MORIZO Challenge Cup第4戦
久万高原ラリー
ドライとウェットが混在する舗装路
最上佳樹がシーズン初勝利を決める

2026.06.22(月曜日)- 17:00配信

6月19日(金)〜21日(日)にかけて、2026年シーズン全日本ラリー選手権(JRC)第4戦「久万高原ラリー」が、愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点に開催されました。JN-3クラス内で展開される「MORIZO Challenge Cup(MCC)」において、FIT-EASY Racingから参戦する最上佳樹選手/小藤桂一選手が勝利を飾りました。

久万高原ラリーには10組がエントリー。難しいコンディションのなか全車が完走した。
久万高原ラリーには10組がエントリー。難しいコンディションのなか全車が完走した。

今年で3年目を迎えるMCCは、若手ドライバーの育成とラリー競技の活性化を目的に、2024年からスタート。全日本ラリー選手権JN-3クラスの車両規定をベースに、改造範囲を狭めたGRヤリス/GRヤリスDATで腕を競い合う取り組みとして大きな注目を集めてきました。対象となるのは25歳以下(一部条件付きで28歳以下)の若手ドライバーで、2026年シーズンは全日本ラリー選手権全9戦において開催されます。また、全日本ラリー選手権とは別にMCC独自のポイントが付与され、1位~3位までの上位入賞者、最多SSトップタイム賞、最優秀女性ドライバー賞が表彰されます。

第4戦久万高原は、今シーズン2勝を記録しているポイントリーダーの奥井優介選手、第2戦佐賀を制した米林慶晃選手をはじめ、最上佳樹選手、山口航平選手、松原周勢選手、三枝聖弥選手、平川真子選手、兼松由奈選手、今橋彩佳選手、HARU選手という10名がエントリーしました。

昨年の10月から6月に開催時期を移した久万高原ラリーは、開幕戦から続いたターマック(舗装路)4連戦の最後を飾る大会です。四国カルスト周辺の山々に設定されたスペシャルステージ(SS・タイムアタック区間であり、タイムが計測されるコース)は、標高1400mという高地も含まれます。標高差によるエンジンのパワーダウンに加えて、変わりやすい天候やコンディションにも対応する必要があります。

6月20日、久万高原町の町役場でセレモニアルスタートが実施され、各選手はギャラリーに見送られてSSへと向かっていきます。前夜に降った雨は上がり、コースはドライとウェットが混在する難しいコンディションに。SS1、最上選手が米林選手に7.4秒、奥井選手に13.9秒、三枝選手に21.5秒差をつけるMCCトップタイムをマーク。しかし、最上選手は反則スタート(フライング)により10秒のペナルティが科され、米林選手が最上選手に2.6秒差の首位に立ちました。

最上選手は続くSS2でもトップタイムを刻むと、米林選手をかわして首位の座を奪取。さらに、雨が降り始めた午後に入ってもスピードを緩めることなく、SS3とSS4も連続トップタイムを刻みます。最上選手は初日を終えて、2番手の米林選手との差を32.4秒にまで拡大。今回が久万高原初参戦の奥井選手は1分1秒1差の3番手、SS3で三枝選手をパスした山口選手が、1分25秒2差の4番手。5番手につけていた三枝選手はSS4でパンクを喫して、大きく順位を落としています。

最終日は、初日のSSを逆に走行するルート。雨は上がったものの、路面にウェット部分が残るなか、SS5は最上選手と奥井選手が同タイム1位。最上選手はそれまでに築いたリードを活かしながら、大きくペースを落とすことなく、SS6とSS8でもトップタイムを記録し、今シーズン初勝利を決めました。42.8秒差の2位に米林選手、1分7秒9差の3位に奥井選手。2分9秒5差の4位には最優秀女性ドライバー賞を獲得した平川選手が入りました。

シーズン前半のターマックラリー4戦を終え、MCCドライバーランキングは73ポイントの奥井選手が依然として首位をキープ。5ポイント差の2番手に米林選手、今回優勝した最上選手は9ポイント差の3番手につけています。

第5戦は、7月10日(金)〜12日(日)に北海道虻田郡ニセコ町を拠点として行われる今季初のグラベル(未舗装路)ラリー「2026 ARK ラリー・カムイ」です。森の中を走るコースは轍ができやすい区間もありますが、全般的に安定したコンディション。シーズン折り返しの一戦で展開される熱戦にご注目ください。

■最上佳樹(MCC1位/最多SSトップタイム賞)
前回優勝してから少し時間が経ってしまいましたが、ここで勝つことができてホッとしています。ウェットになった初日は、とても良いペースで走ることができました。最終日はとにかくクラッシュをしないように、ある程度安全マージンを持って走りました。そのなかでもMCCトップタイムを獲得できたことに関しては、確実に成長することができたと実感しています。

■米林慶晃(MCC2位)
久万高原は本当に勝ちたかったので、すごく悔しいです。今回は最上選手が素晴らしかったです。すべてのステージでミスなくスムーズに走り切れれば、最上選手に近いタイムを出せた可能性もありますが、そう簡単にはいきませんでした。変化するコンディションへの対応に課題を感じています。この難しい路面で、単純に最上選手についていけなかったことが、やっぱり悔しいです。

■奥井優介(MCC3位)
初日のウェットコンディションでの課題を強く感じた一戦になりました。頑張って走りましたが、上位陣には届かなかったです。何度か危ない瞬間はありましたが、最終日は路面がドライになっていった箇所もあり、悪くない走りができました。最多SSトップタイム賞を狙ってプッシュしましたが、トップタイムが1本のみに終わったのは少し残念です。

■平川真子(MCC4位/最優秀女性ドライバー賞)
最初から最後まで、天候やコンディションが変化する難しいラリーになりました。最終日の午後は、ドライ路面になると考えていたんですが、1回目の走行によって路面が汚れ、より滑りやすくなっていました。自分が予想していたコンディションとは違いましたが、ドライビングで合わせ込み、SS8でMCCの2番手タイムを出せたことは自分としても評価しています。

■山口航平(MCC5位)
最終日を4番手でスタートし、3位を狙って頑張ったつもりでしたが、なかなかペースを上げることができず、逆に順位を落としてしまいました。高速セクションにおけるペースノートの精度、マシンのセッティングなど、あらためて自身の課題を痛感しました。クルマに合わせたドライビングなども含めて、次戦に向けてしっかり練習したいです。

■松原周勢(MCC6位)
リザルトだけを見ると残念なラリーになりましたが、本当に収穫の多い一戦になりました。これまでは、左足ブレーキを使うことができていませんでしたが、チームに相談して練習を繰り返したことで、今回のラリーで何度か試すことができました。どんなコーナーにも安心して進入できるようになりました。まだ使いこなせていませんが、できることが増えたと実感しています。今後も練習を重ねて、もっと使いこなせるようにしたいと考えています。

■三枝聖弥(MCC7位)
ラリー初日はペダルトラブルやパンクがあり、そこで大きく遅れてしまいました。最終日の午前中も駆動系トラブルに見舞われてしまいましたが、最終セクションではエンストがあっても、トップから大差をつけられることなく走ることができました。本来のポテンシャルを出していけば、しっかりと戦えることが分かったのは収穫です。色々なトラブルに見舞われましたが、ポジティブに終わることができました。

■兼松由奈(MCC8位)
全体をとおして、あまり良いタイムで走ることができませんでした。うまく走れたSSもいくつかありましたが、タイムにつながりませんでした。自分自身が感じている手応えやフィーリングは悪くないのに、それがタイムにつながっていません。なぜタイムが良くなかったのか、みんなと何が違うのか、自分のドライビングをしっかりと分析する必要を感じています。

■今橋彩佳(MCC9位)
とても良いラリーになりました。これまでの3戦と比較すると、リラックスして走ることができました。前戦のラリー飛鳥を完走できたことで、『走り切ることができる』という良いイメージを持てたことが大きいかもしれません。上位陣と比べたらタイム差はありますが、クルマの動きも良かったですし、走っていて素直に楽しかったです。今後に向けて、霧がパッと晴れたような気がしています。

■HARU(MCC10位)
初日がウェット、2日目がドライとなり、佐賀と似たようなコンディションの変化となりました。ウェット路面ではドライビングの改善ができたものの、最終日は最後まで納得のいく走りができませんでした。もっと練習が必要ですし、クルマのセットアップ、そしてクルマに合ったドライビングをもう少し考える必要があると感じました。まだ正直なところ、GRヤリスを速く走らせるイメージができていないので、講師の方にアドバイスを仰いだり、現状を打破できるような何かが必要だと考えています。

最上選手/小藤選手が初日から好走し今季初勝利 シーズン中盤戦以降の戦いにも注目
最上選手/小藤選手が初日から好走し今季初勝利
シーズン中盤戦以降の戦いにも注目
MCC4位の平川選手/冨本選手 SS8ではMCC2番手タイムをマークした
MCC4位の平川選手/冨本選手
SS8ではMCC2番手タイムをマークした

全日本ラリー選手権第4戦 久万高原ラリー

MORIZO Challenge Cup最終結果

  1. 1 最上佳樹/小藤桂一(FIT-EASYZEALGRYARIS)

    1:35:59.0

  2. 2 米林慶晃/菅野総一郎(KTMS NRS GRヤリス)

    +42.8

  3. 3 奥井優介/藤田めぐみ(クスコGRG水戸けやき台DL・WMヤリス)

    +1:07.9

  4. 4 平川真子/冨本諒(TGR-WRJ GR YARIS DAT)

    +2:09.5

  5. 5 山口航平/東駿吾(AQTEC-Wolf DLGRYaris)

    +2:39.4

  6. 6 松原周勢/市橋真由子(RECARO NRS GRヤリス)

    +2:44.0

  7. 7 三枝聖弥/木村裕介(IMSFDLGRヤリス零号機)

    +3:46.2

  8. 8 兼松由奈/山下秀(大東建託 ロッソモデロ GRヤリスDAT)

    +4:47.4

  9. 9 今橋彩佳/槻島もも(クスコ tomica GR YARIS)

    +5:35.5

  10. 10 HARU/宮本大輝(CUSCO WM DL GR Yaris)

    +11:06.2

  11. 参戦10台、出走10台、完走10台