スーパーフォーミュラ・ライツの開幕大会(第1,2,3戦)が富士スピードウェイで行われ、TGR-DCレーシングスクールの支援ドライバーで、今大会スポットで初めて同シリーズに出場した野中誠太(TOM'S)が第2戦で3位表彰台を獲得。TGR-DC支援ドライバーとして今季よりシリーズにフル参戦する平良響(TOM'S)は第1戦、第3戦で4位フィニッシュを果たしました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が4月3日(土)と4日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
同シリーズはトップドライバーへの登竜門として若手ドライバーが競い合うミドルフォーミュラシリーズとして、全日本F3選手権からスーパーフォーミュラ・ライツへと名称を変更して2年目のシーズンとなります。
昨年はTGRドライバー・チャレンジ・プログラム(TGR-DC)支援ドライバーの宮田莉朋がシリーズ初年度のチャンピオンに輝き、宮田は今季スーパーフォーミュラへとステップアップ。今季の同シリーズには、TGR-DCドライバーの小高一斗が引き続き参戦するのに加え、昨年FIA-F4でチャンピオンを獲得した平良がTGR-DCドライバーとして参戦します。
今大会は、スーパーフォーミュラを欠場する小林可夢偉の代役として、小高一斗がスーパーフォーミュラにスポット参戦するため、スーパーフォーミュラ・ライツには今季TGR-DCレーシングスクールの支援ドライバーとしてFIA-F4を戦う野中が代わりに出場することとなりました。
予選
好天に恵まれた3日(土)、午後12時15分より30分間の予選が行われました。このセッションでのベストタイムで第1戦のスターティンググリッド、セカンドベストタイムで第2戦のグリッドが決定されます。ほとんどの車両がセッション開始と共にコースインしていき、タイヤを暖めながらタイムを更新していきました。
平良、野中ともに初めてのスーパーフォーミュラ・ライツでの予選セッションとなりましたが、1セット目のアタックでは平良が3番手、野中が5番手につけました。
全車1セット目のアタックを終えたところで一旦ピットへと戻り、タイヤを交換、平良、野中ともにセッティングも調整して2セット目のアタックへ。ここでは野中がタイムを伸ばし、3番手に浮上。第1戦は野中が3番手、平良が5番手。第2戦は野中4番手、平良は5番手のグリッドを獲得しました。
第1戦決勝
予選の後、スーパーフォーミュラの予選などを経た午後4時25分、第1戦の決勝レース(21周)が行われました。スタートでは、5番手グリッドの平良が好ダッシュを決め、3番手に並びかけながらTGRコーナー(1コーナー)へと進入。惜しくも3位浮上は叶いませんでしたが、4位へとひとつポジションを上げました。一方で3番手グリッドの野中はスタートでやや出遅れ、6位へと後退。
4位の平良はその後単独走行が続きましたが、6位の野中は一旦離された前車との差をじりじりと詰めていき、18周目のTGRコーナーで並びかけると、コカ・コーラコーナーでパス。5位へとポジションを上げました。しかし、その直後にダンロップコーナーでバトル中のライバルと接触。大きく順位を落とすこととなってしまいました。
平良はそのまま4位でフィニッシュ。表彰台には届きませんでしたが、スーパーフォーミュラ・ライツのデビュー戦で入賞、ポイント獲得を果たしました。野中はほぼ最後尾まで落ちてから9位まで順位を取り戻しましたが、レース後、接触に対する裁定で30秒のペナルティが科され、10位フィニッシュとなりました。
第2戦決勝
第2戦は4日(日)朝8時25分より行われました。空は雲が多いもののドライコンディション。5番手グリッドの平良は、ウォームアップでコースへ一旦出て行きましたが、車両のトラブルに見舞われすぐにピットイン。スタートまでに修復は叶わず、第2戦は無念の欠場となってしまいました。
野中は2列目4番手グリッドからまずまずなスタートを決め、4位をキープ。後続から終始激しい追撃を受ける展開となりました。しかし、野中はポジションを堅守。11周目に3位の車両がスピンを喫したことで3位へとひとつ順位を上げると、ファイナルラップまでそのポジションを守り切り、3位でチェッカー。スポットで今大会初のスーパーフォーミュラ・ライツに参戦した野中が、2戦目にして表彰台獲得を果たしました。
第3戦決勝
直前まで行われていたスーパーフォーミュラの決勝中に、雨が僅かに降ってきましたが、そこまで路面は濡れておらず、第3戦へ向けてコースインしたスーパーフォーミュラ・ライツの車両は大半がスリックタイヤを装着。しかし、グリッドでのスタート待機中にやや雨脚が強まり、全車レインタイヤへと交換して午後4時20分に第3戦(15周)のスタートが切られました。
最前列2番手グリッドの車両がエンジンストールを喫しましたが、その真後ろ4番手グリッドの平良はこれをうまく避け、3位へとポジションアップ。10番手グリッドからスタートした野中は1周目で2つポジションアップ。3周目には6位へと順位を上げました。
レース序盤はほとんど降っていなかった雨でしたが、中盤から雨脚がやや強まり各車ペースダウン。そんな中で平良は3位争いのバトルを繰り広げました。
平良は最後まで前車を攻め続け、最後はほぼ並んでチェッカーを受けましたが、僅か1000分の6秒届かず、4位でフィニッシュ。表彰台獲得はなりませんでした。野中もその後方でバトルを繰り広げ、6位でチェッカーを受けました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 名取 鉄平 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 32'59.578 | 1 | 1'33.517 | SPIESS A41 |
2 | 2 | 佐藤 蓮 | TODA RACING | 21 | 0.622 | 2 | 1'33.597 | SPIESS A41 |
3 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | TOM'S | 21 | 7.353 | 4 | 1'33.737 | TOM'S TAZ31 |
4 | 37 | 平良 響 | TOM'S | 21 | 17.744 | 5 | 1'33.886 | TOM'S TAZ31 |
5 | 35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 21 | 20.961 | 6 | 1'34.061 | TOM'S TAZ31 |
6 | 10 | 三宅 淳詞 | ルーニースポーツ | 21 | 22.129 | 7 | 1'34.185 | SPIESS A41 |
7 | 51 | 小山 美姫 | B-MAX ENGINEERING | 21 | 24.935 | 9 | 1'34.580 | SPIESS A41 |
8 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX ENGINEERING | 21 | 37.265 | 10 | 1'34.780 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 21 | 50.88 | 11 | 1'35.065 | SPIESS A41 |
10 | 1 | 野中 誠太 | TOM'S | 21 | 1'14.497 | 3 | 1'33.688 | TOM'S TAZ31 |
11 | 11 | 植田 正幸 | ルーニースポーツ | 21 | 1'22.914 | 12 | 1'36.920 | SPIESS A41 |
12 | 5 | 神 晴也 | ALBIREX RACING TEAM | 20 | 1Lap | 8 | 1'34.251 | TOMEI TB14F3 2020 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第2戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 佐藤 蓮 | TODA RACING | 15 | 23'37.438 | 2 | 1'33.671 | SPIESS A41 |
2 | 50 | 名取 鉄平 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 1.903 | 1 | 1'33.654 | SPIESS A41 |
3 | 1 | 野中 誠太 | TOM'S | 15 | 7.012 | 4 | 1'34.043 | TOM'S TAZ31 |
4 | 5 | 神 晴也 | ALBIREX RACING TEAM | 15 | 7.552 | 8 | 1'34.306 | TOMEI TB14F3 2020 |
5 | 10 | 三宅 淳詞 | ルーニースポーツ | 15 | 14.546 | 7 | 1'34.244 | SPIESS A41 |
6 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | TOM'S | 15 | 15.434 | 3 | 1'33.834 | TOM'S TAZ31 |
7 | 35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 15 | 17.371 | 6 | 1'34.194 | TOM'S TAZ31 |
8 | 51 | 小山 美姫 | B-MAX ENGINEERING | 15 | 18.441 | 9 | 1'34.745 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 15 | 27.568 | 11 | 1'35.172 | SPIESS A41 |
10 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX ENGINEERING | 15 | 28.078 | 10 | 1'34.861 | SPIESS A41 |
11 | 11 | 植田 正幸 | ルーニースポーツ | 15 | 53.014 | 12 | 1'36.975 | SPIESS A41 |
37 | 平良 響 | TOM'S | 未出走 | 5 | 1'34.069 | TOM'S TAZ31 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第3戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 三宅 淳詞 | ルーニースポーツ | 15 | 27'24.115 | 6 | SPIESS A41 |
2 | 50 | 名取 鉄平 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 1.018 | 1 | SPIESS A41 |
3 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | TOM'S | 15 | 7.506 | 3 | TOM'S TAZ31 |
4 | 37 | 平良 響 | TOM'S | 15 | 7.512 | 4 | TOM'S TAZ31 |
5 | 5 | 神 晴也 | ALBIREX RACING TEAM | 15 | 8.504 | 12 | TOMEI TB14F3 2020 |
6 | 1 | 野中 誠太 | TOM'S | 15 | 11.913 | 10 | TOM'S TAZ31 |
7 | 51 | 小山 美姫 | B-MAX ENGINEERING | 15 | 30.126 | 7 | SPIESS A41 |
8 | 30 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING | 15 | 34.009 | 9 | SPIESS A41 |
9 | 2 | 佐藤 蓮 | TODA RACING | 15 | 48.547 | 2 | SPIESS A41 |
10 | 11 | 植田 正幸 | ルーニースポーツ | 15 | 1'00.421 | 11 | SPIESS A41 |
11 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX ENGINEERING | 13 | 2Laps | 8 | SPIESS A41 |
35 | 河野 駿佑 | RS FINE | 6 | 9Laps | 5 | TOM'S TAZ31 |
ドライバーズポイント
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 名取鉄平 | SPIESS A41 | 27 |
2 | 佐藤蓮 | SPIESS A41 | 19 |
3 | 三宅淳詞 | SPIESS A41 | 13 |
5 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 6 |
6 | 平良響 | TOM'S TAZ31 | 6 |