安川電機とGAZOO Racing、溶接技術をモータースポーツの現場で鍛え進化

― SFA工法の知見をもとに、AIを活用した自律化ロボット生産技術をGR KART製造現場へ導入 ―

2026.10.28(水)- 13:30配信

株式会社安川電機(本社:福岡県北九州市、以下「安川電機」)とGAZOO Racing(以下、GR)は、モータースポーツ現場で鍛えてきたアーク溶接技術「SFA工法(Sequence Freezing Arc Welding)」の知見をもとに、AIを活用した自律化ロボット生産技術を共同開発し、2026年9月に「蒲郡GR KART工房」で導入を開始※1しました。

AIを活用した自律化ロボットによる溶接工程
AIを活用した自律化ロボットによる溶接工程

GRがモータースポーツに取り組む目的は、極限の現場で人とクルマを鍛え、その知見を市販車へフィードバックすることにあります。GRは、こうした「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を進めています。
今回の取り組みは、2023年にモリゾウこと会長の豊田章男が、フィンランドのTGR-WRT訪問でロールケージ製作に2~3週間を要していた現場課題を確認したことを機に始まりました。GRと安川電機が共同開発を進め、新しいアーク溶接技術「SFA工法」を2024年に開発しました。 SFA工法は、製作期間の大幅な短縮に加え、溶接品質・強度の向上、軽量化にも寄与しています。ロールケージ製作は3日まで短縮され、同工法はスーパー耐久シリーズ参戦車両にも導入されています。

今回、安川電機とGRはその知見をさらに発展させ、AIを活用した自律化ロボット生産技術の開発に取り組んできました。安川電機のAIロボット「MOTOMAN NEXT」※2が、フレームパイプの隙間や温度などの条件を自ら認識・判断しながら溶接を行い、溶接後の品質確認や補正までを自律的に実施します。本技術は、今回、GR KARTのフレーム製造において実用化し、GR KARTの原価低減に寄与しています。

トヨタにおける「自働化」は、単なる自動化ではなく、異常を検知し、不良を流さず、品質を工程でつくり込む考え方です。今回の取り組みは、その思想を受け継ぎながら、ロボットが認知・判断・修正まで担う「自律化」へと進化させる挑戦でもあり、現場での実践を重ねながら、さらに磨き続けていきます。
GRは「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を、クルマそのものだけでなく「つくる技術」にも広げ、モータースポーツの現場で鍛えた知見を活かしていきます。引き続き、現場で生まれる課題に向き合いながら、人と機械がそれぞれの強みを活かせるモノづくりの実現に挑戦していきます。

※1 入門用レーシングカート「GR KART」を発売: https://toyotagazooracing.com/jp/pressrelease/2026/0910-01/

※2 MOTOMAN NEXT:安川電機が2023年に販売を開始した、自律性を備えた次世代の産業用ロボット。