チーム
TOYOTA GAZOO Racing
車両:LEXUS RC / SP3T
車両主要緒元
エンジン型式 | 8AR-FTS |
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総排気量(L) | 2.0 |
タイヤサイズ | 265/35/R18 |
駆動方式 | 2WD [後輪駆動方式] |
トランスミッション | AT |
ドライバー
井口 卓人
2012年からニュル24時間レース参戦6年目。2016年はLEXUS RC Fでクラス優勝(総合24位)。
2017年シーズンは、スーパーGT300クラス、86/BRZ Raceに参戦中。
ニュルブルクリンク24時間レースでは、トヨタ86でデビューし、LFA Code X, RC Fと参戦し、様々な経験することができ、また、沢山の先輩方にクルマづくりや人との付き合い方など様々なことを教えていただきました。そんなレースに今年も参戦することができて嬉しく思っています。
今年は、昨年リタイヤしてしまったRCで参戦します。RCは、今年初めて乗りますが、昨年RCで参戦した松井選手や蒲生選手から事前に聞いていたので、乗った瞬間から違和感無く走れました。富士でのテストやVLN1では、昨年のタイムを大きく上回ることができ、車両、エンジン、ATの制御などRCの大きな進化を感じました。去年のリタイヤの原因も対策されていますし、万全な状態で24時間レースに挑みたいと思います。
平田チーフメカニックとは、LFA Code X に乗ったときに一緒に仕事をした経験もあり、とてもやりやすい現場です。メカニックのみんなは、ほとんどが僕たちドライバーより若い方が多く、より近い感覚で話しをすることが出来ていると思います。
ニュルブルクリンク24時間レースは、ドライバーだけでなく、メカニックのみんなも過酷なレースになります。心を一つにすることで完走が見えてくると思いますし、困難も乗り越えられると思います。過酷な24時間レースを完走する事で、車も人も鍛えられると思います。そして昨年は悔し泣きで終わったメカニックのみんなが、今年は嬉し泣きで終わる手助けをする事が、僕達ドライバーにできる事だと思います。
目標は、完走。そして、クラス優勝を目指して頑張ります。
松井 孝允
2015年からニュル24時間レースにLEXUS RCで参戦、今年で3度目の挑戦となる。
2016年シリーズチャンピオンを獲得したスーパーGT300クラスには2017年も参戦中。
TOYOTA GAZOO Racing のニュル24時間レース参戦が11年目で、今年は1台体制となり結果へのプレッシャーもあります。しかし国内テストも含め順調に進んでいるので不安はありません。そして、世界強豪メーカーが凌ぎを削るSP3Tクラスで戦える楽しみもあります。ドライバー同士どんな些細なことでも意見を出し合ってもっと「もっといいクルマづくり」を目指して社員メカニックと一緒に戦っていきます。
今年のRCは、国内テストで色々なメニューをこなし、昨年からの進化を充分に体感したことで、クラストップを狙える位置まで来ていることを確認できました。実際に、ニュルブルクリンクのコースを走ると更に昨年からの進化を感じました。速さもさることながら乗りやすいという部分でもいいクルマに仕上がってきているので24時間本番が楽しみでしょうがないです。
今年は、昨年完走できなかったメカニックのメンバーもいてその悔しさからくる緊張感もあってドライバー・メカニック・各エンジニアの皆さんがどんな些細なことにでも対応し改善していこうと、コミュニケーションが生まれ、いいムードになっていっています。社員メカニックの方は年齢も近いこともありご飯を一緒に食べる機会を設け、車をいじる話でもりあがり、改めて車好きという部分で共感でき親近感も沸きいい環境だなと感じました。みんなの思いを乗せて走るという期待もあるので何が何でも完走しみんなで笑顔で終わりたいです。
蒲生 尚弥
2013年からニュル24時間レースに参戦し、LEXUS RCでの参戦も3年目となる。
2017年はスーパーGT300クラス、スーパー耐久、86/BRZ Raceなど、様々なカテゴリーのレースに参戦中。
去年果たせなかった完走というのは必ずクリアし、なおかつ今年は毎年繰り広げられている激しい優勝争いに加わって結果を出したいです。レース後に後悔が残らないように全力で戦ってチームのみんなと笑顔になれるようなレースにしたいです。
車の仕上がりは、3年目ということもあり、今まで発揮できていなかったエンジンパワーが大幅に改善され、またRCの武器であったブレーキ、コーナリング性能も大幅に向上しています。過去2年間の車両は色々なデータ取りを行う為に市販車と同じようなレイアウトを採用していましたが、今年の車両は昨年までのデータを踏まえ、よりパフォーマンス向上に繋がる改良が施されているので今までの車両とは見た目も中身も大きく違った仕上がりになっています。
去年味わったリタイヤという悔しさがあるので、今年は絶対に良い車を造って良いレースにする!という思いをチーム全員が持っているのを凄く感じるので、社員のメカニックさんや各部門のエンジニアさんとドライバーがまとまっていると思います。なので車両開発もとてもスムーズに行えているのでとてもやりがいのある雰囲気です。
矢吹 久
トヨタ自動車社員で評価ドライバーとして様々な車両開発に携わる。
2013年に TOYOTA 86 で参戦。SP3クラスで2位の成績を残す。
普段の業務は車両評価ドライバーとして、開発中の市販車を「安心・安全に」走らせることができるかという観点で評価しています。今回、プロのレーシングドライバーの皆さんと一緒に走りますが、彼らの使命はいかに早く走らせることができるかであり、早く走らせることを主眼に置いたクルマづくりを彼らは行っています。特にニュルブルクリンクは、普通のサーキットとは違い、より一般道の感覚に近いコースであり、レースでのクルマづくりのノウハウが市販車に生かしやすい環境でもあります。私がドライバーとして参加する意義は、早く走るためのクルマづくりの手法を吸収し、市販車の開発の際に「安心・安全」を担保しながら、ここで吸収したことをフィードバックし、快適で楽しい「いいクルマづくり」につなげることだと考えています。
昨年までのRCの課題を解決しながら、乗りやすいクルマを目指しています。そのためのインフォメーションをメンバーで共有しながら、メカニック、エンジニアが持つ技能を生かしてクルマづくりを行っています。
メカニック(トヨタ自動車社員)
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平田 泰男(チーフメカニック):中央、メカニックメンバー
平田 泰男 -チーフメカニック
メカニックの中には、昨年悔しい思いをしたメンバーもいます。「人とクルマを鍛える」ために、今年は必ずRCを完走させます。そのためには、常に「改善」を意識しながら作業を行うこと。そうすれば自ずと気づきができ、レースでの作業性向上や、精度向上につながり、いいクルマづくりの基礎になっていきます。そして、メカニックが元の職場に戻った後、この経験で得たことは、お客様の手に渡るクルマの性能や品質向上にもつながることになります。最後まで改善の手を緩めることなく、ドライバーが安心して、快適に24時間を戦えるクルマづくりを行い、メンバーが「心ひとつに」挑みます。
エンジニア(トヨタ自動車社員)
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茶谷 圭祐(車両エンジニア):中央、エンジニアメンバー
茶谷 圭祐 -車両エンジニア
エンジニアはそれぞれ専門分野を持っていますが、専門外の分野にも挑戦し、クルマとチーム全体を視て、「もっといいクルマ」を提案する集団を目指しています。ドライバー、メカニックからは技術面以外でも刺激を受けており、ニュルブルクリンク24時間レースという極限の状況を乗り越える車輌とチームを切磋琢磨し合い全員でつくります。そして、メンバーが自業務に戻っても担当車輌全体のことを考えて開発を続けること、今回得た技術・経験をもとに各職場にいい刺激をあたえることで、トヨタとして「もっといいクルマ」づくりを加速させてくれると信じています。