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ニュルブルクリンク24Hレースを生で見たいアナタへ贈る
究極のガイドブック

「ニュルブルクリンクの歩き方」

ニュルブルクリンクの歩き方 Vol5 もっとニュルを楽しむニュルブルクリンクの歩き方 Vol5 もっとニュルを楽しむ

「ニュルブルクリンク24時間耐久レースに行ってみたい!!」、そんなあなたをサポートするコンテンツ「ニュルブルクリンクの歩き方」。第5回目は「もっとニュルを楽しむ!!」だ。ここでは、ニュル24時間以外のニュルの姿や、新車開発の聖地としてのあんな事、こんな事を紹介。ここまで知る事ができたら、あなたもかなりの「ニュル通」と言えるだろう!?

ニュルのコースの普段は…

コース図

ノルドシュライフェ(灰色の線)はグランプリコース(白色の線)と比較すると、その全長から場所によって路面がドライ(乾いている状態)、ウェット(濡れている状態)と異なる場合がある。あるいは霧がかかったり、天候に合わせたセッティングを出すのが難しい。

ニュルブルクリンクは1周5.1kmのグランプリコースと20.8kmのノルドシュライフェ(「北コース」という意)と2つの異なる性格を持つサーキットで構成されているが、どちらも普段は日本のサーキットと同じように普通に営業している(笑)

モータースポーツは、ニュル24時間以外にも、ニュルブルクリンク耐久選手権(VLN:年間10戦実施)やDTM(ドイツツリングカー選手権)、WTCC(世界ツーリングカー選手権)、ブランパン耐久シリーズなどが主要レースから草レースや走行会と言ったローカルイベントまで数多く開催。

ノルドシュライフェ(北コース)は自動車メーカー占有の走行日である「インダストリー」が設けられている。この時は、主要な自動車メーカーが一同に会してニューモデルの開発/評価を行なっている。また、「パブリック」と呼ばれる一般走行日は、誰もがどんなクルマでも走行料金を支払えば走ることも可能。それ以外には、自転車やマラソンと言ったイベントにも活用されている。

これらの情報は、ニュルブルクリンクのホームページ(http://www.nuerburgring.de/)にスケジュールや時間などが細かく掲載されているので、実際に行く時には事前にチェックしておきたい。

ニュルブルクリンク

コースの建設は1925年から始まり、完成は1927年なので2017年で満90年の歴史。

公式WEB

ドイツ語の他、英語の表示も用意されている。同地の天気予報も発信されている。

コース図

ノルドシュライフェ(灰色の線)はグランプリコース(白色の線)と比較すると、その全長から場所によって路面がドライ(乾いている状態)、ウェット(濡れている状態)と異なる場合がある。あるいは霧がかかったり、天候に合わせたセッティングを出すのが難しい。

ニュルブルクリンク

コースの建設は1925年から始まり、完成は1927年なので2017年で満90年の歴史。

公式WEB

ドイツ語の他、英語の表示も用意されている。同地の天気予報も発信されている。

自分のクルマでニュルを走れる

パブリック

週末ともなれば、マイカーで走る数多くのドライバー、バイクに乗ったライダー、さらには観光バスが走っていることも。

駐車場の料金所のようなゲート

1周27ユーロ(日本円で約3,400円)は有名なコースの割にはかなりリーズナブル。

料金を支払うと渡されるリングカード

料金を支払うと渡されるパーキングチケットに似た、名刺大のカード。その名もリングカード。

日本のサーキットを走行するためには、各サーキットのライセンスの取得や走行時に必要な準備などが必要となるが、ニュルではその必要はなく、一般走行枠となる「パブリック」の日に訪れれば、1周の走行料金27ユーロを支払えば、ノルドシュライフェを走行することができる。スケジュールにもよるが、夜は19時半まで営業しているため、「仕事帰りに一杯」ではなく「仕事帰りに1周」という人もいるそうだ。

パブリックのスタート地点はノルドシュライフェ(北コース)最後のストレートの途中に設けられており、駐車場の料金所のようなゲートを潜ってコースイン。ちなみに入口と出口は異なるため、タイム計測をすることはできない。

ノルドシュライフェ(北コース)は一般道と同じ扱いなので、保険も適用する上にヘルメットもレーシングスーツも必要なし、クルマも普段走っている状態のままでOKだ。実際にスポーツカー以外に普通のセダンやハッチバックはもちろん、何とミニバンやバスも走っている。

誰でも気軽に走れる環境に、日本のクルマ好きは「羨ましいなぁ」と感じると思うが、その一方で何が起きても全て「自己責任」であることも忘れてはならない。

空港などで借りられるような一般のレンタカーでは保険などが適応されないのでご注意。

駐車場の料金所のようなゲート

1周27ユーロ(日本円で約3,400円)は有名なコースの割にはかなりリーズナブル。

料金を支払うと渡されるリングカード

料金を支払うと渡されるパーキングチケットに似た、名刺大のカード。その名もリングカード。

ニューモデルのスクープはここ

ノルドシュライフェ(北コース)は世界中の自動車メーカーが開発ステージの一つとして活用。自動車メーカーの占有日「インダストリー」では、ボディカバーや唐草模様のステッカーなどによって偽装された発表前のニューモデルが走行を行なっている。

1周20.8kmのコースは一般道と同じ扱いである。それはコース上を見る事や写真を撮る事は"自由"と言うことを意味していて、「インダストリー」でも何も変わらない。そもそも広大なコースを隠すことは不可能である。そのため、ニューモデルのスクープを行なうパパラッチも数多く集まる。

テスト中の開発車両

スポーツモデルを中心に様々な開発車両で「過酷な道でも安心して走ることができるか」をテストする。

コーナー数170以上、高低差300m

約20kmあるノルドシュライフェ(北コース)は、コーナー数170以上、高低差300mなど世界一過酷なコース。

スクープカメラマンの「聖地」

「スポーツカー開発の聖地」であるとともに、スクープカメラマンの「聖地」でもある。

ちなみにスクープする上でベストな場所(!?)は、ギャラリーコーナーとしても有名な「ウィッパーマン~ブルンヒェン」(コース図中最右上部のカーブ「Wippermann」「Brunnchenn」コース図中最右上部のカーブ「Wippermann」「Brunnchenn」)。駐車場も広いので待ち伏せしやすい上に、車両が見える区間が長いので車両の前後左右の姿を抑えることが可能だ。

更にノルドシュライフェ(北コース)のパドック(サーキット内で車両の整備を行う場所)には給油施設がないため、タイミングが合うと、近くのガソリンスタンドで給油しているシーンや各メーカーのテストラボ(試験場)まで自走で移動する姿も見ることも。

機密が保持されたテストコースではなく、スクープされるのを覚悟でここを走るのは、ニュルブルクリンクと言う"生きた道"で開発・評価することが、「いいクルマ作り」の近道であることを、どの自動車メーカーも知っているからである。

スクープカメラマンの「聖地」

「スポーツカー開発の聖地」であるとともに、スクープカメラマンの「聖地」でもある。

ギャラリーコーナーとしても有名な「ウィッパーマン~ブルンヒェン」

ニュル24時間レース中、ウィッパーマン~ブルンヒェンを駆け抜ける際、参戦車両内にもギャラリーのバーベキューや焚火の匂いが入ってくるらしい。

近くには自動車メーカーの基地が集まっている

どの自動車メーカーもノルドシュライフェ(北コース)での車両開発・評価は1~2日間程度ではなく長期に渡って行なわれている。そのため、主要自動車メーカーの多くはニュルブルクリンク近郊に独自のテストラボ(試験場)を設けている。

日本の自動車メーカーの多くは看板を掲げておらず、ニュルの街並みに同化(!?)している施設が多い。どのメーカーもピットを備えており、整備や調整などの軽作業だけでなくエンジン交換など行なう事が可能のようだ。

その一方で、海外メーカーの中にはショールームと見違うような豪華な施設もある。最近では韓国のヒュンダイがノルドシュライフェ(北コース)のストレート沿いに巨大な施設を建設したが、これはプロモーションも兼ねているのだろう。
もちろん、パパラッチはどこにどのメーカーがあるのかはお見通し…。施設前に張り込みすることもあるそうだ。

ちなみにインダストリーでは自動車メーカーが一同にテストを行なっているため、お互いの機密がマル見えになってしまうのだが、「近づかない」、「凝視」しないと言う暗黙のルールがあるそうだ。ちなみに、開発テスト時は、多くのメーカーは1~2週間くらいの滞在をするため、時々レストランなどで鉢合わせすることあるそうだ。

ヒュンダイの新車開発テストセンター

ガラス張りとメタリック仕上げが特徴のヒュンダイの新車開発テストセンター。

ブリヂストンのテストセンター

80年代、ポルシェやフェラーリへ新車装着されたタイヤの開発を行ったことが始まり。

YOKOHAMAのテストセンター

開発だけでなく、ヨーロッパのニュルのブランドイメージから、マーケティング面でもニュルの重要性は高い。

究極のガイドブック「ニュルブルクリンクの歩き方」も今回で最終回。“生で見たいアナタ”に贈る情報をお送りしてきたが、お役に立てただろうか?ニュルブルクリンクにはまだまだ紹介しきれない魅力がたくさんあるので、ぜひとも現地ではより“アナタらしい”楽しみ方を見つけて欲しい。いよいよ本番も間近となってきた。現地に赴く皆様にはぜひ良い旅と観戦を心から願っている。

ニュルブルクリンクの歩き方 予告

Vol.1「ニュルブルクリンクの歩き方」

Vol.1を読む

  • ニュルにいくには -フライト-
  • ニュルにいくには -レンタカー & 電車-
  • どこに泊まる? -ホテル事情-
Vol.2「現地での移動方法」

Vol.2を読む

  • レンタカーでのニュルへの行き方
  • ドイツの道路で気をつけること
  • 地元のガソリンスタンド情報
Vol.3「ニュル周辺絶対行くべきスポットはここ!」

Vol.3を読む

  • 「ニュルを楽しむ(GPコース、ノルドシュライフェ、パドック、ショップなど)」
  • ニュル城について
  • ニュル周辺のスポット
  • コースを実際に歩いてみると?
Vol.4「ニュル周辺で食べたいグルメ」

Vol.4を読む

  • 地元の名物グルメやおすすめレストラン
  • 成瀬さんも愛したイタリアン料理屋