スーパーフォーミュラ・ライツの第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が富士スピードウェイで行われ、第1戦ではシリーズフル参戦初年度の野中誠太(TOM'S)が初勝利。第2戦では小高一斗(TOM'S)、第3戦ではフル参戦2年目の平良響(TOM'S)が初勝利を挙げ、TGR-DC育成ドライバーの3名が3レースで勝利を分け合う結果となりました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が4月9日(土)と10日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツは、1大会3レース制で全6大会18戦が行われます。今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして小高、平良、野中の3名がフル参戦します。
予選
9日(土)午前8時50分より、30分間での予選が行われました。天候は快晴、気温は16度、路面温度25度とこの時期としては暖かさも感じるコンディションとなりました。
TOM'S勢はセッション開始と共に一斉にコースイン。10分ほどのアタックで一旦ピットへと戻りました。この時点では野中が4番手、小高が5番手、平良は7番手。 セッティングを調整し、タイヤを交換して残り10分ほどで全車再アタックへ。小高は大きくタイムアップを果たしましたが、コンマ011秒及ばず惜しくも2番手。しかしセカンドベストタイムではトップとなり、第2戦は自身初となるポールポジションを獲得しました。
野中は3番手と1000分の4秒という僅差で4番手。セカンドベストの第2戦も2列目4番手グリッドを確保。平良も2セット目で0.8秒ほどのタイムアップを果たしましたが、3列目6番手、第2戦は5番手グリッドとなりました。
なお、第1戦で2番手タイムをマークした小高は、前日の専有走行後にエンジン交換を行ったため、第1戦は5グリッド降格で7番手グリッド。野中と平良がそれぞれ3番手、5番手からのスタートとなります。
第1戦決勝
予選の後、スーパーフォーミュラの予選などを経て、午後12時30分より第1戦の決勝レース(21周)が行われました。気温は18度、路面温度は39度まで上昇。しかし、風が非常に強い中でのレースとなりました。
スタートではポールポジションの車両がやや出遅れる一方で、その後方2列目3番手グリッドの野中がTGRコーナー(1コーナー)でライバルに並ぶと、上位2台が接触したこともあり、首位に浮上。その後方では5番手スタートの平良、7番手スタートの小高も3,4位へと順位を上げました。
首位に立った野中は、2位の車両に1秒弱の差で追走されたものの、落ち着いた走りで5周を過ぎたあたりからはじりじりとその差を広げていきました。
3位、4位の平良と小高も大きく離されることはないものの、1秒前後の差を保ち、順位変動のないまま周回を重ねることとなりました。
終盤に入ると、燃料が軽くなったことで各車ラップタイムが上がり、ファステストタイムが次々に更新される展開となりましたが、4位を走行する小高がファイナルラップに意地を見せ、ファステストラップを更新。
中盤、ライバルとの差をやや詰められたものの、野中は落ち着いた走りで終盤も逃げ切りトップチェッカー。スーパーフォーミュラ・ライツでのシーズンフル参戦最初のレースで、自身初勝利を飾りました。
平良が3位で表彰台を獲得。小高が7番手スタートからの追い上げで4位フィニッシュとなりました。
第2戦決勝
10日(日)も朝から好天に恵まれ、土曜日の予選時よりも遅い時間と弱まった風により、気温19度、路面温度31度というコンディションで午前9時25分より15周での第2戦決勝レースが行われました。
ポールポジションの小高は好スタートで首位をキープ。その後方では、5番手グリッドの平良がやはり好ダッシュを見せ3位へ浮上、2番手の車両に並びかけますが抜くまでには到らず。4番手グリッドの野中は、平良にかわされたものの1台パスし、4位で1周目を終えましたが、2周目のストレートでかわされ、5位へと後退。
首位を行く小高は、ストレートスピードで勝る後続から、1秒以内で追われながらの周回を続けましたが、最後まで逃げ切り、2020年の第16戦以来となる、2年ぶり2勝目を飾りました。
3位に浮上した平良は、野中と共に、午後の第3戦へ向けタイヤを温存し、第1戦で使用したタイヤで臨んだこともあり、前の2台にはついていけず、後方から激しい追い上げを受け続けましたが、こちらも上手く抑えきり、2戦連続の3位表彰台を獲得しました。
序盤5位に後退した野中も、タイヤが厳しい中、前後とは間隔が空いた単独での走行ながら同等のペースで走りきり、5位フィニッシュ。ポイント獲得を果たしました。
第3戦決勝
スーパーフォーミュラの決勝を終えた午後4時35分、まだまだ気温は下がることなく、路面温度も30度以上のコンディションの中、今大会最後のレースとなる第3戦の決勝レースが15周で行われました。
このレースのグリッドは、前日の第1戦での決勝結果により決定。初優勝を飾った野中がポールポジション、平良が3番手、小高が4番手と2列目に並んでスタートを切りました。
ポールポジションの野中が若干スタートダッシュで出遅れたところ、その後方3番手グリッドの平良は得意のスタートダッシュで前の2台の間に入ろうとしましたが行き場がなく、アウトへと振って、TGRコーナーを大外から回って一気にトップへと浮上。野中は3位、小高は4位で1周目を終えました。
1周目で2位に0.8秒差を付けた平良は、その後じりじりと差を拡げていく展開。3位の野中は2位の車両を1秒以内の差で追走しチャンスを伺いました。一方、午前中のレースで優勝を果たした小高は1レース終了したユーズドタイヤを使用したためペースが上がらず、野中との差は広がり、後方が団子状態に。懸命の防戦を続けた小高でしたが、4周目にライバルの先行を許し、その後もポジションを落とす形となってしまいました。
首位を行く平良は周回毎に後続との差を拡げ、14周目にもファステストラップを更新。最後は2位に3秒近い差をつけトップチェッカー。スーパーフォーミュラ・ライツフル参戦2年目にして念願の初勝利を挙げました。
野中は3位、小高は惜しくもポイント圏を逃す7位でレースを終えました。
この開幕富士大会では、第1戦、第2戦、第3戦とそれぞれ異なるウィナーながら、TGR-DC育成ドライバーが勝利。全レースで表彰台を獲得した平良がランキング首位に立ちました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 21 | 33'24.795 | 4 | 1'33.382 | TOM'S TAZ31 |
2 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 0.624 | 5 | 1'33.401 | SPIESS A41 |
3 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 21 | 2.623 | 6 | 1'33.492 | TOM'S TAZ31 |
4 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 21 | 3.626 | 2 | 1'33.259 | TOM'S TAZ31 |
5 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 8.439 | 8 | 1'33.834 | SPIESS A41 |
6 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 21 | 15.358 | 9 | 1'34.053 | TOMEI TB14F3 2020 |
7 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 21 | 15.665 | 7 | 1'33.742 | TOM'S TAZ31 |
8 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 21 | 23.623 | 10 | 1'34.370 | TOMEI TB14F3 2020 |
9 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 21 | 1'25.141 | 13 | 1'36.192 | SPIESS A41 |
30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 10 | 11Laps | 12 | 1'35.705 | SPIESS A41 | |
4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 9 | 12Laps | 11 | 1'35.576 | SPIESS A41 | |
10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 7 | 14Laps | 1 | 1'33.248 | SPIESS A41 | |
2 | 太田格之進 | TODA RACING | 0 | 3 | 1'33.378 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第2戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 15 | 23'39.179 | 1 | 1'33.365 | TOM'S TAZ31 |
2 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 15 | 0.631 | 2 | 1'33.381 | SPIESS A41 |
3 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 15 | 5.646 | 5 | 1'33.509 | TOM'S TAZ31 |
4 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 15 | 6.726 | 3 | 1'33.460 | SPIESS A41 |
5 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 15 | 7.942 | 4 | 1'33.493 | TOM'S TAZ31 |
6 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 10.279 | 6 | 1'33.529 | SPIESS A41 |
7 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 15 | 11.850 | 7 | 1'33.767 | TOM'S TAZ31 |
8 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 15 | 15.081 | 9 | 1'34.137 | TOMEI TB14F3 2020 |
9 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 15.439 | 8 | 1'33.990 | SPIESS A41 |
10 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 15 | 19.685 | 10 | 1'34.421 | TOMEI TB14F3 2020 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 15 | 35.245 | 11 | 1'35.730 | SPIESS A41 |
12 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 35.574 | 12 | 1'35.828 | SPIESS A41 |
13 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 15 | 53.887 | 13 | 1'36.221 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第3戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 15 | 23'39.775 | 3 | TOM'S TAZ31 |
2 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 2.964 | 2 | SPIESS A41 |
3 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 15 | 3.768 | 1 | TOM'S TAZ31 |
4 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 15 | 10.325 | 13 | SPIESS A41 |
5 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 10.768 | 5 | SPIESS A41 |
6 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 15 | 18.518 | 12 | SPIESS A41 |
7 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 15 | 19.690 | 4 | TOM'S TAZ31 |
8 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 15 | 20.867 | 6 | TOMEI TB14F3 2020 |
9 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 15 | 21.811 | 7 | TOM'S TAZ31 |
10 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 15 | 25.287 | 8 | TOMEI TB14F3 2020 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 15 | 46.796 | 10 | SPIESS A41 |
12 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 15 | 47.073 | 11 | SPIESS A41 |
13 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 15 | 1'09.621 | 9 | SPIESS A41 |
ドライバーズポイント
(第3戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 21 |
2 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 17 |
3 | 小高一斗 | TOM'S TAZ31 | 15 |