2025年全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦オートポリス 坪井が今季初勝利! 山下が3位表彰台を獲得

2025.05.18(日)- 21:20配信

 スーパーフォーミュラの第5戦がオートポリスで行われ、5番手スタートの坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が抜群のスタートから混戦を走り抜き今季初優勝。山下健太(KONDO RACING)が3位表彰台を獲得しました。

表彰台の模様
左から、2位の野尻智紀(TEAM MUGEN)、優勝した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、VANTELIN TEAM TOM’Sチーム監督の舘信秀、3位の山下健太(KONDO RACING)
表彰台の模様
左から、2位の野尻智紀(TEAM MUGEN)、優勝した坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、VANTELIN TEAM TOM’Sチーム監督の舘信秀、3位の山下健太(KONDO RACING)

 2025年5月17日(土)と18日(日)の両日、大分県・オートポリスで全日本スーパーフォーミュラ選手権の第5戦が開催されました。
 今大会から、開幕戦のフリー走行で負傷し、その後欠場していたオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)が復帰。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)勢は、必勝を期して九州ラウンドに臨みました。
 土曜日が悪天候だったにもかかわらず、サーキットには、2日間で13800人の観客が集結しました。

予選

 当初予選が予定されていた17日(土)は朝からの暴風雨と濃霧により 、全ての走行セッションがキャンセルに。これにより、予選は18日(日)の午前9時40分より、40分間の計時方式で行われました。
 路面は湿っているところも残り、気温は18度、路面温度は20度と肌寒いコンディション。このレースウィーク初走行ということもあり、セッション開始から各車積極的に周回を重ねていきました。
 最後の5分で全車一斉にタイムアタックに入りましたが、チェッカーを目前にしてサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)がスピン。これでイエローフラッグが振られたことにより、ほとんどの車両がこのラストアタックではタイム更新ならず。
 それまでに記録していたタイムでスターティンググリッドが決定され、山下がポールとは僅か0.046秒差で2番手を獲得。小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が3番手、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が4番手、坪井が5番手と好グリッドにつけました。

決勝

 予選の後も空は重い雲に覆われたまま、午後2時42分、気温17度、路面温度20度のコンディションで、41周で争われる決勝レースがスタート。
 5番手グリッドの坪井がオーバーテイクシステムも作動させながら抜群のスタートダッシュを見せ、1コーナー進入までに一気に2位へとジャンプアップ。山下は4位へと後退。その後に福住と小林が続く展開となりました。
 今大会は、1周目完了以降からタイヤ交換義務の消化が可能なため、2周目を終えたところでフェネストラズらが早くもピットイン。上位勢では小林が4周目、福住も8周目にピットへ向かった一方で、坪井、山下らはピットインせず、チームによってピットインタイミングの戦略が大きく分かれました。
 18周目を終えたところで、ポールポジションからトップを走る野尻智紀(TEAM MUGEN)と、2位の坪井が同時にピットイン。野尻、坪井の順でコースへと復帰しましたが、復帰直後に坪井が見事なパッシングを見せ、野尻をかわしました。しかし、先にタイヤ交換を終えていた岩佐歩夢(TEAM MUGEN)にかわされ、事実上の2位のままとなりました。
 19周目、ピットアウトした直後のザック・オサリバン(KONDO RACING)がコースオフを喫し、グラベルにストップ。セーフティカーが導入されました。
 このタイミングで、ピットに入っていなかった山下らが一斉にピットイン。山下は5位でコースに復帰しました。
 25周目に再スタートが切られると、山下は前を行く牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にピタリとつけて1コーナーでパス。4位へと浮上。
 27周目、首位を走る岩佐が突然スローダウン。これによって坪井が首位、山下が3位へとポジションを上げました。
 首位に立った坪井は、2位野尻との差をコントロールしながら着実に周回を重ねていき、トップでチェッカー。今季初勝利を挙げました。今季、2位1回・4位2回と粘り強い戦いを続けてきた坪井は、この勝利でドライバーズランキング3位へと順位を上げました。
 山下も3位を守ってチェッカー。今季初の表彰台を獲得しました。後半素晴らしい追い上げを見せた阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が12番手スタートから7ポジションアップの5位。小林は後続の追撃を凌ぎきって7位。福住が9位。大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も19番手スタートから猛追を見せて9ポジションアップの10位フィニッシュでポイント獲得を果たしました。

VANTELIN TEAM TOM’S 1号車 ドライバー 坪井翔

 5番手からスタートして、優勝することができました。ここまでホンダ勢にちょっと負けていたので、そういった意味では、本当にTGR勢として今回優勝することができてほっとしていますし、僕自身もここ4戦はあまり良いレースができていなかったので、今日は昨年の王者らしいレースができたと思います。富士、SUGO、鈴鹿とレースが続きますが、去年富士では3回勝っていますし、オートポリスで勝てて、良いリズムを取り戻せたかなと思うので、ここから挽回して、チャンピオン争いに残れるように、そして、富士でしっかり勝てるようにまた頑張りたいと思います。次回も応援よろしくお願いします。

KONDO RACING 3号車 ドライバー 山下健太:

 3位でフィニッシュしました。ピットのタイミングでちょうどセーフティカーが出たので、ちょっと運もありましたが、今年初めての表彰台に上れて良かったです。ただ、やはりTOM’Sや無限のクルマと比べると差があり、正直勝つにはまだ足りないなというのが分かったレースでもありました。今日のレースは結構いいものを見つけられて、方向性もなんとなく見えたかなという感じもあります。次、富士テストが2日間ありますので、そこで色々なことを試して、優勝できるように頑張りたいと思います。また応援よろしくお願いします。

第5戦 予選結果

順位No.ドライバーチームベストタイムエンジン
116野尻 智紀TEAM MUGEN1’26.757HONDA/M-TEC HR-417E
23山下 健太KONDO RACING1’26.803TOYOTA/TRD TRD01F
37小林 可夢偉Kids com Team KCMG1’26.928TOYOTA/TRD TRD01F
48福住 仁嶺Kids com Team KCMG1’27.020TOYOTA/TRD TRD01F
51坪井 翔VANTELIN TEAM TOMS1’27.061TOYOTA/TRD TRD01F
665イゴール・オオムラ・フラガPONOS NAKAJIMA RACING1’27.101HONDA/M-TEC HR-417E
715岩佐 歩夢TEAM MUGEN1’27.204HONDA/M-TEC HR-417E
86太田 格之進DOCOMO TEAM DANDELION RACING1’27.250HONDA/M-TEC HR-417E
937サッシャ・フェネストラズVANTELIN TEAM TOMS1’27.376TOYOTA/TRD TRD01F
1064佐藤 蓮PONOS NAKAJIMA RACING1’27.433HONDA/M-TEC HR-417E
114ザック・オサリバンKONDO RACING1’27.537TOYOTA/TRD TRD01F
1238阪口 晴南SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING1’27.670TOYOTA/TRD TRD01F
135牧野 任祐DOCOMO TEAM DANDELION RACING1’27.749HONDA/M-TEC HR-417E
1414大嶋 和也docomo business ROOKIE1’28.065TOYOTA/TRD TRD01F
1528小高 一斗KDDI TGMGP TGR-DC1’28.196TOYOTA/TRD TRD01F
1650小出 峻San-Ei Gen with B-Max1’28.253HONDA/M-TEC HR-417E
1720高星 明誠ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL1’28.268TOYOTA/TRD TRD01F
1812三宅 淳詞ThreeBond Racing1’28.292HONDA/M-TEC HR-417E
1939大湯 都史樹SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING1’28.305TOYOTA/TRD TRD01F
2029平良 響KDDI TGMGP TGR-DC1’28.419TOYOTA/TRD TRD01F
2119オリバー・ラスムッセンITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL1’29.061TOYOTA/TRD TRD01F
2210ジュジュHAZAMA ANDO Triple Tree Racing1’31.118HONDA/M-TEC HR-417E

第5戦 決勝結果

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッドエンジン
11坪井 翔VANTELIN TEAM TOMS411:07’24.0705TOYOTA/TRD TRD01F
216野尻 智紀TEAM MUGEN411.1041HONDA/M-TEC HR-417E
33山下 健太KONDO RACING414.3942TOYOTA/TRD TRD01F
464佐藤 蓮PONOS NAKAJIMA RACING416.27210HONDA/M-TEC HR-417E
538阪口 晴南SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING4113.28312TOYOTA/TRD TRD01F
65牧野 任祐DOCOMO TEAM DANDELION RACING4131.86913HONDA/M-TEC HR-417E
77小林 可夢偉Kids com Team KCMG4133.2943TOYOTA/TRD TRD01F
865イゴール・オオムラ・フラガPONOS NAKAJIMA RACING4134.7526HONDA/M-TEC HR-417E
98福住 仁嶺Kids com Team KCMG4135.8664TOYOTA/TRD TRD01F
1039大湯 都史樹SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING4136.19419TOYOTA/TRD TRD01F
1120高星 明誠ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL4136.69917TOYOTA/TRD TRD01F
1228小高 一斗KDDI TGMGP TGR-DC4137.08615TOYOTA/TRD TRD01F
136太田 格之進DOCOMO TEAM DANDELION RACING4139.1228HONDA/M-TEC HR-417E
1419オリバー・ラスムッセンITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL4142.34521TOYOTA/TRD TRD01F
1514大嶋 和也docomo business ROOKIE4143.46414TOYOTA/TRD TRD01F
1629平良 響KDDI TGMGP TGR-DC4144.34220TOYOTA/TRD TRD01F
1737サッシャ・フェネストラズVANTELIN TEAM TOMS4145.689TOYOTA/TRD TRD01F
1812三宅 淳詞ThreeBond Racing4148.48818HONDA/M-TEC HR-417E
1910ジュジュHAZAMA ANDO Triple Tree Racing4154.23322HONDA/M-TEC HR-417E
2050小出 峻San-Ei Gen with B-Max4157.46916HONDA/M-TEC HR-417E
15岩佐 歩夢TEAM MUGEN2615Laps7HONDA/M-TEC HR-417E
4ザック・オサリバンKONDO RACING1823Laps11TOYOTA/TRD TRD01F

ドライバーズポイント
(第5戦終了時)

順位ドライバー名エンジンポイント
1牧野 任祐HONDA/M-TEC HR-417E65
2太田 格之進HONDA/M-TEC HR-417E61
3坪井 翔TOYOTA/TRD TRD01F51
8山下 健太TOYOTA/TRD TRD01F22
9阪口 晴南TOYOTA/TRD TRD01F22
10小林 可夢偉TOYOTA/TRD TRD01F13
11サッシャ・フェネストラズTOYOTA/TRD TRD01F11
12大湯 都史樹TOYOTA/TRD TRD01F9
13福住 仁嶺TOYOTA/TRD TRD01F8
14大嶋 和也TOYOTA/TRD TRD01F7
15野中 誠太TOYOTA/TRD TRD01F3
17ザック・オサリバンTOYOTA/TRD TRD01F3
今季初勝利を挙げた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
今季初勝利を挙げた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
今季初勝利を挙げた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S #1)
今季初勝利を挙げた坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S #1)
予選で最前列2番手グリッドを獲得した山下健太(KONDO RACING)
予選で最前列2番手グリッドを獲得した山下健太(KONDO RACING)
3位に入り、今季初表彰台を獲得した山下健太(KONDO RACING #3)
3位に入り、今季初表彰台を獲得した山下健太(KONDO RACING #3)