スーパーフォーミュラ・ライツの第2大会(第4,5,6戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小高一斗(TOM'S)が第4戦と第6戦で勝利。第5戦も2位フィニッシュを果たし、ドライバーズランキング首位を守りました。また、同じくTGR-DCの育成ドライバーである野中誠太(TOM'S)が第4戦で3位表彰台を獲得しました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第2大会(第4戦、第5戦、第6戦)が4月23日(土)と24日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。
2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツは、1大会3レース制で全6大会18戦が行われます。今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして小高、平良響(TOM'S)、野中の3名がフル参戦。開幕大会となった2週間前の富士大会では、第1戦で野中、第2戦で小高、第3戦で平良がそれぞれ勝利を分け合うという結果に。ランキングでは3戦全てで表彰台に上がった平良がトップにつけています。
予選
23日(土)太陽が顔を覗かせ、気温24度、路面温度36度とかなり暖かい中、午前11時35分より30分間の予選が行われました。このセッションでのベストタイムで第4戦のスターティンググリッド、セカンドベストタイムで第5戦のスターティンググリッドが決定されます。
セッション開始と共に各車走行を開始し、5,6周ほどで一旦タイムをマークしてピットイン。この時点では小高が暫定の2番手、野中が5番手、平良は7番手。
その後ピットで待機した後、残り10分ほどで全車2セット目のタイヤを装着して再アタック開始。前日までの専有走行ではやや苦戦していた小高ですが、この予選では変更したセッティングが効を奏しトップタイムをマーク。セカンドベストでは3番手に終わりましたが、第4戦はポールポジションを獲得しました。
野中は前半の結果からセッティングを調整し、後半のアタックではタイムを更新、第4戦は3番手、第5戦は最前列2番手グリッドを獲得。平良はタイムが伸び悩み、第4戦6番手、第5戦は7番手からスタートを切ることとなりました。
第4戦決勝
予選の後、徐々に雲が多くなり、気温は25度、路面温度29度とあまり変わらないものの、夕刻を迎え、体感的には若干涼しく感じられる午後4時30分に12周で争われる第4戦の決勝レースがスタートしました。
ポールポジションの小高は好スタートを切り、3番手の野中、6番手の平良を含め上位勢には順位変動がないスタートとなりました。トップの小高は1周目に2位に1秒の差をつけたものの、若干ハンドリングに苦戦してペースが上がらず、1秒ほどの差のまま推移。7周目にはコースオフを喫し、コンマ4秒ほどにまで迫られることとなりました。
9周を終えたときにはその差は0.33秒まで詰まったものの、小高はこの追撃を凌ぎ切り、トップでチェッカー。第2戦に続き今季2勝目を挙げました。
3番手スタートの野中はその順位をキープ。前半戦はじりじりとトップ2から離される展開でしたが、後半追い上げていき、1秒ほどの差のまま3位でチェッカー。今季3度目の表彰台獲得となりました。
平良は得意のスタートでのジャンプアップはならず、6位はキープしたものの、ペースが上がらず5周目に後続にかわされ、7位でフィニッシュ。今季初のノーポイントとなりました。
第5戦決勝
24日(日)は予報通り朝から雨模様となり、午前10時50分、路面はウェット、気温17度、路面温度18度のコンディションながら、セーフティカー先導ではなく、グリッド静止状態からのスタンディングスタートでレースが開始されました。
最前列2番手グリッドの野中はまずまずのスタートで首位の車両に並びかけるも抜くまでには到らず2位をキープ。しかし、3番手スタートの小高がS字コーナーで野中をかわし、2位へ浮上。その後方では7番手グリッドの平良が得意のスタートで5位へとポジションを上げました。
首位の車両が巻き上げる水煙の中、2位の小高はじりじりと差を広げられる展開となりましたが、6周目にコースオフ車両がグラベルで止まってしまったためにセーフティカーが導入。8周目に残り4周での再スタートが切られました。
再スタートでも大きな順位変動は無く、それでも各車の差が縮まった状態での周回が重ねられていきましたが、10周目のS字コーナーで、3位走行中の野中がオーバーラン。5位の平良はあわや接触という状況でしたが間一髪でこれを避け、4位へと浮上。野中は7位へとポジションを落としてしまいました。
小高は逆転には至らず、首位から約1秒差の2位でチェッカー。平良は4位。野中は7位でチェッカーを受けましたが、コースオフ時の復帰が危険走行と判断され、ペナルティ加算により12位という結果に終わりました。
第6戦決勝
今大会最後のレースとなる第6戦決勝は、直前のスーパーフォーミュラ決勝終盤に雨はほぼ止んでいたものの路面は完全にウェット。全車ウェットタイヤを装着し、また雨がぱらつき始めた午後4時半に、前の2戦よりも5周多い17周でのスタートが切られました。
スターティンググリッドは第4戦の決勝結果で決定され、小高がポールポジションからのスタートとなりましたが、スタートダッシュで出遅れ、2位へと後退。2列目3番手グリッドの野中も出遅れたところに、7番手グリッドの平良が得意のダッシュを決め、野中をかわして5位へポジションアップ。野中は6位へと後退しました。
首位を追う小高でしたが、前半戦はじりじりと引き離され、6周目を終えた時点でその差は約3秒に。しかし、7周目にセクター1,セクター2でベストタイムをマークし、その時点でのファステストタイムをマークすると、首位との差を詰めて行き、9周目にはその差を1秒まで縮めました。
低速コーナーでは首位の車両にほぼテール・トゥ・ノーズにまで迫り、再三にわたってプレッシャーをかけ続けた小高でしたが、パスするまでには到らないまま周回が重ねられていきましたが、ファイナルラップ、S字コーナーを抜けた逆バンクで並ぶと、デグナーコーナー一つ目で逆転し、トップへ浮上。
ウェット路面で暴れる車両をねじ伏せながらのファイナルラップでの大逆転、という劇的な展開で今季3勝目を挙げました。
5位の平良は前の車両と1秒ほどの差で追走を続け、最後までチャンスを伺いましたがそのまま5位、野中は6位でフィニッシュ。この結果、2大会6戦を終えた時点で、ドライバーズランキングでは小高が首位、平良が3位、野中は4位につけています。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第4戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 12 | 22'45.426 | 1 | 1'51.450 | TOM'S TAZ31 |
2 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 12 | 0.570 | 2 | 1'51.788 | SPIESS A41 |
3 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 12 | 1.137 | 3 | 1'51.939 | TOM'S TAZ31 |
4 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 12 | 5.004 | 4 | 1'51.988 | TOM'S TAZ31 |
5 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 5.346 | 5 | 1'52.087 | SPIESS A41 |
6 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 8.711 | 7 | 1'52.304 | SPIESS A41 |
7 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 12 | 13.406 | 6 | 1'52.247 | TOM'S TAZ31 |
8 | 10 | 元嶋成弥 | ルーニースポーツ | 12 | 17.388 | 8 | 1'52.692 | SPIESS A41 |
9 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 12 | 30.647 | 9 | 1'53.751 | TOMEI TB14F3 2020 |
10 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 12 | 30.852 | 12 | 1'54.433 | TOMEI TB14F3 2020 |
11 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 44.270 | 10 | 1'53.977 | SPIESS A41 |
12 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 12 | 46.905 | 11 | 1'54.302 | SPIESS A41 |
13 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 12 | 51.799 | 13 | 1'55.982 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第5戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 12 | 28'55.931 | 1 | 1'52.045 | SPIESS A41 |
2 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 12 | 1.129 | 3 | 1'52.267 | TOM'S TAZ31 |
3 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 12 | 3.407 | 6 | 1'52.415 | TOM'S TAZ31 |
4 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 12 | 4.187 | 7 | 1'52.550 | TOM'S TAZ31 |
5 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 6.174 | 5 | 1'52.360 | SPIESS A41 |
6 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 8.765 | 4 | 1'52.357 | SPIESS A41 |
7 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 12 | 15.878 | 9 | 1'53.867 | TOMEI TB14F3 2020 |
8 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 12 | 22.200 | 11 | 1'54.557 | SPIESS A41 |
9 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 12 | 22.946 | 10 | 1'54.512 | TOMEI TB14F3 2020 |
10 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 12 | 25.338 | 12 | 1'55.325 | SPIESS A41 |
11 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 12 | 40.722 | 13 | 1'56.222 | SPIESS A41 |
12 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 12 | 41.539 | 2 | 1'52.226 | TOM'S TAZ31 |
10 | 元嶋成弥 | ルーニースポーツ | 5 | 7Laps | 8 | 1'53.358 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第6戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 17 | 37'50.811 | 1 | TOM'S TAZ31 |
2 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 17 | 1.228 | 2 | SPIESS A41 |
3 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 17 | 2.049 | 4 | TOM'S TAZ31 |
4 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 4.274 | 6 | SPIESS A41 |
5 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 17 | 5.850 | 7 | TOM'S TAZ31 |
6 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 17 | 6.820 | 3 | TOM'S TAZ31 |
7 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 12.147 | 5 | SPIESS A41 |
8 | 10 | 元嶋成弥 | ルーニースポーツ | 17 | 20.468 | 8 | SPIESS A41 |
9 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 17 | 25.567 | 9 | TOMEI TB14F3 2020 |
10 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 17 | 37.376 | 10 | TOMEI TB14F3 2020 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 17 | 50.298 | 12 | SPIESS A41 |
12 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 1'04.941 | 11 | SPIESS A41 |
13 | 11 | 植田正幸 | ルーニースポーツ | 17 | 1'32.979 | 13 | SPIESS A41 |
ドライバーズポイント
(第6戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小高一斗 | TOM'S TAZ31 | 43 |
2 | 太田格之進 | SPIESS A41 | 38 |
3 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 26 |
4 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 23 |