スーパーフォーミュラ・ライツの第5大会が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DCドライバーの宮田 莉朋(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)が第12戦と第14戦で勝利を上げ、最終大会を待たずして今季のシリーズチャンピオンを決定。新生スーパーフォーミュラ・ライツの初代チャンピオンに輝きました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第5大会(第12戦、第13戦、第14戦)が12月5日(土)と6日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
今季よりスーパーフォーミュラ・ライツと名称新たに行われることとなったミドルフォーミュラ・シリーズは、新型コロナウイルス感染症の影響で開幕が大幅に遅れたものの、8月末より全6大会/17戦で戦われ、ここまで11戦が終了しています。
今季のスーパーフォーミュラ・ライツには、トヨタのTGRドライバーズ・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)育成ドライバーとして、宮田と小高一斗(カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S)の2名がエントリー。 全日本F3時代から数えると参戦4年目となる宮田が11戦中8勝を挙げる圧倒的な強さを見せています。最終大会を残して宮田が念願のタイトル獲得を決めるか、注目の大会となりました。
予選
5日(土)、快晴の下で午前8時15分から30分間の予選が開始されました。この予選でのベストタイムで第12戦、セカンドベストタイムで第13戦のスターティンググリッドが決定されます。
セッション開始と同時に宮田、小高らを含む多くの車両がコースインし、一旦アタックしたあと、ピットへ戻ってタイヤを交換し再アタックを行いました。
宮田はどちらもまずトップにつけますが、やや遅れてアタックしたライバルに上回られ、第12戦、第13戦共に2番手グリッドとなりました。小高はベストタイムで宮田にコンマ1秒差まで迫り、こちらも第12戦、第13戦共に3番手タイムをマークしました。
第12戦決勝
予選の後、スーパーフォーミュラの予選、決勝を経て、予定よりも10分遅れの午後3時20分、第12戦の決勝レース(12周)がスタートしました。なお、予選で3番手タイムをマークした小高は、前日の専有走行時にエンジンにトラブルが出たため交換を余儀なくされ、規則により5グリッド降格。8番手グリッドからのスタートとなりました。
スタートでは、最前列イン側2番手の宮田がまずまずのスタートを切ると、ポールポジションの車両がイン側に寄せてくるのを一歩も引かず、そのままトップで1コーナーを抜け首位に浮上。その後は2位以下との差を周回毎に広げていきました。
8番手スタートの小高は、スタートで5位までジャンプアップ。3周目には4位へとポジションを上げました。
首位を独走する宮田は、最終的に2位に11秒もの大差をつけてフィニッシュ。今季9勝目を挙げました。
小高は再三にわたって前の車両を攻めましたが、逆転には至らず4位でチェッカー。2位でチェッカーを受けた車両がスタート時の危険行為として30秒加算のペナルティを科されたため、ひとつ順位が繰り上がり、3位表彰台となりました。
第13戦決勝
6日(日)も好天に恵まれましたが、朝8時25分とまだまだ肌寒い時間に、気温11度、路面温度12度というコンディションで第13戦の決勝レースがスタートしました。
スタートでは、2列目3番手グリッドの小高が抜群のダッシュを決め、2番手グリッドの宮田をパスし、2位へと浮上しました。
その後、小高は首位の車両と1秒ほどの差を保ったまま周回。一方で宮田は小高に迫るものの逆転には至らず、4周目には一旦間隔を開けて、5周目にファステストラップを更新。しかし、その宮田は7周目にデグナーコーナーでコースオフ。今季初めてのリタイアとなってしまいました。
2位の小高は終盤も首位との差を詰めるなど攻め続けましたが、逆転には至らず、第2戦以来となる、自己最高位タイの2位フィニッシュを果たしました。
第14戦決勝
この週末最後のレースとして、日も少し傾いた午後3時15分、予定よりも5分遅れで第14戦決勝レース(17周)のスタートが切られました。
このレースのスターティンググリッドは前日の第12戦決勝結果で決定され、宮田がポールポジション、小高は3番手からのスタート。スタートで2番手の車両がやや出遅れたこともあり、小高は宮田に続く2位へと浮上しました。
宮田と小高の1-2体制で、3周を終えたときには3位に6秒以上の大差をつけていましたが、4周目にコースアウト車両によりセーフティカーが導入され、マージンは帳消しに。6周目に再スタートが切られると、今度は宮田が小高を引き離して行きました。
小高は逆に後続からの猛追を受けることとなり、終盤、2位争いのバトルはテール・トゥ・ノーズに。16周目のシケインでインをつかれた小高でしたが、小高は続くストレートで並び返し、2台は並んだまま1コーナーからS字コーナーへと進入。クリーンなバトルが展開されましたが、惜しくもその先でライバルの先行を許し、3位へと後退。そのまま3位でチェッカーとなりました。
首位を行く宮田は最終的に2位に6秒差をつけてトップチェッカー。今季10勝目を上げ、最終大会の3戦を残して、シリーズチャンピオンを確定しました。宮田にとっては全日本F3時代から数えて4年目の参戦での悲願のタイトル獲得。そして宮田は新生スーパーフォーミュラ・ライツの初代チャンピオンにも輝くこととなりました。また、チーム部門、エンジンチューナー部門でもカローラ中京 Kuo TEAM TOM'Sと株式会社トムスがチャンピオンを決めました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第12戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | 宮田 莉朋 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 12 | 22'16.776 | 2 | 1'49.199 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
2 | 35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 12 | 11.546 | 4 | 1'50.291 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
3 | 37 | 小高 一斗 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 12 | 11.795 | 3 | 1'49.290 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
4 | 13 | 片山 義章 | B-MAX ENGINEERING | 12 | 18.420 | 5 | 1'50.508 | SPIESS A41 |
5 | 2 | 名取 鉄平 | TODA RACING | 12 | 21.122 | 6 | 1'51.004 | TODA TR-F301 |
6 | 3 | ルッカ・アレン | ALBIREX RACING TEAM | 12 | 25.700 | 7 | 1'51.373 | TOMEI TB14F3 2020 |
7 | 5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 12 | 26.050 | 8 | 1'51.427 | TOMEI TB14F3 2020 |
8 | 50 | 阪口 晴南 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 40.003 | 1 | 1'49.046 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 12 | 57.055 | 10 | 1'52.942 | SPIESS A41 |
10 | 51 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 1'00.715 | 11 | 1'53.284 | SPIESS A41 |
11 | 10 | 植田 正幸 | Rn-sports | 12 | 1'26.025 | 9 | 1'52.709 | SPIESS A41 |
0 | 52 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 1 | 11Laps | 12 | 1'53.337 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 阪口 晴南 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 22'16.182 | 1 | 1'49.337 | SPIESS A41 |
2 | 37 | 小高 一斗 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 12 | 1.157 | 3 | 1'49.801 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
3 | 2 | 名取 鉄平 | TODA RACING | 12 | 16.992 | 5 | 1'51.048 | TODA TR-F301 |
4 | 35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 12 | 17.631 | 4 | 1'50.317 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
5 | 13 | 片山 義章 | B-MAX ENGINEERING | 12 | 17.982 | 6 | 1'51.156 | SPIESS A41 |
6 | 5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 12 | 18.752 | 8 | 1'51.692 | TOMEI TB14F3 2020 |
7 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 12 | 41.269 | 10 | 1'53.163 | SPIESS A41 |
8 | 10 | 植田 正幸 | Rn-sports | 12 | 50.487 | 9 | 1'53.061 | SPIESS A41 |
0 | 52 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 7 | 5Laps | 12 | 1'53.470 | SPIESS A41 |
0 | 36 | 宮田 莉朋 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 6 | 6Laps | 2 | 1'49.428 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
0 | 51 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 4 | 8Laps | 11 | 1'53.361 | SPIESS A41 |
0 | 3 | ルッカ・アレン | ALBIREX RACING TEAM | 1 | 11Laps | 7 | 1'51.552 | TOMEI TB14F3 2020 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第14戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 36 | 宮田 莉朋 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 17 | 33'14.764 | 1 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
2 | 50 | 阪口 晴南 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 6.254 | 8 | SPIESS A41 |
3 | 37 | 小高 一斗 | カローラ中京 Kuo TEAM TOM'S | 17 | 6.415 | 3 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
4 | 35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 17 | 15.385 | 2 | TOYOTA TOM'S TAZ31 |
5 | 2 | 名取 鉄平 | TODA RACING | 17 | 16.113 | 5 | TODA TR-F301 |
6 | 3 | ルッカ・アレン | ALBIREX RACING TEAM | 17 | 20.230 | 6 | TOMEI TB14F3 2020 |
7 | 13 | 片山 義章 | B-MAX ENGINEERING | 17 | 24.798 | 4 | SPIESS A41 |
8 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 17 | 47.273 | 9 | SPIESS A41 |
9 | 10 | 植田 正幸 | Rn-sports | 17 | 55.648 | 11 | SPIESS A41 |
10 | 51 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 59.588 | 10 | SPIESS A41 |
11 | 52 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 1'49.280 | 12 | SPIESS A41 |
0 | 5 | 入山 翔 | ALBIREX RACING TEAM | 3 | 14Laps | 7 | TOMEI TB14F3 2020 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 宮田 莉朋 | TOYOTA TOM'S TAZ31 | 136 |
2 | 阪口 晴南 | SPIESS A41 | 107 |
3 | 小高 一斗 | TOYOTA TOM'S TAZ31 | 55 |