタートし、翁長とともにポイントリーダーの座に就く下野がトップタイムを記録する。しかし、#1 斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)が下野のタイムを0.487秒上回り、トップに浮上する。各車は位置取りを行いながら自身のベストタイムを更新していくが、斎藤が序盤にマークした1分45秒792を上回るドライバーは現れず。第2戦に続いて斎藤がポールポジションを獲得した。

    Driver’s Voice
    ポールポジション:#1 斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)

    「タイヤに慣れ、1発のタイムを出すことは上達しているように感じていましたが、成果として表れたのでとても嬉しいです。今大会に向け、自身の良い部分に着目してその点を伸ばすように意識を変えました。レースのコンディションは読めませんが前回大会での課題をクリアできるよう、周りに気を取られることなく自分自身と勝負したいと思います。 (150W)」

    KYOJO Sprint

     14時35分から10周で争われたKYOJO Sprintは、小雨が降るなかローリングスタートが切られた。ポールシッターの斎藤がホールショットを守り、予選で2番手タイムを記録した#17 白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)をパスした下野がTGRコーナーで2番手に浮上する。
     予選後、バッテリーがシャットダウンする症状が出ていたと語った翁長は最後尾からのスタートとなったが、2周目には12番手までポジションを上げてみせる。好ペースで周回を重ねる翁長は3周目のホームストレートで2台を一気にかわし、続くTGRコーナーで#53 池島実紅(TGM Grand Prix KC-MG01)をパス。4周目には#46 永井歩夢(NBAありそ鮨しKYOJOフォーミュラ KC-MG01)とのポジション争いを制して8番手に浮上した。そんななか、パナソニック オートモーティブコーナー周辺が強い降雨に見舞われ、トップ走行する斎藤を含む3台がスピンを喫する事態に。レースは6周目に赤旗中断となり、斎藤は最後尾まで順位を落としてしまった。
     2周のセーフティカーランを経て8周目にローリングスタートが切られると、ラップリーダーの下野が抜群の加速で後続を引き離し、大きなギャップを築く。下野の背中を追う白石はTGRコーナーで#39 富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)、ダンロップコーナーで#4 平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)に先行を許して後退。富下が2番手、平川が3番手にポジションをあげた。
     前半にオーバーテイクショーを見せた翁長の勢いは後半も衰えず、9周目のホームストレートで#38 佐藤こころ(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)にバトルを挑む。2台の順位争いは100Rまで続き、サイド・バイ・サイドのバトルは翁長に軍配があがる。さらに、チームメイトの#8 佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)を攻略した翁長は5番手に浮上した。
     隊列先頭では独走状態の下野がトップチェッカーを受け、開幕戦のKYOJO Final以来となる勝利を手にした。9周目にミスを喫した富下の隙をついた平川が2位、富下が3位に続いた。最後尾から驚異の追い上げを見せた翁長は5位でチェッカーを受けたが、スタートでの反則により30秒のタイムペナルティが科され、16位でレースを終えている。

    Driver’sVoice
    優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)

    「まさかとは思いましたが、勝つことができて嬉しいです。雨はスタートから降っていましたが、13コーナーでマシンが滑る感覚があったので、そこは抑えめに走りました。ポイントランキングの点差も離すことができたので、明日は余裕を持ってレースに臨むことができると思います」

    2位:#4 平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)

    「2位になれるとは思いませんでした。天候や運に恵まれていたのはありましたが、バトルで順位を上げることができたのは嬉しかったです。終盤、ダンロップコーナーで黄旗が振られていたので抑えたのですが、下野選手に追いつけた可能性もあったため、心残りではあります。ですが表彰台に乗れて、チームの皆さんに喜んでいただけたので嬉しいです」

    3位:#39 富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)

    「表彰台に乗ることができて嬉しいです。一度2番手まで上がりましたがミスをして3位になってしまったので、ミスがなければと思う気持ちもあります。VITAと比べると追いついたりするのが難しく、赤旗後のセーフティカースタートでなんとか1台抜くことができたので、明日はスタートから順位を上げられるように頑張りたいです」