SUPER GT 2022年 第5戦 鈴鹿 FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE関口雄飛/中山雄一組GRスープラが3位表彰台
GT300クラスでは織戸学/平良響/上村優太組が3位に入り
GR86が初の表彰台獲得

2022.08.28(日)- 21:00配信

 SUPER GTの第5戦が鈴鹿サーキットで行われ、関口雄飛/中山雄一組のDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が3位表彰台を獲得。GT300クラスでは織戸学/平良響/上村優太組apr GR86 GT 30号車が3位に入り、GR86に初の表彰台をもたらしました。

3位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の関口雄飛と中山雄一 3位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の関口雄飛と中山雄一

 SUPER GT第5戦「FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE」が8月27日(土)、28日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
 前戦富士大会から3週間、全8戦で競われている2022年シーズンのSUPER GTも折り返しを過ぎ、後半戦に入りました。前半の4戦では、開幕戦で大嶋 和也/山下 健太組 ENEOS X PRIME GR Supra 14号車がポール・トゥ・ウィン。短縮終了となった第2戦はホンダNSX、第3戦はニッサンZがそれぞれ制し、開幕からの3戦で3メーカーが勝利を分け合う状況で迎えた前戦富士では、サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋組 KeePer TOM'S GR Supra 37号車がシリーズ最年少コンビでの初勝利を挙げ、ランキングでも首位に躍り出ました。
 前戦富士同様、夏休みシーズン中の開催となる今大会も、レース距離は450kmと通常よりも長い設定となっており、2度の給油ピットインが義務づけられます。暑い夏の鈴鹿での激戦に注目が集まりました。

予選

 27日(土)は曇り空の下、気温31度、路面温度39度で湿度が高く蒸し暑いコンディション。フリー走行時の赤旗中断の影響により予定よりも20分遅れの午後3時20分からノックアウト方式の予選が行われました。
 トップ8台がQ2へと進出するGT500クラスのQ1では、チェッカーが振られたあと次々にタイムが更新されて順位が入れ替わっていく展開に。目下3戦連続ポールポジションの速さを見せているWedsSport ADVAN GR Supra 19号車は阪口晴南のアタックで2番手。不運なレースが続き、サクセスウェイトも軽めなZENT CERUMO GR Supra 38号車が石浦宏明のアタックで4番手。最後のアタックで一発タイムを決めた関口の39号車が8番手に飛びこみ、GRスープラは3台がQ2進出を決めました。
 一方ランキング1-2位につける37号車と14号車は、それぞれ62kg、60kgという重いサクセスウェイトも影響し、宮田の37号車が11番手、山下の14号車は14番手。坪井翔がアタックしたau TOM'S GR Supra 36号車も43kgのサクセスウェイトで懸命の走りを見せましたが、最後のアタックラップで痛恨のオーバーラン。12番手に終わり、ランキング上位の3台がQ2進出を逃す形となりました。
 Q2では、19号車を駆る国本が好走を見せましたが4番手。立川祐路の38号車が5番手、中山雄一の39号車が7番手となり、昨年から続いたGRスープラ勢の連続ポールポジション記録は6で途絶えることとなりました。
 GT300クラスは、台数が多いため2グループに分け、それぞれ上位8台ずつがQ2へと進みます。A組では堤優威の駆るmuta Racing GR86 GT 2号車が5番手、吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GT 60号車が7番手に入りQ2へ進出。前戦の欠場から復帰となったHOPPY Schatz GR Supra 25号車は松井孝允が懸命な走りを見せましたが、最後の最後に0.009秒上回られ惜しくも9番手でQ2進出ならず。織戸の30号車は11番手に終わりました。
 B組では佐藤公哉がいきなり好タイムを叩き出したHACHI-ICHI GR Supra GT 244号車がトップにつけると、同じく早めのアタックで高木真一のK-tunes RC F GT3 96号車が2番手タイムをマーク。平中克幸のシェイドレーシング GR86 GT 20号車が6番手に入り3台がQ2へと進出。
 吉田広樹の埼玉トヨペットGB GR Supra GT 52号車が10番手、中山友貴のapr GR SPORT PRIUS GT 31号車は13番手でQ1敗退となりました。
 Q2でも244号車が三宅淳詞のアタックで速さを見せ、昨年初優勝を飾り得意とする鈴鹿で、チーム過去最高位となる最前列2番手グリッドを獲得しました。清水英志郎の20号車が6番手。新田守男の96号車はアタックラップで遅い車に引っかかり無念の12番手。河野駿佑の60号車が13番手、加藤寛規の2号車が14番手グリッドとなりました。

決勝

 28日(日)は好天に恵まれ、日差しは戻ったものの風があり、気温28度、路面温度39度で過ごしやすいコンディション。午後2時半、三重県警の白バイとパトカー先導によるパレードラン、フォーメーションラップに続き、77周、450kmで争われる決勝レースのスタートが切られました。
 上位勢は4番手の19号車、5番手の38号車含め大きな順位変動はありませんでしたが、14番手スタートの山下がドライブする14号車はS字でスピンを喫し、大きくタイムロスして最後尾へと後退してしまいました。
 スタート前のウォームアップ走行をトラブルで走れなかった38号車でしたが、無事グリッドに並び、5番手から立川がスタートを切ると、ペースの上がらない国本の19号車を攻め、15周目の1コーナーでアウトからパス。38号車が4位に浮上しました。
 長いレースで2度の給油ピット義務があるため、燃費やタイヤの摩耗も考え、様々なピット戦略が採られる中、ハイペースで周回を重ねていった38号車は26周を終えてピットイン。石浦へとドライバー交代。石浦も好ペースを維持し、32周目には前を行くARTA NSX-GT 8号車をパス。33周目に全車が1度目のピットを終えると、この時点で3位へとポジションを上げました。
 さらに勢いに乗る38号車石浦は前車との差を詰めていき、37周目にはMOTUL AUTECH Z 23号車をかわして2位へと浮上。40周目には首位との差は1.8秒ほどありましたが、じりじりとその差を詰めていき、テール・トゥ・ノーズでの首位争いを展開しました。
 レースは半分を消化し、後方勢が徐々に2度目のピットへ向かって給油義務を消化する中、首位を争う38号車を含む数台はピットを引っ張る作戦となりましたが、49周目に130RでGT300クラスの車両がクラッシュ。4位を走行していた39号車がピットインした直後に、この日最初のセーフティカーが導入されました。
 この時点でピットに入らなかった38号車は後続とのマージンを失うこととなり、事実上上位争いから脱落。代わって、絶好のタイミングでピットに向かい、タイヤ無交換という作戦を採った39号車が実質的な3位へと浮上しました。タイヤ無交換で苦しい中山雄一の39号車は、一旦かわされて4位に落ちるものの、前車のペナルティもあり3位で終盤戦へ。後方から厳しい追撃を受けながらも、懸命の走りで3位をキープ。最後はペースの落ちた2位Astemo NSX-GT 17号車との差をみるみる詰めて行き、ファイナルラップではテール・トゥ・ノーズ状態まで迫りました。しかし、逆転には至らず、3位でフィニッシュ。39号車にとっては今季初となる表彰台獲得を果たしました。
 19号車が7位、37号車が8位、36号車が9位でポイントを獲得。14号車は14位完走。38号車はトラブルでリタイアに終わりました。
 GT300クラスでは、2番手グリッドから三宅のドライブでスタートを切った244号車が9周目にトップに浮上。その後も上位争いを繰り広げました。
 しかし、43周目に2度目のピットを終えた244号車は、翌周の130Rで激しくクラッシュ。ドライバーの佐藤は無事でしたが、244号車はここでレースを終えることとなってしまいました。
 GT300クラスはGT500クラス以上に様々なピット戦略で順位が激しく入れ替わる展開となる中、21番手からスタートを切った30号車が徐々にポジションアップ。今大会、レギュラードライバーの永井宏明が体調不良のため、織戸と平良、上村の3名で臨んだ30号車は、セーフティカー明けの後半戦、平良のドライブで見事な追い上げを見せ、3位でフィニッシュ。今季よりSUPER GTにデビューしたGR86に初の表彰台をもたらしました。
 52号車が4位、レースを通して上位を争った20号車が7位、2号車が8位、60号車が10位でポイント獲得を果たしました。

3位表彰台を獲得した関口 雄飛/中山 雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車
3位表彰台を獲得した関口 雄飛/中山 雄一組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車
7位フィニッシュを果たした国本 雄資/阪口 晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車
7位フィニッシュを果たした国本 雄資/阪口 晴南組 WedsSport ADVAN GR Supra 19号車
GR86に初表彰台をもたらしたapr GR86 GT 30号車の織戸学/平良響/上村優太(右)
GR86に初表彰台をもたらしたapr GR86 GT 30号車の織戸学/平良響/上村優太(右)
3位表彰台を獲得した織戸学/平良響/上村優太組 apr GR86 GT 30号車
3位表彰台を獲得した織戸学/平良響/上村優太組 apr GR86 GT 30号車

DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 関口雄飛:

 自分のスティントではタイヤの温まりが悪かったので、少し順位を下げてしまって苦しいレースでした。ただ、そこで粘ったことで、前回の鈴鹿同様、半分過ぎてからのペースがすごく良くなり、そのおかげでちょっとピットタイミングを遅らせて、上手く中山選手に繋げられました。そしてSC(セーフティカー)が出たとき、一番いいタイミングでチームがピットに呼んでくれたのも大きかったです。あの位置に戻ることになって、中山選手もパフォーマンス的には多分苦しかったと思いますが、そんな中でなんとか3位で戻って来てくれて、感謝しています。自分としてはTeam SARDに移って初の表彰台なので、非常にうれしいです。次も頑張ります。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 中山雄一:

 もうちょっと早いタイミングで僕のスティントが始まるはずだったんですが、関口選手が燃費運転をしつつ、タイヤもセーブしながらも、後半前が空いたところでプッシュしてもらいました。そのときのペースがすごい良く、スティントを引っ張ることができ、後半のピットウィンドウも伸びたので、それがあのSCのタイミングで入ることができたことにつながったかなと思います。自分のペースはまあまあで、順位は守れるかなと思っていましたが、ただ、SCのときにタイヤを替えていたら、1位も見えたかなというようなレース内容だったんで、そこだけちょっと悔しいです。ただチームのいい判断と早いピット作業で送り出してもらえて、しぶとく頑張った結果の3位で満足感はありますが、やはり勝ちたいので後半戦も頑張ります。

第5戦 リザルト GT500クラス

順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差グリッドSW
112カルソニック IMPUL Z平峰 一貴/ベルトラン・バゲット772:35'39.3391549
217Astemo NSX-GT塚越 広大/松下 信治776.630238
339DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口 雄飛/中山 雄一777.747732
43CRAFTSPORTS MOTUL Z千代 勝正/高星 明誠778.257952
523MOTUL AUTECH Z松田 次生/ロニー・クインタレッリ7713.747130
616Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT笹原 右京/大湯 都史樹7733.50831
719WedsSport ADVAN GR Supra国本 雄資/阪口 晴南7748.668427
837KeePer TOM'S GR Supraサッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋7749.7501162
936au TOM'S GR Supra坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ771'27.3501243
1024リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木 大樹/平手 晃平771'30.122635
1414ENEOS X PRIME GR Supra大嶋 和也/山下 健太761 Lap1460
1538ZENT CERUMO GR Supra立川 祐路/石浦 宏明6017 Laps516

第5戦 リザルト GT300クラス

順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差グリッドSW
14グッドスマイル 初音ミク AMG谷口 信輝/片岡 龍也722:37'08.113512
210TANAX GAINER GT-R富田 竜一郎/大草 りき/塩津 佑介723.407145
330apr GR86 GT織戸 学/平良 響/上村 優太7219.822219
452埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田 広樹/川合 孝汰7223.2212027
56Team LeMans Audi R8 LMS片山 義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン7226.6811018
665LEON PYRAMID AMG蒲生 尚弥/篠原 拓朗7226.9911936
720シェイドレーシング GR86 GT平中 克幸/清水 英志郎/山田 真之亮7228.6136
82muta Racing GR86 GT加藤 寛規/堤 優威7231.632145
987Bamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦 孝亮/坂口 夏月7235.271918
1060Syntium LMcorsa GR Supra GT吉本 大樹/河野 駿佑711 Lap1330
1525HOPPY Schatz GR Supra松井 孝允/野中 誠太711 Lap17
2596K-tunes RC F GT3新田 守男/高木 真一5913 Laps1238
2631apr GR SPORT PRIUS GT嵯峨 宏紀/中山 友貴/小高 一斗5319 Laps26
244HACHI-ICHI GR Supra GT佐藤 公哉/三宅 淳詞4329 Laps2

ドライバーズポイント(GT500)

順位No.ドライバー名ポイント
112平峰 一貴/ベルトラン・バゲット44.5
237サッシャ・フェネストラズ/宮田 莉朋34
33千代 勝正/高星 明誠34
514大嶋 和也/山下 健太30
639関口 雄飛/中山 雄一27
736坪井 翔/ジュリアーノ・アレジ23.5
1219国本 雄資/阪口 晴南17.5
1338立川 祐路/石浦 宏明8

チームポイント(GT500)

順位No.チーム名ポイント
112TEAM IMPUL55
237TGR TEAM KeePer TOM'S47.5
317Astemo REAL RACING46.5
514TGR TEAM ENEOS ROOKIE41.5
639TGR TEAM SARD40.5
736TGR TEAM au TOM'S37
1219TGR TEAM WedsSport BANDOH27
1438TGR TEAM ZENT CERUMO13.5