スーパーフォーミュラ・ライツの第4大会(第10,11,12戦)がスポーツランドSUGOで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小高一斗(TOM'S)が3戦全てで勝利。今季6勝目を挙げました。今大会3レース目の第12戦では、小高に続き平良響(TOM'S)が2位、野中誠太(TOM'S)が3位に入り、TGR-DC育成ドライバーが表彰台を独占する結果となりました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第4大会(第10戦、第11戦、第12戦)が6月18日(土)と19日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
2022年シーズンのスーパーフォーミュラ・ライツは、1大会3レース制の全6大会18戦で競われ、早くも後半戦に入りました。
今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして小高、平良、野中の3名がフル参戦しています。開幕の富士大会では、第1戦で野中、第2戦で小高、第3戦で平良がそれぞれ勝利。鈴鹿での第2大会では小高が第4戦、第6戦を制し今季3勝目を飾りましたが、前大会オートポリスでは苦戦。小高は3戦全てで表彰台を逃す結果となり、ドライバーズランキングでは首位と13ポイント差の2位につけています。
予選
18日(土)は好天に恵まれ、気温28度、路面温度43度と暑さを感じるほどのコンディションとなりました。直前のスーパーフォーミュラフリー走行での赤旗中断があった関係で、予定よりも10分遅れの午前11時10分より30分間の予選が行われました。
セッション開始と共に多くの車両がコースに向かいましたが、小高、平良、野中らはピットで待機し、5分を過ぎたところでタイミングをずらしてコースイン。先に出た他車がタイムアタックを終えたところでアタックを開始し、小高がトップタイム、平良が2番手、野中が5番手につけました。
その後一旦ピットへ戻り、セッション残りが7分を切ったあたりで各車最後のアタックへ。一旦小高がトップに立つも、ライバルに上回られ、第10戦は小高が2番手、野中が3番手、平良が4番手。セカンドベストタイムで決定される第11戦は小高がポールポジション。平良が4番手、野中は5番手グリッドとなりました。
第10戦決勝
予選の後、スーパーフォーミュラの予選を経て、やや雲が空を覆い始めた午後3時35分に第10戦の決勝レース(26周)のスタートが切られました。
最前列2番手グリッドの小高が好ダッシュを決め首位を奪いましたが、その一方で、2列目に並んでいた野中と平良は共にエンジンストールを喫し、最後尾へとポジションを落としてしまいました。
野中、平良をかわしていった車両が、1コーナーから2コーナーへと向かうところで接触してスピン。1周目にして早くもセーフティカーが導入されることとなってしまいました。
セーフティカーは3周目を終えたところで退去し、4周目から再スタート。トップの小高は首位を守りましたが、その後方の2位争いの車両がストレート上で接触し、1台がクラッシュ。この接触によりコース上にオイルが出てしまったため、その処理のためにレースは一旦赤旗中断となってしまいました。
40分近い中断の後、レースは再開され、セーフティカー先導から9周目に再開。この時点で首位は小高が堅守、野中は7位、平良は9位から再スタートを切り、1周で野中は5位までポジションを上げて見せましたが、レーススタート時、赤ランプが消える前に車が僅かに動いてしまっており、ジャンプスタートの裁定でドライブスルーペナルティ。再び最後尾へと後退を余儀なくされました。
首位の小高が順調に後続との差を広げ独走状態に入る中、平良は次々に前車をパスしていき、12周目には4位へと浮上。
14周目、3位走行中の車両がトラブルでコース脇にストップ。これで今レース3度目のセーフティカーが導入。2位との差を6秒に広げていた小高でしたが、マージンは帳消しとなってしまいました。
最後尾から追い上げていた野中にとってはここで差を詰め、追い上げのチャンスとなりました。
19周目に再スタートが切られると、3位の平良がアウトから前車をパスし、2位へ浮上。野中も7位へ順位を上げると、翌周には6位、21周目には5位へと見事な追い上げを見せました。22周目には前を行く車両がコースオフを喫したことで4位へ順位を上げると、終盤はさらに3位の車両を攻める展開となりました。
レースはセーフティカー走行が多かったこともあり、40分のタイムレースとなり、規定に1周足りない25周でチェッカー。首位の小高は終盤平良からの猛追を受けましたが逃げ切り、今季4勝目。平良はほぼ最後尾に一旦落ちながらも追い上げ2位表彰台を獲得。野中は最後まで3位の車両を攻めましたが、0.136秒及ばず4位フィニッシュとなりました。
第11戦決勝
19日(日)も朝から晴れ渡り、暑さを感じる中で、午前9時5分より第11戦の決勝レース(19周)が行われました。
1大会3レース制で行われる今季のスーパーフォーミュラ・ライツでは、2セットのタイヤが使えるため、この2レース目、3レース目にどのようにタイヤを使うかも戦略となります。
ポールポジションの小高は使用距離の少ないタイヤを装着し、ポジションをキープ。2列目4番手グリッドの平良はまずまずのダッシュを決めましたが、1コーナー進入で行き場がなく、4位、野中もグリッド順の5位をキープしての序盤戦となりました。
この後の第12戦に温存するため、昨日の第10戦で使用したタイヤを装着した野中はペースが上がらず、3周目のストレートで後続からパスされ6位に後退。
同じく第10戦のタイヤを装着した平良も前にはついていけず、単独走行となりました。
小高は後続を引き離していき、最終的には5秒の差を付けて独走優勝。今季5勝目を挙げました。平良と野中は後続からの追撃を最後まで凌ぎ切り、4位、6位でチェッカーを受けました。
第12戦決勝
第11戦の後、3時間ほどのインターバルを経て、午後12時35分より第12戦の決勝レースが行われました。このレースのスターティンググリッドは前日行われた第10戦の結果により決定。小高がポールポジション、平良が2番手に並び、その後方4番手から野中がスタートしました。
小高、平良は1-2体制を守り、3番手の車両がスタートダッシュで出遅れたのをかわした野中が3位へと浮上。TGR-DC育成ドライバーの1-2-3体制となりました。
後方グループのポジション争いで接触があり、スピンした車両がコース上に停まったため1周目からセーフティカーが導入。5周目に再スタートが切られました。
再スタート後もTGR-DC育成ドライバーの3台が連なり、後続を引き離す展開。2位の平良がハイペースで小高を攻めますが、抜きにくいSUGOでは逆転には至らず。小高は2戦連続のポール・トゥ・ウィンでこのSUGO大会3連勝。今季6勝目を挙げました。平良が2位、野中が3位に入り、TGR-DC育成ドライバーが表彰台を独占する結果となりました。3人が所属するTOM'Sチームによる表彰台独占は2009年以来13年ぶり。3連勝を飾った小高は、ドライバーズランキングでも首位に返り咲きました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第10戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 25 | 1h18'16.722 | 2 | 1'13.501 | TOM'S TAZ31 |
2 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 25 | 1.012 | 4 | 1'13.789 | TOM'S TAZ31 |
3 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 25 | 9.822 | 9 | 1'14.798 | TOMEI TB14F3 2020 |
4 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 25 | 9.958 | 3 | 1'13.700 | TOM'S TAZ31 |
5 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 25 | 15.652 | 5 | 1'13.801 | TOM'S TAZ31 |
6 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 25 | 24.683 | 10 | 1'15.459 | SPIESS A41 |
7 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 25 | 24.973 | 11 | 1'15.678 | SPIESS A41 |
8 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 25 | 25.594 | 12 | 1'15.683 | TOMEI TB14F3 2020 |
10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 12 | 13 Laps | 8 | 1'14.478 | SPIESS A41 | |
2 | 太田格之進 | TODA RACING | 5 | 20 Laps | 1 | 1'13.399 | SPIESS A41 | |
1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 3 | 22 Laps | 7 | 1'14.136 | SPIESS A41 | |
50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 1 | 24 Laps | 6 | 1'13.846 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第11戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 19 | 23'51.460 | 1 | 1'13.590 | TOM'S TAZ31 |
2 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 19 | 5.125 | 3 | 1'13.804 | TOM'S TAZ31 |
3 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 19 | 6.941 | 2 | 1'13.643 | SPIESS A41 |
4 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 19 | 10.665 | 4 | 1'13.827 | TOM'S TAZ31 |
5 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 11.020 | 6 | 1'14.144 | SPIESS A41 |
6 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 19 | 15.207 | 5 | 1'13.878 | TOM'S TAZ31 |
7 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 16.814 | 7 | 1'14.156 | SPIESS A41 |
8 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 19 | 17.551 | 8 | 1'14.956 | SPIESS A41 |
9 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 1'02.978 | 10 | 1'15.618 | SPIESS A41 |
10 | 62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 19 | 1'03.677 | 12 | 1'15.882 | TOMEI TB14F3 2020 |
11 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 19 | 1'03.876 | 11 | 1'15.709 | SPIESS A41 |
12 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 17 | 2 Laps | 9 | 1'15.124 | TOMEI TB14F3 2020 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第12戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 19 | 27'41.688 | 1 | TOM'S TAZ31 |
2 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 19 | 2.347 | 2 | TOM'S TAZ31 |
3 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 19 | 3.377 | 4 | TOM'S TAZ31 |
4 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 19 | 6.962 | 5 | TOM'S TAZ31 |
5 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 19 | 8.070 | 10 | SPIESS A41 |
6 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 10.713 | 11 | SPIESS A41 |
7 | 63 | 平木玲次 | HELM MOTORSPORTS | 19 | 18.569 | 3 | TOMEI TB14F3 2020 |
8 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 20.115 | 12 | SPIESS A41 |
9 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 19 | 30.899 | 6 | SPIESS A41 |
10 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 19 | 31.262 | 7 | SPIESS A41 |
62 | 平木湧也 | HELM MOTORSPORTS | 1 | 18 Laps | 8 | TOMEI TB14F3 2020 | |
10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 0 | 9 | SPIESS A41 |
ドライバーズポイント
(第12戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小高一斗 | TOM'S TAZ31 | 78 |
2 | 太田格之進 | SPIESS A41 | 74 |
3 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 48 |
4 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 48 |