SUPER GT第3戦がマレーシアのセパン・サーキットで行われ、4番手スタートの笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM'S GR Supra 37号車が今季初勝利。6年ぶりの海外戦を制しました。
GT300クラスでは吉田広樹/野中誠太組 Green Brave GR Supra GT 52号車が2位表彰台を獲得しました。

2025年シーズンSUPER GTの第3戦「SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025」が6月27日(金)、28日(土)の両日、マレーシアのセパン・サーキットで開催されました。
SUPER GTシリーズ戦の海外ラウンドが2019年のタイラウンド以来、久々に復活。マレーシアでは2013年以来、12年ぶりの開催となりました。
今季のSUPER GTでは、開幕戦岡山で坪井翔/山下健太組 au TOM'S GR Supra 1号車が優勝、第2戦富士でも石浦宏明/大湯都史樹組 KeePer CERUMO GR Supra 38号車がポール・トゥ・ウィンで優勝し、2戦連続でGR Supraが優勝を果たしています。
また、今大会はENEOS X PRIME GR Supra 14号車の大嶋和也と、石浦がSUPER GT出場150戦目という記念すべきレースとなり、レース前には記念品の贈呈が行われました。
12年ぶりの開催ながら、SUPER GTの人気はマレーシアでも高く、多くの地元ファンが来場、大迫力のレースに酔いしれました。
予選
27日(金)、空はやや雲がかかり、気温33度、路面温度40度のドライコンディションのもと、現地時間午後4時半よりノックアウト方式の予選が行われました。
GT500クラスは全車がQ1に出走し、上位10台がQ2へと進出します。Q1では国本雄資のWedsSport ADVAN GR Supra 19号車が唯一1分50秒台に入れてトップタイムをマーク。大湯の38号車が4番手、笹原の37号車が5番手、関口雄飛のDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が8番手。ランキング首位で70kgのサクセスウェイトを搭載する1号車は、それでも坪井が10番手タイムをマークし、Q2進出を決めました。
Q2では19号車の阪口晴南が唯一1分49秒台に入れ、大幅にコースレコードを更新するタイムでポールポジションを獲得しました。
GT300クラスは、今大会にはシリーズ参戦車両の中から17台と、地元マレーシアのチームからワイルドカードで2台が参戦。予選はQ1を2グループに分けて行い、A組では野中の52号車が3番手でQ2進出。B組ではオリバー・ラスムッセンのapr LC500h GT 31号車が3番手、平良響のHYPER WATER INGING GR86 GT 2号車が4番手でQ2進出を決めました。
Q2では吉田の52号車が最前列2番手グリッドを獲得しました。
決勝
28日(土)、曇り、気温33度、路面温度42℃のコンディションのもと、現地時間午後4時半過ぎ、55周で争われる決勝レースがスタートしました。
ポールポジションの19号車国本はトップをキープ。2列目4番手の37号車笹原もポジションを守る一方、スタート直後の混戦の中で、8番手スタートの坪井の1号車に、10番手スタートの39号車関口が接触。1号車はスピンを喫し、39号車は13位、1号車は14位へと順位を落としてしまいました。
7周目、4位の37号車笹原は前車をパスし3位へとポジションアップ。首位で逃げる国本の19号車は、9周目に周回遅れのGT300車両に行く手を阻まれた隙を突かれて2位に後退。
19周目からドライバー交代のピットインが開始されると、2位の19号車は20周目にピットイン。翌周以降も続々と各車がピットへ向かう中、37号車と1号車はピットを遅らせる作戦に。
1号車は31周を終えたところでピットインして8位でコースに復帰。37号車は32周目にピットインすると、迅速にピット作業を行い、首位でコースに復帰しました。
コース復帰直後、37号車のアレジはタイヤが暖まるまで後続から猛追を受けながらも首位を堅守。タイヤが暖まってからは、ハイペースで後続を引き離していき、最後は2位に19秒もの大差をつけてトップチェッカー。37号車は今季初勝利を飾りました。GRスープラは開幕から3連勝、昨年から7連勝となりました。
19号車が5位。1号車は1周目に14位まで落ちながら見事な追い上げで7位。38号車が8位。14号車が9位でポイントを獲得しました。
GT300クラスでは、最前列2番手からスタートした野中の52号車が、スタート直後からバトルを繰り広げ、2周目に首位浮上。その後、後続を引き離していきましたが、ピットイン時にタイヤ交換作業で大きくタイムロス。惜しくも首位の座を譲ることとなってしまいました。
吉田へと交代した52号車は、最後まで諦めることなく追い上げを続け、0.933秒届かなかったものの2位でチェッカー。今季初表彰台を獲得しました。6番手からスタートした2号車は6位でチェッカー。3戦連続でポイントを獲得し、ランキング2位に浮上しました。
Deloitte TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー 笹原右京:
皆さんのおかげで優勝することができました。本当にたくさんの応援ありがとうございます。僕はファーストスティントを担当して、4番手スタートから早い段階で3番手に上がって、そこからタイヤや燃費のマネージがうまくできました。最後のインラップから5,6周ぐらいが、今後の流れを変える上では重要な周回だったので、本当にそこはもう人生をかける思いで全てを注ぎ込みました。その甲斐もあって、チームが作り上げた素晴らしいクルマとブリヂストンタイヤのおかげで、トップで戻ることができて、その後のジュリアーノも素晴らしい走りでトップを守ってくれました。こうやって優勝できたのは皆さんのおかげですので、本当にいつも応援ありがとうございます。これからも頑張ります。
Deloitte TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー ジュリアーノ・アレジ:
僕はセカンドスティントを担当しました。全体的にはとても良いスティントだったと思います。アウトラップでは、ピットを出た瞬間から難しいと思いましたが、最後まで諦めずに戦いました。8号車が近づいてきて、14コーナーでオーバーテイクされそうな動きもありましたが、あの時点ではもうタイヤの温度も上がっていたので、ポジションをキープでき、そのまま優勝までいくことができました。本当にファンの皆さんとチームのおかげで、感謝しています。次戦も頑張ります。
Green Brave GR Supra GT 52号車 ドライバー 吉田広樹:
誠太がスタートから良いパフォーマンスで後続を引き離してくれて、良い展開に持っていけたんですけれども、ちょっと自分たちもうまくいかないところがあり、最後は2位から1位を追い上げる展開で、あと一歩及ばずでした。残念なレースというか、悔しいレースになってしまいましたが、ここから学ぶこともあるし、自分たちが、チームとしてまだ足りない部分があったかなと思うので、今回の経験を活かして、次の富士以降のレースでしっかり、文句なしの優勝を飾れればなと思っています。日本に帰ってもまた皆さんの応援を期待したいですし、僕らもその応援に応えられるようなレースができるように頑張ります。
Green Brave GR Supra GT 52号車 ドライバー 野中誠太:
今回スタートを担当して、GTで初めてのフロントローだったんですが、ペースも良く、1周目にトップに立てて、かなり大きな差を築くことができました。ただ、そこからちょっとミスがあり、結果2位ということで、とても悔しい2位なんですけれども、ドライバーとしてはしっかりとパフォーマンスを見せることができました。次戦の富士はフォーマットが変わるので、チーム一丸となってしっかり対応して、準備していきたいと思います。応援ありがとうございました。




第3戦 リザルト GT500クラス
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ | Deloitte TOM'S GR Supra | 55 | 1:48'01.698 | 4 | 20 |
2 | 8 | 野尻智紀/松下信治 | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 55 | 19.046 | 2 | 12 |
3 | 12 | 平峰一貴/ベルトラン・バゲット | TRS IMPUL with SDG Z | 55 | 23.582 | 6 | 16 |
4 | 17 | 塚越広大/小出峻 | Astemo CIVIC TYPE R-GT | 55 | 25.107 | 7 | 6 |
5 | 19 | 国本雄資/阪口晴南 | WedsSport ADVAN GR Supra | 55 | 31.207 | 1 | |
6 | 100 | 山本尚貴/牧野任祐 | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 55 | 31.410 | 11 | 38 |
7 | 1 | 坪井翔/山下健太 | au TOM'S GR Supra | 55 | 32.239 | 8 | 70 |
8 | 38 | 石浦宏明/大湯都史樹 | KeePer CERUMO GR Supra | 55 | 39.206 | 9 | 42 |
9 | 14 | 大嶋和也/福住仁嶺 | ENEOS X PRIME GR Supra | 55 | 39.233 | 12 | 42 |
10 | 64 | 伊沢拓也/大草りき | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 55 | 41.716 | 3 | 4 |
14 | 39 | 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 55 | 1'22.722 | 10 | 34 |
※SW:サクセスウェイト(kg)
第3戦 リザルト GT300クラス
順位 | No. | 車名 | ドライバー名 | 周回 | 所要時間/差 | グリッド | SW |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | 小林崇志/野村勇斗 | UPGARAGE AMG GT3 | 51 | 1:49'02.023 | 1 | |
2 | 52 | 吉田広樹/野中誠太 | Green Brave GR Supra GT | 51 | 0.933 | 2 | |
3 | 4 | 中山友貴/奥本隼士 | グッドスマイル 初音ミク AMG | 51 | 34.298 | 8 | 42 |
4 | 0 | 小暮卓史/元嶋佑弥 | VENTENY Lamborghini GT3 | 51 | 39.372 | 3 | 14 |
5 | 2 | 堤優威/平良響 | HYPER WATER INGING GR86 GT | 51 | 41.623 | 6 | 44 |
6 | 777 | 藤井誠暢/チャーリー・ファグ | D'station Vantage GT3 | 51 | 54.995 | 7 | 42 |
7 | 65 | 蒲生尚弥/菅波冬悟 | LEON PYRAMID AMG | 51 | 55.681 | 14 | 72 |
8 | 61 | 井口卓人/山内英輝 | SUBARU BRZ R&D SPORT | 51 | 1'02.267 | 5 | 22 |
9 | 87 | 松浦孝亮/坂口夏月 | METALIVE S Lamborghini GT3 | 51 | 1’17.543 | 4 | 18 |
10 | 56 | 平手晃平/金丸ユウ | リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R | 51 | 1'20.938 | 10 | 50 |
12 | 31 | オリバー・ラスムッセン/小山美姫 | apr LC500h GT | 50 | 1 Lap | 9 | |
15 | 60 | 吉本大樹/河野駿佑 | Syntium LMcorsa LC500 GT | 50 | 1 Lap | 16 | 6 |
16 | 96 | 新田守男/高木真一 | K-tunes RC F GT3 | 50 | 1 Lap | 15 | 26 |
※SW:サクセスウェイト(kg)
ドライバーズポイント(GT500)
順位 | No. | ドライバー名 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 1 | 坪井翔/山下健太 | 39 |
2 | 37 | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ | 30 |
3 | 38 | 石浦宏明/大湯都史樹 | 24 |
5 | 14 | 大嶋和也/福住仁嶺 | 23 |
8 | 39 | 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ | 17 |
11 | 19 | 国本雄資/阪口晴南 | 7 |
チームポイント(GT500)
順位 | No. | チーム名 | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 1 | TGR TEAM au TOM’S | 48 |
2 | 37 | TGR TEAM Deloitte TOM’S | 39 |
3 | 100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU | 33 |
4 | 14 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE | 31 |
6 | 38 | TGR TEAM KeePer CERUMO | 29 |
7 | 39 | TGR TEAM SARD | 26 |
11 | 19 | TGR TEAM WedsSport BANDOH | 12 |