SUPER GT 2025年 第6戦 SUGO SUGO GT 300km RACE 関口/フェネストラズ組GRスープラが2位表彰台
GT300では吉本/河野組LC500が優勝

2025.09.21(日)- 21:40配信

 SUPER GTの第6戦がスポーツランドSUGOで行われ、GRスープラ勢は重いサクセスウェイトに苦しむ中で、関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車が最後まで優勝を争い2位フィニッシュ。今季2度目の表彰台を獲得。GT300クラスでは吉本大樹/河野駿佑組 Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車が4年ぶりの勝利を飾りました。

2位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の関口雄飛(左)とサッシャ・フェネストラズ(右)
2位表彰台を獲得したDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車の関口雄飛(左)とサッシャ・フェネストラズ(右)

 2025年シーズンSUPER GTの第6戦「SUGO GT 300km RACE」が9月20日(土)、21日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
 全8大会で戦われている今季のSUPER GTも残すところ3戦。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGRスープラ勢はこれまでの5戦中4勝をあげ、ランキングでもトップ4を占める強さをみせています。シーズン中のサクセスウェイト(SW)が最も重くなる今大会ですが、チャンピオン獲得へ向け、全チーム少しでも多くのポイントを獲得すべくSUGO戦に挑みました。
 年に一度の東北での開催ということもあり、2日間で26,900人の熱心なモータースポーツファンがSUGOに集結しました。

予選

 20日(土)、朝方は雨が残ったものの、昼過ぎにはほぼ路面は乾いた状態に。午後2時5分より、曇り空、気温20度、路面温度26度と涼しいコンディションの中でノックアウト方式の予選が行われました。
 Q1は全15台が出走し、上位10台がQ2へと進出。39号車を駆る関口がコースレコードを破るトップタイムをマーク。Deloitte TOM'S GR Supra 37号車の篠原右京が5番手。ランキング首位でSW100kgのau TOM'S GR Supra 1号車は坪井翔が最後に7番手に飛びこむ健闘。KeePer CERUMO GR Supra 38号車とENEOS X PRIME GR Supra 14号車もそれぞれ石浦宏明と福住仁嶺が好アタックで8番手、10番手に入り、GRスープラ勢は5台がQ2進出を果たしました。
 Q2では39号車のフェネストラズがGRスープラ勢最上位となる2番手グリッドを獲得しました。
 GT300クラスは、2グループに分けてQ1を実施しそれぞれ上位9台がQ2へと進出。A組ではランキング3位につける平良響のHYPER WATER INGING GR86 GT 2号車が、SW100kgを積みながらも3番手。オリバー・ラスムッセンのapr LC500h GT 31号車が5番手でQ2進出を決めました。
 B組では河野の60号車がトップタイム。吉田広樹のGreen Brave GR Supra GT 52号車が4番手、松井孝允のHOPPY Schatz GR Supra GT 25号車が6番手でQ2進出を果たしました。
 Q2では、吉本の60号車が2番手グリッドを獲得。
 また、TGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)育成ドライバーであり、前戦初優勝を飾った小林利徠斗が、CARGUY MKS RACING 7号車で自身初のポールポジションを獲得しました。

決勝

 21日(日)午後1時40分、空には雲がかかっているものの、気温24度、路面温度32度と過ごしやすい秋晴れの下で、84周で争われる決勝レースがスタートしました。
 2番手グリッドの39号車関口はスタートから激しい追撃を見せ、6周目に見事なオーバーテイクで首位に浮上。12番手スタートの19号車国本も徐々に順位を上げていきました。
 一方、4番手からスタートを切った山下の1号車はペースが厳しく、サクセスウェイトの重いGRスープラ勢はポイント圏外へと順位を落とすこととなってしまいました。
 28周を終えたところから各車ドライバー交代のためピットインを進めていく中、首位の39号車はそのまま関口が走り続け、ちょうど折り返しとなる42周を終えたところでピットインし、フェネストラズへと交代。関口が最後までハイペースで周回を重ねたことと、迅速なピット作業により、2位とは10秒ほどの差を付けて首位のままコースに復帰しました。
 45周目、GT300の26号車がピットロード出口にストップしたことでこの日2度目のフルコースイエロー(FCY)となり、48周目にこれが解除されましたが、その直後、ストレート上で激しい多重クラッシュが発生。ドライバーは全員無事でしたが、レースは赤旗となり、車両排除と破損したピットウォール等の修復のために長い中断を余儀なくされました。
 1時間ほどの中断の後、午後4時に走行が再開されましたが、レースは最大延長時刻の午後4時半までに84周を走り切ることができなくなり、残り30分のタイムレースとなりました。セーフティカー先導で4周した後、残り20分強で本格戦が再開。首位を行くフェネストラズの39号車はそれまでに築いたマージンが帳消しとなり、サクセスウェイトの軽い後続からの猛追を受けることに。GT300クラスの車両をかいくぐりながら懸命に防戦しつづけましたが、ファイナルラップの馬の背コーナーで並ばれ、SPコーナーで先行を許して2位へ。39号車はそのまま2位でチェッカーを受け、今季2度目となる表彰台を獲得。39号車の2人はランキングでも3位に浮上しました。
 重いサクセスウェイトに苦しみ、ポイント圏外での走行を強いられていた他のGRスープラ勢も最後に追い上げを見せ、37号車が5位、14号車が7位、1号車が9位、19号車が10位でポイント獲得を果たしました。
 GT300クラスでは、最前列2番手グリッドからスタートした吉本の60号車が序盤からバトルを続け、7周目に首位を奪取。
 一方、5番手からスタートした平良の2号車は、トップ10圏内でバトルを繰り広げていましたが、16周目、直前でスピンした車両を避けようとブレーキングした52号車に追突。車両前部にダメージを追い、レースを終えることとなってしまいました。
 首位の60号車は、たびたび後続に迫られるもののポジションをキープ。赤旗中断でマージンが無くなり、終盤も追い上げを受けましたが逃げ切ってトップチェッカー。チームにとっては4年ぶり、今季より新たに投入したLEXUS LC500では初めての勝利を飾りました。
 52号車が6位。30号車が13位に入り、今季初ポイント獲得を果たしました。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー 関口雄飛:

 自分のスティントではちょっと辛い部分もありましたが、みんな結構良い時、悪い時が同じスティントの中であったりしてうまくごまかせて、良い走りができたかなと思います。ただ、最後ちょっとすごい速い車がいて、あと半周ぐらいというところで抜かれてしまったのは非常に悔しいですが、今週通してポジティブな点として、車の調子が戻ったので、後半戦ラスト2戦も全然優勝狙える自信もあります。今回は悔しいですけど、ラスト2戦でリベンジしたいと思います。応援ありがとうございました。

DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車 ドライバー サッシャ・フェネストラズ:

 難しいレースでした。ファイナルラップまでトップを走っていただけに悔しい結果です。フリー走行も含め、週末を通してペースは良かったです。しかし残念ながら、24号車とサクセスウェイト差が大きすぎましたし、彼らはレース全体を通して我々より速かったです。セーフティカーやFCYも、我々には不利に働きました。悔しいですが、それでも2位は悪くない結果です。昨日の予選と今日の決勝レースで雄飛は素晴らしい走りを見せてくれました。レース終盤にトップの座を失ったのは残念でしたが、全体的には満足すべき結果だと思います。今日の結果で、ランキング3位に浮上できたことは大きいです。今季ここまで厳しい戦いが続いてきただけに、チーム全体として大きな進歩を遂げられて、本当に嬉しいです。次は最終戦のひとつ前となるオートポリス戦です。ベストを尽くします。ガンバリマショウ。

Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車 ドライバー 吉本大樹:

 ここSUGOはスタートのポジションが非常に大事になるんですけど、今回ダンロップタイヤさんが本当に素晴らしいタイヤを用意してくれて、2番手グリッドからスタートすることができました。前回の鈴鹿で悔しい思いをしたので、今回のSUGOは何が何でも結果を出したかったんですが、本当にこの優勝という結果で終われて良かったです。最後は56号車に追い立てられて、本当にドキドキでしたが、河野選手がかっこいい走りで守ってくれてリベンジを達成できました。今年結果が残ってなかったんですけど、やっとこうやって結果を残すことができて、僕たちLM corsaとしては2021年最終戦以来となる優勝を達成できて良かったです。次戦も頑張ります。

Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車 ドライバー 河野駿佑:

 久しぶりの優勝は本当に嬉しいです。このスポーツランドSUGOは僕らが今年から導入したLEXUS LC500と相性がいいと思っていた中、本当に今回ダンロップさんのタイヤも素晴らしくて、吉本選手の予選があって、本当にいいレースができたと思います。最後は56号車に迫られて苦しかったんですけれども、もう予選よりプッシュしてるんじゃないかというくらい一生懸命走りました。鈴鹿のことがあったんで、本当にリベンジというか、3週間くらい本当に落ち込んでいたので、チームの皆と、この喜びを共有できて本当に嬉しいです。たくさんの応援ありがとうございました。オートポリスも引き続き頑張ります。

2位表彰台を獲得した関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車
2位表彰台を獲得した関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車
5位入賞を果たした笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM'S GR Supra 37号車
5位入賞を果たした笹原右京/ジュリアーノ・アレジ組 Deloitte TOM'S GR Supra 37号車
今季初勝利を挙げたSyntium LMcorsa LC500 GT 60号車の吉本大樹(左)、チーム監督の俣野俊典(中)と河野駿佑(右)
今季初勝利を挙げたSyntium LMcorsa LC500 GT 60号車の吉本大樹(左)、チーム監督の俣野俊典(中)と河野駿佑(右)
今季初勝利を飾った吉本大樹/河野駿佑組 Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車
今季初勝利を飾った吉本大樹/河野駿佑組 Syntium LMcorsa LC500 GT 60号車

第6戦 リザルト GT500クラス

順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差グリッドSW
124リアライズコーポレーション ADVAN Z松田次生/名取鉄平702:44'59.65851
239DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ700.649258
317Astemo CIVIC TYPE R-GT塚越広大/小出峻700.886824
416ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16大津弘樹/佐藤蓮701.012118
537Deloitte TOM'S GR Supra笹原右京/ジュリアーノ・アレジ701.4691075
6100STANLEY CIVIC TYPE R-GT山本尚貴/牧野任祐702.7921554
714ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/福住仁嶺703.652997
88ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8野尻智紀/松下信治706.1481143
91au TOM'S GR Supra坪井翔/山下健太706.4204100
1019WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南707.7641223
1138KeePer CERUMO GR Supra石浦宏明/大湯都史樹7013.538786

※SW:サクセスウェイト(kg)

第6戦 リザルト GT300クラス

順位No.車名ドライバー名周回所要時間/差グリッドSW
160Syntium LMcorsa LC500 GT吉本大樹/河野駿佑672:46'10.99828
256リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平670.660789
3666seven × seven PORSCHE GT3R近藤翼/ハリー・キング661 Lap945
44グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也661 Lap4100
511GAINER TANAX Z富田竜一郎/大木一輝661 Lap1530
652Green Brave GR Supra GT吉田広樹/野中誠太661 Lap1181
718UPGARAGE AMG GT3小林崇志/野村勇斗661 Lap2177
87CARGUY FERRARI 296 GT3ザック・オサリバン/小林利徠斗661 Lap189
95マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号塩津佑介/木村偉織661 Lap2266
1062HELM MOTORSPORTS GT-R平木湧也/平木玲次652 Laps1816
1330apr GR86 GT永井宏明/織戸学652 Laps26
2025HOPPY Schatz GR Supra GT松井孝允/佐藤公哉643 Laps162
2331apr LC500h GTオリバー・ラスムッセン/小山美姫5116 Laps68
20シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎4324 Laps27
26ANEST IWATA RC F GT3イゴール・オオムラ・フラガ/安田裕信3928 Laps1952
2HYPER WATER INGING GR86 GT堤優威/平良響1552 Laps5100
96K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一1057 Laps2031

※SW:サクセスウェイト(kg)

ドライバーズポイント(GT500)

順位No.ドライバー名ポイント
11坪井翔/山下健太60.5
214大嶋和也/福住仁嶺52.5
339関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ44
437笹原右京/ジュリアーノ・アレジ43.5
538石浦宏明/大湯都史樹43
1419国本雄資/阪口晴南12.5

チームポイント(GT500)

順位No.チーム名ポイント
11TGR TEAM au TOM’S78.5
214TGR TEAM ENEOS ROOKIE67.5
339TGR TEAM SARD62
437TGR TEAM Deloitte TOM’S61.5
538TGR TEAM KeePer CERUMO57
1419TGR TEAM WedsSport BANDOH24.5