Round3
ラリーチャレンジ 2017年 第3戦 木曽
レポート
ラリーチャレンジ 2017年 第3戦 木曽 レポート

絶好のラリー日和のなか開催された木曽ラウンド
72台のラリーカーが木曽路を駆ける!!

 4月23日。雄大な御嶽山を眼前に拝む長野県木曽町を舞台として、TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ カップ in 木曽が開催された。JMRC関東ラリーシリーズ/長野県ラリーシリーズ 第1戦「FRC Rally Mountain Cross 2017」の中で開催された本戦は、今年初の東シリーズ開催とあって72台ものエントリーを集めた。
 サービスパークおよびスタート会場となった御岳ロープウェイ駐車場には早朝から家族連れやラリーファンが訪れ、ラリーカーの迫力を間近で感じて歓声があがるシーンも。また、会場には五平餅や朴葉(ほおば)寿司など名産品を販売するテントが多数出店、全国から集まった選手達や観客を楽しませた。

サービス会場となった御岳ロープウェイ駐車場は色とりどりのラリーカーと観客で大いに盛り上がった。

 木曽ラウンドは、未舗装コース1本と林道コース2本を2回ずつ走り計6本のタイムで競われる。グラベル(未舗装コース)の観戦コース、Ojimaステージでは砂煙をあげて全開で駆け抜ける迫力の走りを観客も堪能。カーブが続くKuragoeステージ、スピードが乗るKanoseステージなど、選手にとってもチャレンジし甲斐のあるコースとなった。
 10台での戦いとなったC-3クラス(Challenge/TOYOTA 86)は、中野 勝文/逸見 茉央組が序盤から好タイムを連発。熊谷 俊則/賀来 馨組と激しいデッドヒートを展開しながら、最終的に7秒のマージンを守りきりみごと優勝を果たした。

サービス会場となった御岳ロープウェイ駐車場は色とりどりのラリーカーと観客で大いに盛り上がった。

 今回最多となる18台がエントリーしたC-2クラス(Challenge/Vitz 1500cc)はコース毎にトップが入れ替わる混戦模様。舗装路の林道で速さを見せる安江 広和/伊藤 克己組がリードを築くも、Ojimaステージで森岡 史雄/田所 英一郎組が追いつく展開。また、深津 勇人/栗山 尚広組も安定して上位タイムを刻み、勝負の行方は最終コースまでもつれ込む。その結果、安江 広和/伊藤 克己組が3秒差の僅差で勝利した。
 トヨタ車限定(1501cc以上)のE-4クラスでは、「マシンがコースに合っていた」と語る中村 英一/山口 達雄組が全スペシャルステージ(SS・タイムアタック区間)クラストップタイムをカルディナで記録し貫禄の勝利を飾った。また、トヨタ車限定(1500cc以下)のE-3クラスには昨年中村選手とデッドヒートを演じた細谷 裕一選手が蔭山 恵選手とともに参戦。全コースでクラストップタイムを記録し、Ojimaステージにおいてはなんと2本とも全体ベストとなるタイムを叩き出した。しかし最終SSで惜しくもリタイヤを喫することとなり、吉川 博史/新井 智史組に勝ちを譲る形となった。

  • 得意の舗装路林道を好走。3秒差で史上最多18台がしのぎを削ったC-2クラスを制した安江/伊藤組。
    得意の舗装路林道を好走。3秒差で史上最多18台がしのぎを削ったC-2クラスを制した安江/伊藤組。
  • 4WDターボの迫力の走りを見せつけた中村/山口組。唐津に続きE-4クラス2連勝となった。
    4WDターボの迫力の走りを見せつけた中村/山口組。唐津に続きE-4クラス2連勝となった。
  • 俳優の哀川翔さんは、昨年の木曽ラウンドと同じく、全日本ラリードライバーの奴田原選手と参戦。多くのファンの声に気さくに応えていた。
    俳優の哀川翔さんは、昨年の木曽ラウンドと同じく、全日本ラリードライバーの奴田原選手と参戦。次回は、9/10 福島への参戦予定。
  • C-1クラス優勝の勝間田/織田組。注目の女性チーム。
    女性ドライバープロジェクト「Love drive」よりC-1クラスに初参戦した洪 銘蔚/古本 舞桜組。

 E-1クラス(Expert/ヴィッツ1500cc)では、ベテラン野村 長/山田 実歩組が二位に30秒近くの差をつけて圧倒的勝利を飾った。
 そして、俳優の哀川翔さんが出場し注目を集めたC-1クラス(AQUA)。エントリー10台の約半数が女性という華やかなクラスである。富士山すそのラウンドで優勝したクロエリ/槻島 もも組も善戦したが、初体験の未舗装コースで苦戦。こちらも女性チームとなる勝間田 恋七/織田 千穂組がKuragoeステージでリードを稼ぎ勝利を掴んだ。

PICK UP激戦のE-2クラスで地元の石田/小林組が嬉しい勝利!

地元で嬉しい勝利を飾った石田/小林組。
地元で嬉しい勝利を飾った石田/小林組。

 E-2クラス(Expert/TOYOTA 86)には10台がエントリー。全体トップタイムも叩き出しながら快調なペースでリードを広げる小倉 康宏/高田 高志組を、地元の石田 政晃/小林 長門組が追う展開となる。しかし、勝負の行方が分からないまま臨んだ最終ステージのゴール手前で、小倉 康宏/高田 高志組が痛恨のリタイヤ。クラストップタイムで走りきった石田 政晃/小林 長門組が優勝を飾った。

地元で嬉しい勝利を飾った石田/小林組。
地元で嬉しい勝利を飾った石田/小林組。

Entrant interview定年をきっかけに再び愛機でラリーに再挑戦!

チーム名:都築自動車タクミスターレット
ドライバー:吉川 博史
コ・ドライバー:新井 智史

 平成2年式のEP82スターレットを駆りラリーチャレンジに参戦する吉川 博史(62)/新井 智史(55)組。実はお二人は兄弟チーム。今回見事E-3クラス優勝を飾ったお二人に、これまでのラリーとの関わりを聞いた。

長年の兄弟のコンビネーションで見事勝利を掴んだ吉川/新井組。
長年の兄弟のコンビネーションで見事勝利を掴んだ吉川/新井組。
迫力のチャレンジを見せるスターレット。30年近く前のクルマとは思えない走りで観客はもちろん、選手たちをも魅了。
迫力のチャレンジを見せるスターレット。30年近く前のクルマとは思えない走りで観客はもちろん、選手たちをも魅了。

Q:お二人のモータースポーツ歴を教えてください。
A(吉川さん):実はラリー歴は長く、18歳の頃からやってるんです。かつてはコ・ドライバーとして全日本にも参戦していました。
(新井さん):兄(吉川さん)がドライバーとしてラリーに出るようになった時から、コ・ドライバーとしてラリーに参戦しています。
Q:ラリーチャレンジに参戦するきっかけは?
A(吉川さん):仕事が定年になったのをきっかけに、もう一度走ってみようと思ったんです。でも、この車(スターレット)で出られる競技会がラリーチャレンジだけでした。年齢のこともあり視力的にナイトラリー(夜間走行があるラリー)には不安があるので、ラリーチャレンジのような日中の1DAYラリーは助かりますね。
Q:EP82スターレットをラリー車として選んだ理由は?
A(吉川さん):実は、かつて全日本ラリー選手権の二輪駆動部門(2006年にクラス廃止)に参戦するために私たちが作っていた競技車両なんです。でも参戦するクラスが無くなってしまったため、ずっと保管することになってしまいました。今回こうやってラリーで走らせることができてとても嬉しいです。
Q:年式の古いクルマはメンテナンスも大変なのでは?
A(吉川さん):従兄弟が自動車整備工場をやっており、メンテナンスはそちらでお願いしてます。また、古いクルマは造りがシンプルで自分でも整備しやすいので、工場のリフトを借りて自分で整備したりしてます。
Q:ラリーチャレンジ参戦で大変だったこと
A(吉川さん):以前は全国遠くまで遠征しなければならなかったため帰りが遅くなったりで大変でしたが、東シリーズ/西シリーズに分かれたことで参戦しやすくなりましたね。今後も、このクルマが元気なうちは参戦したいです。
Q:ラリーチャレンジへの要望
A(吉川さん):一年のシリーズ後半にかけて、スペシャルステージを長くしたり、下りを多くいれたりと難易度を上げていくのも面白いと思います。そうすると上のカテゴリーにステップアップする選手も増えるんじゃないでしょうか。

クラス:E-3
車種:トヨタ スターレット
型式:EP82

長年の兄弟のコンビネーションで見事勝利を掴んだ吉川/新井組。
長年の兄弟のコンビネーションで見事勝利を掴んだ吉川/新井組。
迫力のチャレンジを見せるスターレット。30年近く前のクルマとは思えない走りで観客はもちろん、選手たちをも魅了。
迫力のチャレンジを見せるスターレット。30年近く前のクルマとは思えない走りで観客はもちろん、選手たちをも魅了。

Rally DataTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ in 木曽

  • 主催

    フレンドリー・ラリー・クラブ
    長野県木曽郡木曽町三岳 御岳ロープウェイ 鹿の瀬駅駐車場(HQ)

  • 開催日

    2017年4月23日(日)

  • セレモニアルスタート会場

    木曽町 御岳ロープウェイ

  • サービスパーク

    木曽町 御岳ロープウェイ

  • ゴール会場

    木曽町 御岳ロープウェイ

  • セクション数/SS本数

    2/6本

  • SSトータル距離/総走行距離

    22km/100km

  • 参加台数

    72台
    C-1 10台/C-2 18台/C-3 10台
    E-1 10台/E-2 10台/E-3 7台/E-4 7台

  • 出走台数/完走台数

    71台/65台

クラス別順位

E-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 石田 政晃/小林 長門/トヨタ 86
2 長﨑 雅志/秋田 典昭/トヨタ 86
3 豊田 大輔/熊倉 健太/トヨタ 86

E-4

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 中村 英一/山口 達雄/トヨタ カルディナ
2 三枝 光博/美馬 純一/トヨタ 86
3 安井 忠史/小林 高広/トヨタ トレノ

E-3

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 吉川 博史/ 新井 智史/トヨタ スターレット
2 吉田 信宏/前川 富哉/トヨタ ヴィッツ
3 松井 克樹/大弥 保憲/トヨタ ヴィッツ

E-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 野村 長/山田 実歩/トヨタ ヴィッツ
2 白洲 剛/河合 勇喜/トヨタ ヴィッツ
3 松木 秀樹/桜井 克之/トヨタ ヴィッツ

C-3

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 中野 勝文/逸見 茉央/トヨタ 86
2 熊谷 俊則/賀来 馨/トヨタ 86
3 本石 渉/牧 昂輔/トヨタ 86

C-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 安江 広和/伊藤 克己/トヨタ ヴィッツ
2 森岡 史雄/田所 英一郎/トヨタ ヴィッツ
3 深津 勇人/栗山 尚広/トヨタ ヴィッツ

C-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 勝間田 恋七/織田 千穂/トヨタ アクア
2 長山 等/水谷 大介/トヨタ アクア
3 クロエリ/槻島 もも/トヨタ アクア