LEXUS LC500がデビューレースでトップ6独占の圧勝!
平川亮/ニック・キャシディ組がLEXUS同士の激戦を制す
SUPER GTの2017年シーズン開幕戦が岡山国際サーキットで行われ、平川亮/ニック・キャシディ組のKeePer TOM'S LC500 37号車が新型となったLEXUS LC500のデビュー戦で勝利を挙げた。LEXUS LC500は2位から6位も占め、トップ6独占という圧倒的な速さで開幕戦を制した。
9日(日)はこの週末では初めて好天に恵まれ、やや雲はあるものの太陽も顔を出す、春らしいコンディションの下、午後2時34分に岡山県警の白バイ先導によるパレードラップが開始された。
続いてフォーメーションラップに入ったが、ここでポールポジションにつけていたNSX-GT 8号車がスローダウン。いきなり赤旗が出され、セーフティカー先導でのスタートという、波乱の開幕となった。
ポールポジションの車両が脱落したことで、LEXUS勢はWAKO'S 4CR LC500 6号車、37号車、ZENT CERUMO LC500 38号車、WedsSport ADVAN LC500 19号車とトップ4を占めてスタートを切ることに。3周目から本格戦が開始されると、LEXUS LC500同士の激しい首位争いが繰り広げられた。2位につけるキャシディの駆る37号車が首位を行く大嶋和也の6号車に襲いかかり、ヘアピンへの進入で白煙を上げるほどのハードブレーキングでインを刺し、首位に浮上。
5周目にもGT300車両のクラッシュによりセーフティカーが導入。12周目にレースが再開されると、トップ4を占めるLEXUS LC500の後方で1台を挟んで6位、7位を走っていたジェームス・ロシターのau TOM'S LC500 36号車と、ヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD LC500 1号車もライバルをかわし、序盤からLEXUS LC500がトップ6独占体制に。
1周が短く、コース幅も狭い岡山で、GT300クラスの周回遅れ車両が出てくると、コース上の混雑をかいくぐりながらの、LEXUS同士のバトルが頻発。中でも36号車のロシターは16周目に19号車の関口雄飛をパスすると、タイヤの摩耗に苦しみ3位に後退していた6号車 大嶋もパスし、更に前を狙った。
中盤に入ると、各チームピットへ入って給油、タイヤ交換とドライバー交代。ここで4位に落ちていた6号車は、好ピットに助けられ2位へ浮上。先にピットインしていた37号車の平川は、ピットアウト時点では6号車、38号車、36号車の先行を許したが、アウトラップの3台を攻略し、再び首位に返り咲いた。
その後方では、36号車 中嶋一貴と6号車 アンドレア・カルダレッリの激しい2位争いとなり、2台はバックストレートからヘアピン進入でのブレーキング合戦を繰り広げたが、アウト側の中嶋一貴が停まりきれずコースオフ。6号車が単独2位、その後方で1号車の平手晃平と38号車石浦宏明が表彰台を賭けてのバトルを続けることとなった。
2位に浮上したカルダレッリは、何度も首位の平川に仕掛けるが、平川も巧みなライン取りで逆転を許さず。
レースは53周目にGT300車両がクラッシュしたために長いセーフティカーランとなり、残り20周で、マージン帳消しでのスプリント勝負となったが、37号車平川は終盤戦も6号車カルダレッリからの猛追を凌ぎ切り、トップでチェッカー。今季からの新規定にあわせて投入された新型車両 LEXUS LC500のデビュー戦を勝利で飾った。平川にとっては2015年の最終戦以来、キャシディにとってはSUPER GTで初となる勝利。
6号車が2位、最後まで僅差のバトルを繰り広げるも逃げ切った1号車が3位となり、LEXUS LC500はデビュー戦で表彰台を独占。4位に38号車、5位に36号車、6位に19号車が続き、LEXUS LC500はトップ6を占める圧勝で開幕戦を終えた。
KeePer TOM'S LC500 37号車 平川 亮
スタートしてすぐのタイヤが冷えているタイミングで、ニックが前車をパスしてトップに立ってくれたことが大きかった。トップのままバトンを受け取ったが、ピットタイミングや作業時間もあったのか、ピットアウトしたら、6号車、38号車、36号車が前にいて、それを抜くのが大変だった。その後は、後半に向けて選んだタイヤがちょっとハードすぎたこともあって常に6号車がバックミラーに映っている状況だったが、途中セーフティカーが入って周回数が減った分少し楽になったり、運も味方してくれたところもあるし、チームとニックがすごく良い仕事をしてくれたのが勝因だと思っている。
KeePer TOM'S LC500 37号車 ニック・キャシディ
まだ信じられない気分だ。完璧なシーズンスタートを切ることが出来た。オフシーズン中にチームが素晴らしい仕事をしてくれたことはテストで分かっていて、私自身も昨年の参戦経験で成長し、自信も付いてきていたので、今シーズンは期待と共に臨んだ。最初から勝てるとは思っていなかったが、本当に嬉しい。
WAKO'S 4CR LC500 6号車 大嶋 和也
8号車が止まったことで先頭からスタート出来たのに、タイヤのウォームアップに思いの外苦しんで、想定以上にペースが上がらなかった。他のチームとは違うタイヤを選んだので、コースの場所によって速いところとそうでないところがあり、詰められたり離したりを繰り返していたが、やはりタイヤの摩耗が辛く、順位を落としてしまったのが悔やまれる。でも後半涼しくなって、アンドレアがかなり良いペースで首位を争ってくれたのは良かった。ピット作業も素晴らしく、そのおかげでポジションを上げることも出来た。次こそ勝利を目指して頑張りたい。
WAKO'S 4CR LC500 6号車 アンドレア・カルダレッリ
(平川)亮とすごいビッグファイトが出来た。タフだったが楽しいレースで、強烈なバトルだった。正直を言えばすごく勝ちたかった。とはいえ表彰台には上れたし、シーズンを考えれば良いポイントを稼げたレースだったと思う。LEXUSチームで1-2-3フィニッシュ出来たことも良かった。LEXUS LC500は本当に速かった。冬の間ハードワークで新型車を仕上げてくれたスタッフを誇りに思う。良い仕事をしてくれたチームにも感謝している。
DENSO KOBELCO SARD LC500 1号車 ヘイキ・コバライネン
昨日は予選時に自分のミスでQ2進出を逃してしまい、とても落ち込んでいたが、気を取り直し、今日の決勝では絶対にポジションを取り戻すつもりだった。自分が担当したファーストスティントで、クルマはとても好調だった。とはいえ、順位を争うライバルも同じパフォーマンスのLEXUS LC500なので、追い越すのは容易ではなかった。特に関口の攻略は大変で、可能な限りアグレッシブに攻めた。彼がアグレッシブなドライバーであることは知っていたし、ストレートでは接触したが、幸運にもこちらには影響なかった。その後は前との差を詰め、狙い通りピットでもポジションを挙げることが出来、その後は晃平が素晴らしい走りで、後続の猛追を凌いでくれた。今日我々には勝てるだけのパフォーマンスがあったと思う。しかし、同じLEXUS LC500同士の争いの中で、スタートを考えれば満足のいく結果だし、とても力強くレースを戦えたと思う。次戦が楽しみだ。
DENSO KOBELCO SARD LC500 1号車 平手晃平
スタートが9番手ということで、開幕戦なのであまり無理をせず、出来るだけたくさんのポイントを取って帰ろうということを目標にしていた。ファーストスティントではヘイキが力強い走りでポジションを上げ、ピットもそれに応えて、すごく早いピット作業で良いポジションで復帰出来た。前の2台には行かれてしまったが、3位でゴール出来るとは思っていなかった。良い形でシーズンのスタートが切れたと思うので、このままの勢いで今後も我々の良いところを見せられればと思っている。
RESULT
SUPER GT 2017年 第1戦(開幕戦)岡山 決勝結果:GT500
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | ベストラップ | 所要時間/差 | タイヤ | ウエイト |
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1 | 37 | KeePer TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 平川 亮 ニック・キャシディ | 81 | 1'20.291 | 2:12'39.626 | BS | |
2 | 6 | WAKO'S 4CR LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 大嶋 和也 アンドレア・カルダレッリ | 81 | 1'19.784 | 1.503 | BS | |
3 | 1 | DENSO KOBELCO SARD LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | ヘイキ・コバライネン 平手 晃平 | 81 | 1'20.608 | 2.761 | BS | |
4 | 38 | ZENT CERUMO LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 立川 祐路 石浦 宏明 | 81 | 1'20.222 | 2.939 | BS | |
5 | 36 | au TOM'S LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 中嶋 一貴 ジェームス・ロシター | 81 | 1'20.455 | 7.607 | BS | |
6 | 19 | WedsSport ADVAN LC500 LEXUS LC500 / RI4AG | 関口 雄飛 国本 雄資 | 81 | 1'20.601 | 9.219 | YH | |
7 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 81 | 1'21.066 | 20.096 | MI | |
8 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 安田 裕信 ヤン・マーデンボロー | 81 | 1'20.939 | 32.360 | BS | |
9 | 16 | MOTUL MUGEN NSX-GT Honda NSX / HR-417E | 武藤 英紀 中嶋 大祐 | 81 | 1'21.011 | 40.195 | YH | |
10 | 24 | フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 佐々木 大樹 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | 81 | 1'21.294 | 51.691 | YH | |
11 | 17 | KEIHIN NSX-GT Honda NSX / HR-417E | 塚越 広大 小暮 卓史 | 73 | 1'20.868 | 8Laps | BS | |
12 | 64 | Epson Modulo NSX-GT Honda NSX / HR-417E | ベルトラン・バゲット 松浦 孝亮 | 57 | 1'21.550 | 24Laps | DL | |
46 | S Road CRAFTSPORTS GT-R NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A | 本山 哲 千代 勝正 | 33 | 1'21.528 | 48Laps | MI | ||
100 | RAYBRIG NSX-GT Honda NSX / HR-417E | 山本 尚貴 伊沢 拓也 | 5 | 1'21.260 | 76Laps | BS | ||
8 | ARTA NSX-GT Honda NSX / HR-417E | 野尻 智紀 小林 崇志 | DNS | BS |