- 特別戦
- ラリーチャレンジ 2017年 特別戦 新城
レポート
2017年シリーズへのご参加、応援ありがとうございました。
本年参加261チームの頂点を決める特別戦とシリーズ表彰式を開催!!
11月5日、愛知県新城市を舞台としてTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ特別戦 in 新城が開催された。全日本ラリー選手権の本年最終戦 第9戦「新城ラリー2017」の中で開催された本戦は、東西エリアに分けて開催された2017年ラリーチャレンジシリーズ年間ランキング上位選手が優先的に参戦権利を得ることが出来る特別戦である。いずれの選手も優勝を狙える実力があるだけに、2017年シリーズを締めくくるに相応しいハイレベルな攻防が展開された。
前日の4日には新城観光ホテルにて2017年の東西各シリーズの表彰式が行われ、アットホームな雰囲気の中、参加者同士健闘をたたえ合った。
特別戦 新城の舞台は立岩、鬼久保ふれあい公園、新城総合公園の3つ。2回の走行が設定された林道コースの立岩SS(スペシャルステージ・タイムアタック区間)はラリーチャレンジで初めて使用される林道である。狭い道幅で、前半はストレートや緩いコーナー区間が多いハイスピードセクション。後半は立て続けにコーナーが迫る上に、路面の苔が車両の足元を滑らせコントロールの難しいコースとなった。
鬼久保ふれあい公園と新城総合公園の2ヶ所が観客コースで、6.5kmほどの鬼久保SSは、観戦エリアとなる公園セクションを抜け、車幅の広い道路に合流し高速コースを駆け抜けていく設定。道幅の広さを活かしたライン取りや、センターライン上の道路鋲の処理も重要である。そしてメイン会場の新城総合公園。観客が埋め尽くす中、各車、疾走するごとに大きな歓声に沸き、参戦車両の好走をさらに後押しする一体感に包まれた。
E-2クラス(Expert/TOYOTA 86)は東シリーズのチャンピオン伊豆野 康平/東山 徹大組と西シリーズのチャンピオン長﨑 雅志/秋田 典昭組、西シリーズ2位の石田 政晃/小林 長門組の手に汗握る攻防となった。三者ほぼ同タイムで並んだSS1だったが、SS2で長﨑/秋田組が大きく出遅れ。チームが同じ伊豆野/東山組と石田/小林組の争いとなり、石田/小林組が0.2秒リードしたままSS4に突入したが、今度は石田/小林組がタイムロス。そこへ午後セクションから調子を取り戻し全体ベストタイムを連発してきた長﨑/秋田組が猛烈なペースで追い上げたが0.2秒届かず、伊豆野/東山組が辛くも逃げ切った。
E-1クラス(Expert/ヴィッツ1500cc)は精鋭のヴィッツエキスパート達の戦いとなったが、今年の出場ラリー4戦中3戦で優勝を飾っている野村 長/山田 実歩組が一歩先に出る形で進行。SS4で高桑 真人/高桑 真組が一矢報いるが、8秒の差は埋められず、野村/山田組の勝利となった。
トヨタ車限定(1500cc以下)のExpert E-3クラスは4台のヴィッツとEP82スターレットでのバトルとなった。昨年の新城戦でパンクしてしまい悔しい思いをした細谷選手が雪辱を晴らすべく強い走りを披露、結果、全SSでクラストップタイムを記録し、15秒ものマージンを開いての完全優勝を果たした。
トヨタ車限定(1501cc以上)のExpert E-4クラスは、ダイナミックな走りを魅せたカルディナの中村 英一/山口 達雄組と、シャープに86を走らせるAki HATANO/渡辺 千尋組の東西ランキングトップ同士の争いとなった。抜きつ抜かれつの僅差でSSを重ねたが、勝負が動いたのはSS4鬼久保だった。ターボパワーで道幅が広いハイスピード区間を得意とする中村/山口組のカルディナが一気に6秒の差を広げ、そのまま勝利を掴んだ。
C-1クラス(Challenge/AQUA)は8台のアクアによって競われた。ライバル達からも特別視される東シリーズチャンピオンの高篠 孝介/廣嶋 真組が好走を続け、新城公園SSで岩城 のぼる/髙橋 功組が気を吐くも、残るSSはすべて高篠/廣嶋組がトップタイムを記録。結果、高篠/廣嶋組が17秒もの差を広げての優勝となった。
最多となる13台のヴィッツがエントリーしたC-2クラス(Challenge/ヴィッツ
1500cc)は、年間を通して熱いバトルが繰り広げられた東シリーズの安江 広和/
伊藤 克己組と森岡 史雄/田所 英一郎組の対決に、西シリーズのチャンピオン牧
野 達哉/別所 雄治組が参戦する三つ巴の展開。SS3まで牧野/別所組が一歩リードしたまま迎えたSS4で森岡/田所組が気迫のこもった走りを見せ、エキスパート上位クラストップタイムに迫るスーパーアタックを披露。森岡/田所組が劇的な逆転劇を演じ、クラストップ獲得した。
C-3クラス(Challenge/TOYOTA 86)は中野 勝文/逸見 茉央組のSS1での全体トップタイムから幕を開け、その後も中野/逸見組の快進撃は続き、総合タイムトップで新城戦を飾った。
昨年も5万人超の観客が訪れ大盛り上がりとなった新城ラリーでは、TOYOTA GAZOO Racing PARKも開催。会場となる新城総合公園中央の広場では多くの企業ブースが出展。大人も子供も楽しめる数多くのTGRPオリジナルコンテンツの他に、現在WRCで活躍するヤリスWRCのレプリカをはじめ、かつてWRCで大活躍したCorolla WRCなど歴代のモータースポーツ車両も一同に展示された。その他にも、全日本ラリー選手権とラリーチャレンジのSS観戦やモンスターパワーのマシンによる大迫力のデモランなども実施された。
また、サテライト会場となる鬼久保ふれあい公園においてもSS観戦やグルメコーナーなど、数多くのイベントが開催された。
PICK UP愛知から全国各地に転戦。地元で最終戦を飾る!
地元愛知県からのエントリーが目立った本戦。地元チームでもあるNTP名古屋トヨペットチームがリザルトを賑わせた。E-4クラスの中村 英一/山口 達雄組、E-2クラスの長﨑 雅志/秋田 典昭組、そしてC-3クラスの與座 健/大矢 啓太組は、それぞれ西シリーズでクラスチャンピオンを決めての新城出場となった。E-4クラス、E-2クラスでは前述の通り熱戦を繰り広げた。またC-3クラスでは、総合トップタイムを記録した中野/逸見組の走りに目を奪われるが、與座/大矢組もしっかりクラス2位につけるパフォーマンスを見せていた。
2014年よりラリーチャレンジに参戦を始めた同チームは「FUN TO DRIVE」、走る楽しさを発信するために精力的に参戦を続けている。
また、E-2クラスに参戦した佐々木 康行選手も愛知県から精力的に参戦。ご自身は東シリーズにドライバーで参戦し、奥様の村木 佐千子選手が西シリーズにドライバーとして参戦している。来年は一つのシリーズに絞って参戦したいとのこと。さらなる活躍に期待したい。
Entrant interviewコ・ドライバーの実力を証明したい!
仲間を思う強い気持ちが走りの原動力となる!
チーム名:アイシン86ATS
ドライバー:中野 勝文
コ・ドライバー:逸見 茉央
同じ会社の自動車部で繋がりコンビを組んだ中野勝文さんと逸見茉央さん。中野さんは東シリーズドライバーランキング1位で新城に参戦することとなったが、今回の参戦にあたって決めていた目標があるという。その目標とは。
Q:今回、ラリチャレに参加するにあたってのテーマや目標はありましたか?
A(中野さん):実はシリーズにエントリーする際に手違いがあって、私は東シリーズに登録したんですが、逸見さんが西シリーズに登録されてしまったんです。ちゃんと登録できてれば二人揃ってシリーズチャンピオン獲得できたんですが…
それがなんとも彼女に申し訳ない、それなら新城でチャンピオンをプレゼントしよう!と考えて挑みました。
Q:それが総合トップタイム…頑張り過ぎちゃいましたね(笑)
A(中野さん):いや、最初から狙ってました。チャレンジクラスで勝つのも大変ですが、それだけじゃ「中野さん速かったね」で終わってしまう。でもエキスパートクラスを食えれば、コ・ドライバーの能力も証明できるだろう、と。それくらい優秀なコ・ドライバーです。
Q:逸見さんはコ・ドライバーの経験はあったんですか?
A(逸見さん):いえ、今年参戦したのが初めてのコ・ドライバーです。それどころか、B級ライセンスを取得したのも今年の3月です(笑)
Q:モータースポーツの経験は?
A(逸見さん):それもラリチャレが初めてです。車が好きで普段もスポーツカーに乗ってることもあって、社内の自動車クラブに参加したんです
A(中野さん):僕は19歳頃、免許とったらすぐにモータースポーツ始めてました。それでよくサーキットを走るようになって、プライベートでインストラクターのようなこともさせていただいてます。
Q:見事優勝で最終戦を飾りました。今後の予定は?エキスパートクラスですか?
A(中野さん):いや、僕はラリチャレのドライバーは一旦終了かな、と。それよりも、後続の若手を育てる立場としてやってみたいですね
A(逸見さん):今後も機会があればチャレンジさせてもらいたいですが、新人の女の子が入ってきたのでその子にドライバーをやってもらって、女性チームで参戦してみたいです。ラリチャレは女性も参戦しやすい雰囲気があると思うので、もっともっと女性に参加してほしいです。
Q:モータースポーツを始めようと思う人達に一言
A(中野さん):目標を高い所に決めないで、気楽に初めてみてください。今回10位だったら次は9位…というように、焦らず続けてほしいです。マイペースで、続けることが大事です。ぜひ一緒にモータースポーツを楽しみましょう!
クラス:C-3
車種:トヨタ 86
型式:ZN6
Rally DataTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ 特別戦 新城
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主催
モンテカルロ・オート・スポーツ・クラブ(MASC)
〒441-1312 愛知県新城市 浅谷字ヒヨイタ40(HQ) -
開催日
2017年11月5日(日)
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セレモニアルスタート会場
新城総合公園
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サービスパーク
新城総合公園
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ゴール会場
新城総合公園
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セクション数/SS本数
2/4本
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SSトータル距離/総走行距離
14km/120km
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参加台数
50台
C-1 8台/C-2 13台/C-3 7台
E-1 5台/E-2 7台/E-3 5台/E-4 5台 -
出走台数/完走台数
50台/48台
クラス別順位
E-2
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 伊豆野 康平/東山 徹大/トヨタ 86 |
2 | 長﨑 雅志/秋田 典昭/トヨタ 86 |
3 | 石田 政晃/小林 長門/トヨタ 86 |
E-4
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 中村 英一/山口 達雄/トヨタ カルディナ |
2 | Aki HATANO/渡辺 千尋/トヨタ 86 |
3 | 山口 忍/坂田 智子/トヨタ 86 |
E-3
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 細谷 裕一/ 長田 尚士/トヨタ ヴィッツ |
2 | 吉田 知史 /高田 幸治/トヨタ ヴィッツ |
3 | 清水 和夫/ 佐藤 久美/トヨタ ヴィッツ |
E-1
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 野村 長 /山田 実歩/トヨタ ヴィッツ |
2 | 高桑 真人/ 高桑 真/トヨタ ヴィッツ |
3 | 赤木 攻/ 赤木 弥生/トヨタ ヴィッツ |
C-3
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 中野 勝文/ 逸見 茉央/トヨタ 86 |
2 | 與座 健/ 大矢 啓太/トヨタ 86 |
3 | 大森 陽介/ 宮地 一喜/トヨタ 86 |
C-2
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 森岡 史雄/ 田所 英一郎/トヨタ ヴィッツ |
2 | 牧野 達哉/ 別所 雄治/トヨタ ヴィッツ |
3 | 安江 広和/ 伊藤 克己/トヨタ ヴィッツ |
C-1
順位 | ドライバー / コ・ドライバー / 車名 |
---|---|
1 | 高篠 孝介/ 廣嶋 真/トヨタ アクア |
2 | 森 正行/ 漆戸 あゆみ/トヨタ アクア |
3 | 稲垣 和也/ 兼原 洋治/トヨタ アクア |
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