スーパーフォーミュラ・ライツの第5大会(第13,14,15戦)がモビリティリゾートもてぎで行われ、ウェットコンディションとなった第13戦ではTGR-DC育成ドライバーの小高一斗(TOM'S)が後続を約40秒も引き離してのポール・トゥ・ウィンで圧勝。第14戦では平良響(TOM'S)が今季2勝目。野中誠太(TOM'S)が2位で続き、TGR-DCドライバーが1-2フィニッシュを飾りました。第15戦では小高が2位表彰台を獲得しました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第5大会(第13戦、第14戦、第15戦)が8月20日(土)と21日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されました。
全6大会18戦で戦われている2022年シーズンの同シリーズも、今大会を含め残すところ2大会6レースとなりました。
今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racingドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして小高、平良、野中の3名がフル参戦しています。小高は第2戦、第4戦、第6戦に続き前大会SUGOの3戦を完全制覇し、今季6勝でランキング首位につけています。
予選
20日(土)午前10時45分より30分間で予選が行われました。曇り空ながら気温29度、路面温度39度のドライコンディション。このセッションでのベストタイムで第13戦のスターティンググリッド、セカンドベストタイムで第14戦のグリッドが決定されます。
各車セッション前半で一旦タイムを出した後、タイヤを交換して終盤にアタック。小高は11周目に1分44秒451をマーク。惜しくも0.012秒届かずポールポジション獲得はならなかったものの、第13戦は最前列2番手グリッドを獲得。
3番手から7番手まではコンマ2秒ほどの中に5台が入る接戦となる中、野中は5番手、平良が6番手で3列目に並ぶことに。
セカンドベストタイムでは、平良が2番手と好位置を獲得。野中は5番手。小高はアタックでミスがあり、第14戦は7番手からのスタートとなりました。
第13戦決勝
予選の後、スーパーフォーミュラの決勝時にかなり強い雨が降り、一旦雨は止んだものの路面は完全なウェット。全車ウェットタイヤを装着して午後4時35分に20周で争われる決勝レースのスタートが通常のスタンディングスタートで切られました。
ポールポジションの木村伊織(B-MAX)が出遅れ、好ダッシュを決めた小高が首位に浮上。小高は1周目で2位に3秒の差をつけると、その後も周回毎に後続との差を広げていきました。
5番手スタートの平良は1周目で一気に3位へとポジションアップ。その後は前を行く2位の太田格之進(TODA RACING)との差をじりじりと詰め、14周目にはテール・トゥ・ノーズ状態になるなど、2位争いを繰り広げました。
首位を独走する小高は、毎周2秒ほどの差を広げる圧倒的な速さで、最後は2位に約40秒の大差をつけてトップチェッカー。今季7勝目を挙げました。
野中は5位を走行していましたが、12周を終えたところで車両の不調に見舞われピットイン。修復しコースへは復帰したものの、最後尾へと後退。
2位を攻め続けた平良は、ファイナルラップに追い上げてきた古谷悠河(TOM'S)に接触されてスピンし、コース上にストップ。野中が9位、平良は10位完走扱いという結果となりました。
第14戦決勝
21日(日)雨は止み、曇り空の下、気温28度、路面温度34度のコンディションで午前10時40分から第14戦の決勝レース(14周)がスタートしました。
最前列2番手スタートの平良が1コーナーまでにポールポジションの太田に並ぶと、インからパスして首位に浮上。5番手スタートの野中、7番手スタートの小高はそれぞれひとつずつ順位を上げると、3から4コーナーで2位を争う太田と木村が接触し、2台は上位争いから脱落。これで野中が2位、小高は4位へとポジションアップを果たしました。
この後方の混乱もあり、首位の平良は2位に一気に3.3秒の差を広げることに成功。2位に上がった野中は時に平良を上回るペースで追いましたが、2台は3秒弱の差を保ったまま周回。
その後方では小高が3位の菅波冬悟(B-MAX)を再三攻めますが追い抜きの困難なもてぎでそのチャンスには恵まれず、約1秒差のまま追走を続けました。
前日の接触で大きなダメージを負った車両を、メカニックが懸命の作業で修復し第14戦に出走した平良は、最後まで2秒以上の差を保ちトップでチェッカー。今季第3戦に続く2勝目を飾りました。野中が2位で続き、TGR-DC育成ドライバーが1-2フィニッシュ。小高は4位で惜しくも表彰台を逃しましたが、7番手グリッドからの4位フィニッシュで、タイトル争いにおいて貴重なポイント獲得を果たしました。
第15戦決勝
スーパーフォーミュラの決勝を終え、日差しが傾き始めた午後4時35分、今週末最後のレースとなる第15戦(14周)が行われました。
第13戦の決勝結果によりスターティンググリッドが決定され、小高がポールポジション。野中が9番手、平良が10番手と最後列に並んでスタートを切りました。
小高は好スタートで1コーナー進入では首位を守りましたが、その後のコーナーで木村に並ばれ、サイド・バイ・サイドで粘りましたがS字コーナー立ち上がりで先行を許し、2位へ後退。
9,10番手スタートの野中と平良は、平良が好ダッシュで野中をかわし、1周目で平良が7位、野中が8位へとポジションを上げました。
2位となった小高は首位と1.5秒ほどの差を保ったまま逆転のチャンスを伺いましたが届かず、2位でフィニッシュ。第13戦に続きこの週末2度目の表彰台獲得となりました。
平良と野中も前車にピタリとつけてポジションアップを狙いましたが順位変動が無いまま7位、8位でチェッカーを受けました。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 20 | 41'32.357 | 2 | 1'44.451 | TOM'S TAZ31 |
2 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 20 | 39.515 | 3 | 1'44.738 | SPIESS A41 |
3 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 20 | 44.489 | 1 | 1'44.439 | SPIESS A41 |
4 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 20 | 53.210 | 7 | 1'44.986 | TOM'S TAZ31 |
5 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 20 | 54.833 | 8 | 1'45.481 | SPIESS A41 |
6 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 20 | 1'42.215 | 9 | 1'47.829 | SPIESS A41 |
7 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 20 | 1'44.441 | 4 | 1'44.806 | SPIESS A41 |
8 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 20 | 2'03.017 | SPIESS A41 | ||
9 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 20 | 2'04.112 | 5 | 1'44.881 | TOM'S TAZ31 |
10 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 19 | 1Lap | 6 | 1'44.930 | TOM'S TAZ31 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第14戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 24'53.099 | 2 | 1'44.942 | TOM'S TAZ31 |
2 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 14 | 2.177 | 5 | 1'45.070 | TOM'S TAZ31 |
3 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 6.734 | 3 | 1'45.003 | SPIESS A41 |
4 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 14 | 7.742 | 7 | 1'45.160 | TOM'S TAZ31 |
5 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 14 | 10.138 | 6 | 1'45.156 | TOM'S TAZ31 |
6 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 14 | 15.544 | 8 | 1'45.666 | SPIESS A41 |
7 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 43.101 | SPIESS A41 | ||
8 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 14 | 55.369 | 9 | 1'47.939 | SPIESS A41 |
9 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 14 | 1'18.637 | 1 | 1'44.817 | SPIESS A41 |
1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 0 | 4 | 1'45.032 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 木村偉織 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 24'55.239 | 3 | SPIESS A41 |
2 | 37 | 小高一斗 | TOM'S | 14 | 1.959 | 1 | TOM'S TAZ31 |
3 | 36 | 古谷悠河 | TOM'S | 14 | 8.351 | 4 | TOM'S TAZ31 |
4 | 2 | 太田格之進 | TODA RACING | 14 | 8.645 | 2 | SPIESS A41 |
5 | 10 | 川合孝汰 | ルーニースポーツ | 14 | 14.358 | 5 | SPIESS A41 |
6 | 50 | 菅波冬悟 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 15.131 | 7 | SPIESS A41 |
7 | 38 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 15.846 | 10 | TOM'S TAZ31 |
8 | 35 | 野中誠太 | TOM'S | 14 | 16.425 | 9 | TOM'S TAZ31 |
9 | 4 | 今田信宏 | B-MAX RACING TEAM | 13 | 1LAP | 8 | SPIESS A41 |
30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 9 | 5LAPS | 6 | SPIESS A41 |
ドライバーズポイント
(第15戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小高一斗 | TOM'S TAZ31 | 99 |
2 | 太田格之進 | SPIESS A41 | 86 |
3 | 木村偉織 | SPIESS A41 | 62 |
4 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 58 |
5 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 55 |