LEXUS GAZOO Racing

SUPER GT 2017年 第2戦 富士

決勝

立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車が圧勝。2位に大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組 WAKO'S 4CR LC500 6号車、3位に平川 亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車が続き、LEXUS LC500は悲願のホームでの勝利を表彰台独占

LEXUS LC500が『ホーム』富士で悲願の勝利
立川祐路/石浦宏明組が制し、LEXUSが開幕2戦連続表彰台独占

SUPER GT第2戦が富士スピードウェイで行われ、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車がポールポジションから後続を引き離し圧勝、500kmの長丁場を制した。2位に大嶋 和也/アンドレア・カルダレッリ組 WAKO'S 4CR LC500 6号車、3位に平川 亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM'S LC500 37号車が続き、LEXUS LC500は悲願のホームでの勝利を表彰台独占で飾った。

 4日(木)は朝方こそ雲が残ったものの、昼前には晴れ渡り、この数日で最も好天に恵まれた。強い日差しの下で午後2時10分、静岡県警の白バイ、パトカーによる交通安全パレードラップ、フォーメーションラップを経て110周、500kmで争われる長い戦いのスタートが切られた。

 スタートはグリッドのまま順当に切られ、スタート直後は立川が駆る首位の38号車に、2番手の23号車GT-Rが迫る場面も見られたが、周回を重ねる毎に38号車は後続との差を広げていき、また、序盤ペースの上がらなかった6号車をかわし3,4位につけていたジェームス・ロシターのau TOM'S LC500 36号車とヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD LC500 1号車が23号車をパスし、7周目にしてLEXUS LC500の1-2-3体制となった。

 27,8周目あたりから最初のピットインに向かう車両が出始め、全車が1回目のピットを終えた時点で、石浦へと交代した38号車は首位をキープ。平手晃平に代わった1号車が伊藤大輔の36号車をかわして2位へ浮上。ピットを終えた時点では、GT-Rに次ぐ5位につけていたカルダレッリの6号車は猛追を見せ、39周目にこれをパス。LEXUS勢がトップ4を占める前半戦となった。

 38号車が2位以下を引き離して独走する一方で、LEXUS同士の2位争いは激化。2位を行く平手の1号車に伊藤の36号車が迫り、数周にわたってのテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられたが、周回遅れのGT300クラス車両を両側からかわした2台は、その先で接触。1号車がスピンを喫し、36号車はこの接触でドライブスルーペナルティを科されてポジションを落とすこととなってしまった。

 また、1号車はこのバトルの中で他のGT300車両と接触し、車両にダメージを負っており、苦戦。55周目には追い上げてきた6号車にかわされ、その後も、40kgのウェイトハンデにもかかわらずハイペースでの追い上げを見せた37号車平川の先行も許してしまった。

 70周を過ぎたあたりから各車2度目のピットへ。全車がピットを終えた時点で、38号車、6号車、37号車、1号車のトップ4体制となったが、1号車は96周目に痛恨の単独スピン。8秒のタイムロスを喫し、7位へと後退。

 終盤に入ると、6号車の大嶋が好ペースで周回を重ね、首位38号車との差をじりじりと詰めていったが、中盤に築いたマージンは大きく、4.8秒差で38号車が逃げ切り圧巻のポール・トゥ・ウィン。立川/石浦組38号車が今季初勝利を挙げると共に、LEXUSにとっては、2013年夏の第6戦以来となる『ホーム』富士での勝利をもたらした。
 2位に大嶋/カルダレッリ組6号車、3位に平川/キャシディ組37号車が続き、LEXUS勢は開幕戦岡山に続き、2戦連続の表彰台独占。

スタートシーン スタートシーン

ZENT CERUMO LC500 38号車(立川祐路/石浦 宏明) ZENT CERUMO LC500 38号車(立川祐路/石浦 宏明)

WAKO'S 4CR LC500 6号車(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ) WAKO'S 4CR LC500 6号車(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)

LEXUS LC500同士の争いがコース上の各所で展開された LEXUS LC500同士の争いがコース上の各所で展開された

 ペナルティから終盤猛烈な追い上げを見せた36号車が5位、苦しみながらも1号車が7位、WedsSport ADVAN LC500 19号車が10位でフィニッシュし、LEXUS LC500は6台全車がトップ10フィニッシュでポイント獲得を果たした。
今大会の結果、2戦連続の表彰台獲得となった37号車の平川/キャシディ組のランキング首位、大嶋/カルダレッリ組の2位は変わらないものの、大嶋/カルダレッリ組は首位と僅か1ポイント差となり、優勝した立川/石浦組が2ポイント差の3位へと浮上した。

ZENT CERUMO LC500 38号車 立川 祐路

本当に嬉しい。久々の富士での勝利で、3年間悔しい思いをしてきたので、今回勝てて本当に良かったし、富士でも勝てるクルマを目標に開発してくれたそして今週その車をきちんと完璧に仕上げて、レース中もトラブルやピット作業のミスなくこなしてくれたチームにも感謝したい。今日のレースに関しては、スタートを僕が行って、出来るだけ逃げたいという思いもあったが、周りのLEXUS陣営も速く、僅差ですごく大変な序盤だった。ただ、GT300クラスが現れてからは、それを上手く処理することに専念して、後続との間隔は保ったまま石浦選手に交代出来た。その後は石浦選手が頑張ってくれて、状況も味方して10秒以上のマージンが出来たので、最後のスティントは本当に楽をさせてもらった。後続との間隔を見ながら安全に、確実にゴールまで運ぶだけだったので、僕としては楽だったし、クルマが本当に良かった。

立川 祐路と石浦 宏明

ZENT CERUMO LC500 38号車 石浦 宏明

まず最初スタート直後の立川選手が走っているところを見ながら、セクタータイムなどを見ていて、やはりそう簡単には勝てそうにないなというくらい周りも速く、今日は厳しい戦いになるというのは覚悟していた。昨日から自分のアウトラップがすごく大事な要素になるなと思っていたので、今日もフリー走行の段階からコールドタイヤで練習させてもらい、その成果を出せて、自分なりに納得出来るアウトラップが走れたので、そこからは落ち着いて走った。途中タイムを失ったりもしたが、自分の走りに集中して、立川選手になるべくリードを築いてから渡したいという気持ちで集中して走った。今回本命というか、期待されていたのは分かっていたので、プレッシャーには感じていた。前回チームとしても少し失敗の部分もあったので、その反省を今回に繋げ、みんなで今回にかけた意気込みが結果に繋がったので本当に嬉しい。

WAKO'S 4CR LC500 6号車 大嶋 和也

思ったよりもタイヤの暖まりと内圧の上がりが悪く、前半苦戦した。それで順位を落としてしまった分、挽回しなくてはと最後まで必死に走った。最後速かっただけに、序盤もう少し上手く走れていれば勝てるチャンスがあったのではないか、とそういう意味ではちょっと悔しいが。去年に増してレースを力強く戦えてると思うし、シーズンのことを考えれば、ランキングも僅差の2位なので、非常に良いレースだったと思う。次戦オートポリスは第2の故郷というか、生まれは九州なので、是非良い結果を残したいと思うし、僕らは行っていないが、岡山やオートポリスのテストでも非常にLEXUS LC500は好調だったので、そのデータを参考にして、上位を目指したい。

大嶋和也とアンドレア・カルダレッリ

WAKO'S 4CR LC500 6号車 アンドレア・カルダレッリ

スタートを担当した(大嶋)和也は序盤、タイヤのトラブルでペースが上がらなかったが、その後調子を取り戻すことが出来、追い上げた。チャンピオンシップは非常に接近戦になるだろうから、1ポイントが重要になるし、我々の車両の戦闘力が高いことは分かっていたので懸命に走ったし、ペースも悪くなかった。チームやドライバーみんなでとても良い仕事をした結果で、チャンピオンシップを考えても2位は悪くない。次戦は更に難しいレースになると思うが、今年のLC500は素晴らしい車両なので出来る限りのポイントを稼ぐべく、安全に、賢く戦いたい。

KeePer TOM'S LC500 37号車 平川 亮

悪くない結果だと思う。トップ6を目標にやってきたので、その中で上手くレースをこなせた。周りがつぶれたりといった運も味方してくれて、3位表彰台が獲得出来、なおかつポイントもリードしたまま終われたので良かった。次戦は更にハンデが厳しくなるので、無理せず戦いたい。初戦、第2戦とポイントを多く稼ぐという展開のシーズンは2回目で、今後どういうレースをしたら良いかというのは分かっているので、その中で無理せずしっかりポイントを取っていきたい。

平川 亮とニック・キャシディ

KeePer TOM'S LC500 37号車 ニック・キャシディ

表彰台獲得という結果にはとても満足している。我々はとても重いウェイトハンデを積んでいたので、今週末は困難になることは分かっていた。それを考えれば表彰台は最良の結果だろう。(平川)亮がとても良い走りをしてくれた。個人的には自分のパフォーマンスには若干不満が残るが、その分次戦頑張りたい。

RESULT
SUPER GT 2017年 第2戦 富士 決勝結果:GT500

順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
138ZENT CERUMO LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
1101'30.5882:52'28.925BS16
26WAKO'S 4CR LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
大嶋 和也
アンドレア・カルダレッリ
1101'30.9444.797 BS30
337KeePer TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
平川 亮
ニック・キャシディ
1101'30.98625.196 BS40
423MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
1101'30.98231.792MI8
536au TOM'S LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
伊藤 大輔
ジェームス・ロシター
1101'30.48033.567BS12
6100RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
山本 尚貴
伊沢 拓也
1101'30.73335.071BS
71DENSO KOBELCO SARD LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
平手 晃平
1101'30.50051.376 BS22
817KEIHIN NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
塚越 広大
小暮 卓史
1101'31.48555.931 BS
98ARTA NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
野尻 智紀
小林 崇志
1101'31.5181'11.115BS2
1019WedsSport ADVAN LC500
LEXUS LC500 / RI4AG
関口 雄飛
山下 健太
1091'31.2301LapYH10
1146S Road CRAFTSPORTS GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
本山 哲
千代 勝正
1091'31.7311LapMI
1224フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
佐々木 大樹
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
1081'31.8082LapsYH2
1364Epson Modulo NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
ベルトラン・バゲット
松浦 孝亮
1061'32.1334LapsDL
1412カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
安田 裕信
ヤン・マーデンボロー
1011'31.8059LapsBS6
1516MOTUL MUGEN NSX-GT
Honda NSX GT / HR-417E
武藤 英紀
中嶋 大祐
931'32.19317LapsYH4